15cm解像度の衛星画像の国内独占販売権を米国Earth Observant, Inc.より取得 ~「超低軌道衛星コンステレーション」による高品質・多頻度・タイムリーな情報提供サービスの実現を構想~

サービスインフォメーション

2022年11月25日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(代表取締役社長:本間 洋、以下:NTTデータ)は、2022年8月3日、米国Earth Observant, Inc.(CEO:Christopher Thein、以下:EOI Space)と株式譲渡契約を締結し、株式の約2.5%を取得しました。さらに2022年11月9日、EOI Spaceのグローバルアライアンスプログラムの初のパートナーとして、衛星画像の販売に関する代理店契約を締結し、日本国内における独占販売権を獲得しました。EOI Spaceは世界最高レベルの15cm解像度での撮影が可能な光学センサーを持つ観測衛星を開発中です。

EOI Spaceが開発中の観測衛星「スティングレイ(Stingray)」は、「衛星コンステレーション」により複数の機体を組み合わせて運用し、独自に開発した電気推進の技術により障害物が少ない超低軌道上を安定的に運行できます。一般的な観測衛星より高度が低く機体が小型であることで、機体の開発・打ち上げコストを大幅に抑制しつつ、「解像度15cm」という高精細な画像が撮影できます。

NTTデータは、2023年に日本国内に衛星受信局を整備し、観測衛星から顧客までの一貫したシステムを構築することで画像提供の高速化を実現します。2024年12月からはEOI Spaceのデータを活用した衛星画像の販売開始を計画しており、AI解析による物体識別など、さらなる付加価値を提供することで、2028年までに100億円以上の売上をめざします。

背景

安全保障分野においては、昨今の情勢変化に伴い、宇宙利用領域の重要性が増大しています。同様に防災分野でも、気候変動で災害の激甚化が進むなか、被災状況把握等でより高頻度で高い解像度を持つ衛星画像に対する需要と期待が高まりつつあります。

一般的に高い解像度を持つ観測衛星の機体は大型であり、生産ならびに打ち上げに多額のコストを要する傾向にあります。そのために運用される機体数は限定的となり、短い時間間隔で高解像度の撮影を行うのが困難だという課題がありました。一方で、一日の撮像枚数の多さを強みとする観測衛星は多くの場合、解像度を課題としています。

特徴

EOI Spaceが開発している観測衛星は、独自に開発した電気推進の技術によってデブリの少ない超低軌道上を安定的に運行することができます。一般的な観測衛星より高度が低く機体が小さいことで、機体の開発コストならびに打ち上げコストを大幅に抑制します。これにより実現できる、複数の観測衛星を組み合わせる「衛星コンステレーション」を活用して、高い解像度と短い撮像時間の間隔を両立しつつ、安価に衛星画像を提供することをめざします。さらに、機体が複数あることで顧客に対し専有衛星を提供することも可能となります。

NTTデータは、画像提供を高速化するため、2023年に日本国内に衛星受信局を整備し、観測衛星から顧客までの一貫したシステムを構築します。

図:サービスの全体像

図:サービスの全体像

販売代理店契約について

今回締結した販売代理店契約により、NTTデータは日本国内においてEOI Spaceが提供する衛星画像の独占販売権を獲得します。

今後について

EOI Spaceでは、2024年1月に1基目の観測衛星を打ち上げ、同年末までに6基体制とすることを予定しています。
また、NTTデータは、2023年に日本国内で衛星受信局を整備し、2024年12月に衛星画像の提供を開始、2028年までに100億円以上の売上をめざします。
今後は、自社のデータセンタに画像データを蓄積してAIで解析することで、過去との差分抽出や異常検知といった、付加価値のある画像の提供をめざします。
また、建設時の詳細設計業務や、家屋・建物・各種構造物の被災状況把握調査などへの適用も視野に、今後整備される様々な防災システム、設備整備事業における衛星画像の活用を拡大し、新たなレジリエンス市場の創設をめざします。

EOI Spaceについて

EOI Spaceは米国を拠点としており超高解像度画像を収集するため、独自の低空飛行の小型衛星コンステレーションを開発しました。実証済みの電気推進技術(特許出願中)によって超地球低軌道(VLEO)を運行し、幅広い地球観測アプリケーションをサポートします。
これまで以上に地球に近い場所で運用することで商業利用可能な最高レベルの画像をキャプチャし、リアルタイムインテリジェンス、アセット監視、およびシチュエーションアウェアネスに活用します。

EOI Space公式サイト

注釈

  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

EOI Space CEO Christopher Thein(左)と株式会社NTTデータ 常務執行役員 茅原 英徳(右)

EOI Space CEO Christopher Thein(左)と株式会社NTTデータ 常務執行役員 茅原 英徳(右)

本件に関するお問い合わせ先

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第一公共事業本部
モビリティ・レジリエンス事業部
第二統括部
営業担当
E-mail:nttd-dsales@kits.nttdata.co.jp