宇宙における食の支援ソリューション開発を目的としたプロジェクトに参画 ~宇宙空間でも地上と変わらない食習慣の提供を目指す~

サービスインフォメーション

2021年12月13日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、農林水産省の「月面等における長期滞在を支える高度資源循環型食料供給システムの開発」戦略プロジェクトにおいて、研究課題「食の支援ソリューション開発」の実行課題責任機関として参画します。
本プロジェクトは、内閣府が主導する「宇宙開発利用加速化プログラム(スターダストプログラム)」注1の一環として公募により、一般社団法人SPACE FOODSPHERE(所在地:東京都墨田区、代表理事:小正瑞季、以下:SFS)を代表機関とするコンソーシアムの提案が採択され、宇宙食料領域の研究開発プロジェクトが本格始動するものです。事業期間は、2021年度から5年間の予定です。NTTデータは、小課題「QOLマネージメントシステムの開発」における「食の支援ソリューション開発」の実行課題責任機関として参画します。
NTTデータは、食材や調理器具、調理人等が極めて限られた宇宙空間でも長期滞在クルーが地上の日常に近い食習慣を維持できるように、食料等の物資補給計画や長期献立、およびクルーにこれらを提案するシステムの研究開発に取り組みます。

背景

地上環境と宇宙滞在環境の最大の違いは、食を含め、生活を維持するためのリソース(人・物資・空間・時間)が極めて限られていることです。宇宙空間という閉鎖環境で大小さまざまなストレスを抱えながら生活する中では「食」は大事な役割を担っています。
宇宙滞在時の食事は、1)栄養素などが満たされた食事による生命維持(身体の健康)、2)おいしい食事によるストレスの低減(心の健康)、3)食事の場を通じたクルー間のコミュニケーション(良好な人間関係の形成)、のいずれも重要とされていますが、これまでは1)が最優先される傾向にあり、地上に比べると圧倒的に選択肢が少ないのが実情です。
このように多くのリソース制約がある中、職業飛行士と旅行者等が混在する2030年代後半の月面基地滞在を前提とした、個人および集団のQOL確保を支援する新たなフードシステムの構築が不可欠となっています。

宇宙における食の支援ソリューション開発内容

NTTデータは、本プロジェクトにおいて、小課題「QOLマネージメントシステムの開発」における「食の支援ソリューション開発」の実行課題責任機関として、閉鎖環境における集団のQOLの維持・向上を目的に、宇宙空間の極めて限られたリソース(食材・調理器具・人員等)環境でも、長期滞在クルーがなるべく地上の日常に近い食習慣を維持するための食の支援ソリューションとして、下記の研究開発に取り組みます。

  • 栄養と嗜好性に配慮した長期献立メニューと食料供給プランを策定
  • 食事や食体験の選択肢をレコメンドする食のサポートシステムの実証モデル開発

本実行課題のメンバーはNTTデータ、キユーピー、医薬基盤・健康・栄養研究所、辻料理教育研究所で構成されています。NTTデータは、本課題のメンバーとともに、食のパーソナライズの知見、データ融合・解析の技術、食事や食体験、調理、献立メニュー開発、極限環境での食事改善など、「食×心身の健康」分野での多種多様でユニークな知見を生かしながら、宇宙特有の心身の健康課題の解決に取り組みます。

図:コンソーシアムで取り組む各課題の概要と担当機関の一覧

図:コンソーシアムで取り組む各課題の概要と担当機関の一覧

今後について

本コンソーシアムは掲げる目標の達成に向けて、SFSを代表機関とし、国際的に優位性の高い技術や知見、設備等を有する研究機関および企業で構成されています。多種多様なプロフェッショナルの集結により、本取り組みにおける研究開発・実証を着実に推進させるとともに、将来的な研究開発成果の月面滞在ミッション等への実装、さらには地上ビジネスやSDGs目標の達成を含む社会課題解決等への成果波及に向けて、JAXA等の協力機関や海外の機関等とも連携を図りながら、産学官の有機的なコラボレーションを促進していきます。

注釈

  • 注1宇宙開発利用加速化プログラム(スターダストプログラム)について
    宇宙政策全体を俯瞰し、戦略的に取り組むべきプロジェクトを特定し、関係省庁の連携や産学の多様なプレーヤーの参画の下で技術開発に取り組んでいく枠組として2020年度に内閣府にて創設されたプログラム。
  • 文中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

SPACE FOODSPHEREについて

SPACE FOODSPHEREプログラムは、地球と宇宙の共通課題である「食」の課題解決を目指す共創プログラムです。リアルテックホールディングスやJAXAらが主導し、多種多様な40以上の企業、大学、研究機関等のキーマン、プロフェッショナルが集い、分野横断的、かつ有機的な連携による研究開発や事業創出に向けた活動を推進しています。
農林水産省の「月面等における長期滞在を支える高度資源循環型食料供給システムの開発」戦略プロジェクトの公募において提案が採択され本格始動します。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
製造ITイノベーション事業本部
第四製造事業部
三竹・多田・大西
E-mail:fwsales@kits.nttdata.co.jp

- NTTデータは、「これから」を描き、その実現に向け進み続けます -