ソフトウェアの国際化と地域化
ソフトウェアのグローバライゼーションは、様々な言語に対応させるだけでなく、各地域に住む人や働く人の文化・慣習なども含めて、ソフトウェアが問題なく利用できることを意味しています。大きく分けて、国際化と地域化の2要素から成り立ちます参考。
- 1.国際化(Internationalization(I18N))
ソフトウェア自体が様々な言語や地域に応じた振る舞いができるように設計・開発
- 2.地域化(Localization(L10N))
国際化されたアーキテクチャ上で、地域毎に応じたソフトウェアの振る舞いを設計・開発
図:国際化と地域化の対応関係
つまり、特定の言語・地域に依存しないニュートラルなソフトウェアを開発するには、あらかじめ国際化の観点を設計段階から考慮しておかないと、いざソフトウェアをグローバライゼーション対応させる際に開発の手戻りが発生することが考えられます。以降では、国際化の部分に絞り、設計時に気をつけるべきポイントを紹介します。
設計で気をつけるべきポイント
まずは、開発言語やフレームワークが持つ「国際化対応に関するAPI」を考慮する必要があります。昨今の開発では、APIを活用することで比較的簡易にソフトウェアの国際化が可能となりました。
代表的な言語とフレームワークのAPI
また、特に重要なポイントをピックアップすると以下の5項目になります。現行システムの分析、システムの設計、サードパーティー製品の検討などの場面で活用することができます。
表:ソフトウェアの国際化で注意すべきポイント
ポイント | 概要 |
---|---|
1.コード変換のパターン | データの入出力の環境が異なる場合には、文字化けを起こす可能性があるため文字コードの変換方法について留意する必要がある。 |
2.文字のソーティング | 文字のソーティングは言語によってアルゴリズムが異なるため、気をつけるべきポイントとなる。特に、日本語のように漢字やひらがなが混在する言語では、文字のソーティングの重み付けが業務内容に沿っているか確認する必要がある。 |
3.タイムゾーン | 複数のタイムゾーンにあるシステムを連携する際の時間の同期方法を確認する必要がある。 |
4.マルチOS・マルチデバイス | 対応する機種によって、画面サイズやフォントが異なるため、ユーザインタフェースの見せ方について考慮する必要がある。 |
5.高度な文字処理 | 文章の構文解析、スペルチェックなど、言語特有の機能が作りこまれている場合、対象言語以外の対応を考慮する必要がある。 |
NTTデータは、グローバルでビジネスを広げるお客様、国内のビジネスを主力とするお客様のそれぞれに、最適なITサービスを提供できるパートナーを目指しています。この取り組みを加速するため、ソフトウェアのグローバライゼーションで必要な開発ガイドラインやチェックリストなどを整備しています。