産業データの安全な流通を実現する総合サービス「X-Curia™」の本格展開を開始

~データスペースの構築を推進、企業・業界を超えた安全なデータ連携の課題解決を
コンサルティングからソリューション導入まで一貫して支援~

トピックス

2025年6月30日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、企業間でのデータ連携・利活用をはじめ、さまざまな産業で構築が進むデータスペースの取り組みを支援するため、安全かつ柔軟にデータを連携・活用できる企業・組織間データ連携の総合サービス「X-Curia™(読み:クロスキュリア)(以下:本サービス)」の本格展開を2025年7月より開始します。
本サービスは、企業間でのデータ連携に取り組む事業者や、業界全体での共通基盤の構築を目指す団体に向けて、構想策定のコンサルティングからソリューション導入、運用までを一貫して支援するものです。NTTデータが推進する先駆的なデータスペース事業で提供している機能やノウハウをより広範にサービス展開し、データ主権を確保しながら高機密なデータもセキュアに扱えるデータ連携基盤サービスをワンストップで提供可能とします。すでに複数の業界で実証や導入が進んでおり、今後、2030年までに500億円規模の売り上げを目指し、企業間データ連携を起点とした社会課題解決と付加価値創出に寄与します。

背景

近年、業界を超えたデータ連携による課題解決や新たなサービス創出を目指す動きが加速しています。一方で、企業が競争力の源泉である自社データを他社と共有するには、データ主権の確保や、営業秘密などを含む高機密データを利活用するためのセキュリティー面での安全性の確保など、乗り越えるべき課題があります。
NTTデータは、こうした課題に対応するため、国内外の企業・研究機関と連携して技術開発や実証を行い、信頼性の高いデータ流通を可能にする「データスペース注1」の構築に取り組んできました。その中で、製造業界をはじめ、さまざまな分野において企業間データ連携の構想・企画・開発に携わり、実運用に向けたノウハウと信頼性の高いデータ連携基盤の運用実績を有しています注2
今般、官民連携でエコシステムを形成する活動が本格的に始動注3するなど、企業間データ連携の社会的機運が高まる中、NTTデータはこれまでの豊富な知見と実績を生かし、本サービスの本格展開を通じて、より広範な産業への支援を開始します。

サービス概要

本サービスは、企業間データ連携に必要な「構想策定」「技術導入」「運用支援」をワンストップで提供するサービスです。特長は以下の4点です。

1.データ連携の構想策定から導入計画までを支援

企業や業界団体が取り組むべきデータ連携の構想立案を、戦略的な視点から支援します。お客さまのビジネス環境や業界特性を踏まえ、必要なステークホルダーの巻き込み、ルール・制度の整備導入に向けたロードマップ策定など、初期段階での企画・設計をリードします。特に、業界横断での合意形成や制度設計など、構想段階での複雑な課題に対して、専門的なコンサルティングを提供します。

2.データ主権と高機密性を両立するデータ連携基盤

本サービスが提供する企業間データ連携ソリューションは、認証・認可やコネクタ(データ交換用ソフトウエア)を提供し、データの保管場所や連携先を保有者自身が制御しながら他社とデータを共有する仕組みにより、お客さまのデータ主権を確保します。
また、秘匿化実行・可搬実行技術注4等の先端技術を活用し、複数の企業が自社データを開示することなく、統合的に処理できる機能を提供予定です。これらの機能を備えたデータ連携基盤は、安全な企業間データ連携に留まらず、高い機密性が求められるデータの利活用を実現できる点が大きな特長です。

  • 高機密データの連携・利活用を実現する付加価値機能は、企業間データ連携のビジネスニーズに合わせて順次拡充予定です。

3.多用な課題に対応できる柔軟な機能構成

業界団体や企業グループのニーズに応じて、必要な機能を組み合わせて提供します。例えば、外部システムとのセキュアな連携や、機密データの統合分析など、具体的な課題に応じた対応が可能です。
また、本サービスで提供するソリューションは、政府関係組織等が策定したデータスペースのリファレンスアーキテクチャーへも対応しており、こうした官民連携の枠組みを活用することで、自社のデータ利活用をより加速させることができます。

4.専門人財によるソリューション導入・構築

構想策定後、NTTデータの専門チームが、技術的な観点からソリューション導入を支援します。データ活用や業界知見を持つ人財が、環境構築や機能選定、設計、運用体制の整備など、実装・運用段階における具体的な技術支援を提供します。これにより、構想を確実に実現し、継続的なビジネス価値の創出につなげることが可能です。

図:X-Curiaの提供サービスイメージ

想定される利用ユーザー例

  • 自社内の部門間をまたぐデータ利活用を目指す企業
  • 業界横断でのデータ連携・利活用を目指す企業
  • データスペースの構築を検討する業界団体・コンソーシアム
  • データエコシステム形成を推進する官民組織

今後について

NTTデータは、本サービスの更なる機能拡充と他サービスとの連携を通じて、企業間データ連携の高度化と社会課題の解決を推進します。製造業、物流、医療、金融、エネルギーなど多様な産業への展開を進め、2030年までに500億円規模の売り上げを目指します。

注釈

  • 注1 「データスペース」とは、複数の組織が互いに信頼性を確保しながらデータを自由に流通させるための制度と、それを実現する技術を組み合わせて基盤を構築し、新しい経済・社会活動のための空間を形成する取り組みです。
    https://www.nttdata.com/jp/ja/services/dataspace/
  • 注2 NTTデータは、さまざまな産業における企業間データ連携による課題解決の先行ユースケースとして、電動車向けバッテリーに関する業界横断エコシステム「バッテリートレーサビリティプラットフォーム」を2024年5月16日より提供開始しました。
    https://www.nttdata.com/global/ja/news/release/2024/051600/
  • 注3 デジタル庁、一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、2025年6月20日、データ連携・利活用の取り組みを生み出すデジタルエコシステムの形成に官民一体となって取り組むことを目的とした、「デジタルエコシステム官民連携協議会(Japan Digital Ecosystem Partnership、JDEP)」を設立しました。
    https://www.ipa.go.jp/jdep/
  • 注4 株式会社NTTデータグループは、高機密データを安全に企業間連携するために必要となるデータおよびアルゴリズムの「秘匿化実行・可搬性技術」を確立しました。
    https://www.nttdata.com/global/ja/news/topics/2025/032601/
  • 「X-Curia」は日本国内における株式会社NTTデータの商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第一公共事業本部
パブリックサービスデザイン事業部
企画統括部
営業担当
武田、西端
E-mail:trusted-ds@kits.nttdata.co.jp

株式会社NTTデータグループ
技術革新統括本部
Innovation技術部
IOWN推進室
濱野、金子、土橋
E-mail:trusted-ds@kits.nttdata.co.jp