横浜市の就学援助業務におけるRPA・AI-OCRの活用により、年間超勤時間を50%削減

~新業務デザインのコンサルティングやソリューション提供で自治体DX推進を支援~

トピックス

2023年4月27日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、神奈川県横浜市教育委員会事務局学校支援・地域連携課就学係(以下、横浜市)の就学援助業務を自動化するRPA・AI-OCRを2019年度より提供開始し、年間36,000件の紙申請のデジタル化(文字情報のデータ化)に加え、超勤時間の50%にあたる年間約2,000時間の業務時間の削減を実現しました。注1
このたびの取り組みでは、横浜市が求めるセキュリティーや性能等の要件を満たすNTTデータのRPAソリューション「WinActor注2」と、AI-OCRソリューション「NaNaTsu AI-OCR with DX Suite®注3」を申請受付から支給までの内部事務に導入しています。さらに、新業務デザインのコンサルティングも提供しており、同様の課題を抱えるあらゆる自治体・組織への展開が可能となります。
NTTデータは、横浜市の他業務への拡大を支援するとともに、国が推進する行政手続きのオンライン化への対応や業務システムの標準化に対応する仕組みとすることで、自治体DXの推進に寄与する取り組みを支援していきます。

背景

日本の市区町村で最も人口の多い横浜市の就学援助業務では、年間36,000件の申請を各工程(下記「抽出」、「審査」それぞれ)短期間(約2週間)で作業する必要があり、職員1人あたりの作業時間は1日10時間以上におよび、兼務する他業務も重なり、担当する職員の大きな負担となっていました。市民サービス水準を維持しつつ、職員の業務負荷を早急に改善すべく、NTTデータは2019年度より紙の申請書内の文字情報のデータ化や作業のデジタル化に向け、RPA・AI-OCRの提供を開始、2021年より横浜市の就学援助業務へ本格導入されています。

概要

横浜市の就学援助業務の分析や事前の効果検証を行い、セキュリティーや性能等の要件を満たすRPAソリューション「WinActor」と、AI-OCRソリューション「NaNaTsu AI-OCR with DX Suite」を申請受付から支給までの内部事務に導入しています。

提供期間:2019年11月~2023年3月(2023年4月以降も継続利用中)

内容:

  • 業務改善対象業務のコンサルティング(業務スクリーニング調査、事前効果検証)
  • 就学援助申請書類(手書き)のデジタル化(文字情報のデータ化)
  • デジタル化された申請内容の対象者抽出、記載内容のチェック・審査などを自動化
  • WinActorおよびNaNaTsu AI-OCR with DX Suiteの利用に係る導入支援

図:就学援助業務デジタル化のプロセス

図:就学援助業務デジタル化のプロセス

取り組み内容

RPA・AI-OCRの導入にあたり、横浜市の就学援助業務を担当する職員と以下の取り組みを実施しました。

  • 現行業務を、集中的に行う創造的業務(コア業務)とアウトソーシングやRPAで処理できる単純作業(ノンコア業務)に整理し、抜本的な業務のBPR(Business Process Re-engineering)を実行。
  • RPAやAI-OCRの技術研修会の実施や職員自ら日々の業務に対するシナリオ(RPAの動作指示書)を作成、ソリューションを活用した業務改善を繰り返すことで、職員1人1人の業務改善に対する意識向上を図る。

導入効果

2023年3月末時点で年間36,000件の紙申請のデジタル化(文字情報のデータ化)を実現。さらに、年間約2,000時間の業務時間の削減(超勤時間の50%削減)も成し遂げることができ、削減できた時間を活用することで、これまで十分な時間が取れず先送りになっていた業務マニュアルの改訂や規程の整理などについても対応することができました。これは横浜市では過去に例のない成果であり、横浜市役所内の表彰制度(よこはまONE TEAM賞)にて、約100ある取り組み事例の中から、副市長賞に選出されました。

今後について

今後は自動化の範囲を拡大し、今回の就学援助業務に加え、2023年度から個別支援奨励費支給業務にも導入を予定しています。
NTTデータは、国が推進する行政手続きのオンライン化への対応や業務システムの標準化など、今後想定される自治体DXの課題についてさまざまな側面から一層サポートしていきます。
なお、自治体DXの課題解決のツールとして活用可能なRPA、AI-OCRについては、「スマート自治体プラットフォームNaNaTsu注4」で提供していきます。

参考

本取り組みの詳細、および横浜市職員へのインタビュー内容をWinActorソリューションサイトに掲載しています。
https://winactor.com/case/winactoruse/yokohama-city/

注釈

  • 注1 2023年3月末時点
  • 注2 Excel・ブラウザ・個別の業務システム等、Windows端末から操作可能なあらゆるアプリーケーションの操作をシナリオとして学習し、PC操作を自動化するRPAソリューションです。
  • 注3 地方公共団体様向けに、AI-OCRをLGWAN-ASPとして提供する共同利用型のサービスです。
  • 注4 自治体DXの課題解決のツールとして活用可能なRPA、AI-OCRについては、「スマート自治体プラットフォームNaNaTsu」で提供していきます。「スマート自治体プラットフォームNaNaTsu」とは、スマート自治体実現貢献のため、自治体向けAI-OCRサービス「NaNaTsu AI-OCR with DX Suite」とRPAを組み合わせたサービスです。
  • 「NaNaTsu AI-OCR with DX Suite」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

本取り組みに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
社会基盤ソリューション事業本部
デジタルコミュニティ事業部
第二ビジネス統括部
第二営業担当
浜口、岩井
TEL:050-5546-2448

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
社会基盤ソリューション事業本部
ソーシャルイノベーション事業部
RPAソリューション担当
TEL:050-5546-7720
Web:https://winactor.com

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