キャラクタービジネスにおける監修業務を効率化する「デザイン監修AI™サービス」の提供を開始
~監修画像からマスターデータを自動特定し、高精度な差分の可視化を実現~
トピックス
2025年11月17日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、2025年11月17日より、キャラクタービジネスにおける監修業務注1を効率化する「デザイン監修AI™サービス」の提供を開始します。近年、キャラクタービジネスの市場拡大に伴い、ライセンス商品が多様化し、業務の複雑化が進んでいます。これにより、監修業務では業務負荷が増加し、品質管理の難易度も高まる傾向にあります。結果として、商品化プロセスが長期化し、販売機会を逃すリスクが生じています。こうした課題への対応は、業界全体の喫緊の課題です。本サービスではAIと特許技術を活用することで、監修対象画像からマスターデータを特定、差分を高度に検知することを可能にします。これにより膨大な時間がかかっている監修業務を効率化し、属人化の解消、関係者間のコミュニケーション円滑化も実現します。今後は監修対象領域を拡大するとともに、周辺サービスとの連携を通じて監修業務全体の高度化を実現します。NTTデータは本サービスを通じて、キャラクターIPの創造・活用・保護を支え、日本のコンテンツ産業のさらなる発展に貢献していきます。
背景
国内のキャラクタービジネスの市場規模は年々拡大し、2025年度は2.8兆円規模注2に達すると見込まれています。市場の成長・拡大に伴い、ライセンス商品の種類やコンテンツ展開が多様化し、知的財産(IP)を活用したビジネスはますます複雑化しています。
このような状況の中、キャラクターなどのIPの権利を保有する企業(ライセンサー)と、その使用許諾を受けて商品化をおこなう企業(ライセンシー)の双方において、業務負荷の増加や品質管理の難易度が高まっています。特に監修業務においては、膨大なデザインチェックや担当者による監修判断のばらつき、関係者間のコミュニケーションロスといった課題が顕在化しています。その結果、商品化プロセスが長期化し、販売機会の損失に繋がる可能性があり、業界全体として早急な対応が求められています。
NTTデータはAIと特許技術を活用し、監修業務の効率化や属人化の解消、関係者間のコミュニケーション円滑化を目指し、本サービスの提供に至りました。
概要(特長)
NTTデータは、2025年11月17日より、「デザイン監修AIサービス」の提供を開始します。本サービスでは、監修対象の画像から参照元のマスター画像やスタイルガイドを特定し、2つの画像の差分を視覚的かつ高精度に検出・可視化します。これにより、従来は熟練者による手作業が必要だった監修作業の効率化・標準化が可能となり、監修担当者はより付加価値の高いクリエイティブな業務に集中することができます。
なお、業界を牽引する複数の代表企業においてトライアルを実施した結果、従来、構成が複雑なキャラクター画像では差分抽出に約1時間要していましたが、本サービスにより、ワンクリックで即時抽出が可能であることが確認できました。これにより、作業時間の大幅な短縮と業務効率の向上を実現しています。
図1:デザイン監修AIサービスの画面イメージ
- 監修データから正しいマスターデータを即座に特定
監修対象の画像(キャラクター・ロゴなど)をアップロードするだけで、企業が保有するスタイルガイド等から類似度の高いマスターデータを自動検索します。検索結果には差分画像も表示され、視覚的に比較できます。傾きや歪みを自動補正しながら検索できるため、撮影された商品画像やサンプル写真からでも精度の高い検索が可能です。従来、経験と勘に頼っていた探査作業を大幅に効率化します。 - 2つの画像の違いを視覚的かつ高精度に検出
色味や形状のわずかな違い、微細なズレや歪みまでを、高精度かつ自動的に検出・可視化します。目視では見逃しやすい細部の差異も瞬時に把握できるため、確認作業のスピードと正確性が大幅に向上します。バージョン間の比較や意図しない変更の有無を確認する場面など、さまざまな確認工程での作業時間を短縮します。 - NTT特許技術RMS(ロバストメディア探索技術)を応用
NTT研究所の特許技術であるRMS(ロバストメディア探索技術)を活用してNTTデータが独自開発し、他にはない高精度な画像検索・比較を実現しています。
提供プラン
用途に応じて2つのプランを提供します。
<プランA>
1つの監修対象画像から参照元の画像やスタイルガイドを特定するマスター画像検索機能と、2つの画像の差分を検出する画像比較機能を利用可能なプランです。正解データがある、監修業務量が多いユーザー向けのフルサービス提供プランとなっています。
<プランB>
画像比較機能のみ利用可能なプランです。2つの画像の画像比較のみを使いたいユーザー向けのプランとなっています。
なお、用途に応じた最適なプラン選定を提案しますので、詳細はお問い合わせください。
図2:デザイン監修AIサービスの提供プラン
今後について
今後は監修対象領域を拡大するとともに、周辺サービスとの連携を通じて監修業務全体の高度化を目指します。NTT研究所をはじめとした世界最先端の研究機関とともに培ってきた技術力を活かし、キャラクターIPビジネスの課題である「創造・権利取得」「流通・活用」「保護」における課題解決に貢献していきます。これにより、キャラクターIPビジネスにおける業務負担を軽減し、より自由に創造性や事業力を発揮できる環境を実現していきます。
参考情報
注釈
- 注1 監修業務…キャラクターなどの知的財産(IP)の権利を保有する企業(ライセンサー)またはその代理が、スタイルガイドや契約条件に基づき、商品化を担う許諾先企業(ライセンシー)から提出されるデザイン/パッケージ/広告等の制作物について、内容・表現・配置・色・サイズ等の適合性や校正内容を確認し、修正指示や承認を行う一連の業務を指します。
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注2
株式会社矢野経済研究所のキャラクタービジネスに関する調査より引用。
キャラクタービジネスに関する調査を実施(2025年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所
- 「デザイン監修AI」は日本国内における株式会社NTTデータの商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
第一インダストリ統括事業本部
メディア・情報サービス事業部
第1ビジネス統括部
ビジネス担当
石榑、方尺、鼻輪
E-mail:lbpsales@hml.nttdata.co.jp