タイJSCCIBとNTTデータが貿易プラットフォームの共同実証実験を実施 ~ブロックチェーン技術を活用し、ダブルファイナンスを防止~

サービスインフォメーション

2019年11月5日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:本間 洋、以下:「NTTデータ」)は、タイJoint Standing Committee on Commerce, Industry and Banking(タイ商業・工業・金融合同常任委員会、本拠地:バンコク、以下「JSCCIB」)と共同で、National Digital Trade Platformプロジェクトの一環として、NTTデータが提供する貿易プラットフォームを活用した共同実証実験を2019年7月から10月に実施しました。

本実証実験は、最新のブロックチェーン技術を適用したNTTデータの貿易プラットフォームを通じて、貿易文書を電子化した際の貿易関連業務における有効性を検証・報告することを目的としています。業界横断で貿易関連業務に係わる24企業が参加し、貿易手続きの時間・コストが最大約60%の削減が見込めること、および、異なる金融機関から不正に二重の融資を受ける「ダブルファイナンス」を防止できることを確認しました。

今後、JSCCIBはタイでの貿易プラットフォーム構築に向けた検討を進め、NTTデータは今後もASEAN地域の貿易のデジタル化を支援していきます。

背景

タイでは、国際貿易の生産性・透明性・競争力を高めることを目的として、B2B貿易プラットフォームを構築するNational Digital Trade Platformプロジェクト(以下、「本プロジェクト」)が進められています。なかでも本プロジェクトはタイ政府の公共セクター開発主管であるthe Office of the Public Sector Development Commission(以下、「OPDC」)とJSCCIBが推進する国家プロジェクトの一つに位置づけられています。

本実証実験においては、貿易文書を電子化した際の貿易関連業務における実現可能性や導入利点の検証をするため、日本で導入実績のあるNTTデータの貿易プラットフォームを利用しています。

共同実証実験について

本実証実験は、貿易文書の電子化によって得られる利便性や、ダブルファイナンス(同じ貿易文書で、異なる金融機関から不正に二重の融資を受ける)チェックなど業務課題の解決について検証を実施しました。ロジスティクスだけでなく銀行・保険業務まで含んだ貿易プロセスを実証実験の範囲として行いました。

本目的のため、貿易関連企業(タイの荷主、タイの銀行、タイの保険、タイの物流企業、タイの船会社、タイの原産地証明書提供者、日本の荷主など)から24企業が参加し、発注書、送り状、出荷指図書、海上貨物運送状、原産地証明書、輸出許可書、保険証券、貿易金融関連文書などのさまざまな貿易文書が取り扱われました。

貿易プラットフォーム

本実証実験で使用したプラットフォームは、NTTデータがブロックチェーンやAIなどデジタル技術を活用して開発を進めており、日本における貿易関連の企業が参加する業界横断のコンソーシアムにも提供されています。日本のコンソーシアムは2017年に設立し、日本を代表する荷主、銀行、保険、物流企業、船会社など業界横断のプレーヤーが参加し、業界横断で貿易業務の電子化実現に向けた課題抽出、対応を推進しています。

結果

従来行っていた紙ベースでの文書作成や書類送付作業等の関連する事務処理時間が、貿易文書の電子化により、これまでは数時間から数日かかっていた貿易手続きが最大60%短縮し得ることが確認されました。これにより、より円滑でスピーディーな貿易手続きの実現が期待されます。

また、ブロックチェーン技術により、情報が改ざん困難な形で共有されることで、「ダブルファイナンス」を防止できることも同時に確認されました。これにより安全性・透明性の高い貿易手続きが実現可能となります。

今後について

JSCCIBは引き続き貿易プラットフォームの検討を進めます。

NTTデータは貿易文書の100%電子化を実現し、これまで紙媒体がベースとなっていたため非効率だった貿易プロセスの劇的な改善を目指します。また、貿易文書の電子化を目指すASEAN各国をはじめ、国内外の政府機関・サービスプロバイダと連携し、ASEAN地域の貿易のデジタル化を支援していきます。

注釈

  • タイ政府は、National Digital Trade Platformの構築を承認し、関係機関およびJSCCIBと協力して目標達成に取り組むことを決定しました。また、タイの首相は、デジタルプラットフォームの開発を国家戦略と位置づけ、National Single Windowと接続させるよう関係各所に対して指示を出しました。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

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