NTTデータ ソフトウェア工学推進センタにおける研究成果が「山下記念研究賞」および「IWESEP2014 Best Research Paper Award」を受賞
2014年12月15日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)のソフトウェア工学推進センタにおける取り組みの研究成果が、情報処理分野における国内最大の学会である情報処理学会「山下記念研究賞」および「International Workshop on Empirical Software Engineering in Practice(IWESEP)2014」の「Best Research Paper Award」を受賞しました。
「山下記念研究賞」とは、昭和62年に創設された情報処理学会における研究会およびシンポジウム発表論文の中から特に優秀な論文を選び、その発表者に授与されるものです。また「IWESEP」は、実践的ソフトウェア工学の分野において研究者と実務家が新規的な研究成果について報告・議論することにより、この分野の研究を促進する目的で開催されているワークショップであり、本賞は、ワークショップにおける最も優れた論文に与えられるものです。
山下記念研究賞について
一般社団法人 情報処理学会 山下記念研究賞
受賞論文
「ソフトウェア要求仕様書の第3者インスペクション方法論とその実践評価」
(著)斎藤 忍、竹内 睦貴、平岡 正寿、木谷 強、夏川 勝行(日本電信電話株式会社)、青山 幹雄(南山大学)
論文概要
NTTデータでは2010年より、社内のプロジェクトで作成した要件定義書の第3者チェック注の取り組みを進めてきました。要件定義書の品質改善を促すことでソフトウェア開発全体の品質向上やコスト削減を狙いとし、これまでに100以上のプロジェクトに適用しています。当該論文は、第3者チェックの実現方法、および、費用対効果(要件定義書の改善コストに対する後工程の削減コスト)の評価結果を報告し、実践的かつ有用な内容と認められて受賞となりました。
IWESEP2014 Best Research Paper Awardについて
International Workshop on Empirical Software Engineering in Practice(IWESEP)Best Research Paper Award
受賞論文
「Extraction of conditional statements for understanding business rules」
(著)Tomomi Hatano(Osaka University), Takashi Ishio(Osaka University), Joji Okada, Yuji Sakata and Katsuro Inoue(Osaka University)
論文概要
NTTデータでは、既存システムのソースコードから設計書を自動再生する技術を開発、2013年から「設計書リカバリーサービス」を社外にも提供しております。当該論文は、将来的にこのサービスにおいて活用することを念頭に置いた研究であり、ソースコードに含まれる処理ロジックからビジネスルールに相当する部分のみを効率的に抽出する手法を考案、実際の開発現場にてその評価を行った結果を報告したものです。特に実際の開発現場にて評価を行った点が認められて受賞となりました。本研究は、大阪大学 大学院情報科学研究科 井上研究室と実施した共同研究となります。
NTTデータ ソフトウェア工学推進センタでは、今後もさまざまな学会活動を通じ、社会にとって有益となる情報の発信を行うことで、ソフトウェア工学分野発展の一助となることを目指します。
参考
- 2014年度(平成26年度)山下記念研究賞(外部リンク)
- International Workshop on Empirical Software Engineering in Practice(IWESEP)
- 2013年4月24日ニュースリリース
既存システムのソースコード解析および設計書作成を自動化「設計書リカバリーサービス」を提供開始
注釈
- 注一般にソフトウェア工学の分野では「インスペクション」と呼ばれます。
本件に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
技術開発本部
ソフトウェア工学推進センタ
坂田 祐司
TEL:050-5546-8779