金融機関向けの融資稟議書作成AIサービスを京都銀行に導入決定

~AIを活用した融資業務の審査品質と生産性の向上により最大年間11,700時間の業務削減を見込む~

トピックス

2026年2月25日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、株式会社京都銀行(以下、京都銀行)に対し、2026年7月よりNTTデータが提供する「LITRON® Generative Assistant on finposs®」を活用した融資稟議(りんぎ)書作成AIサービス(以下、本サービス)を提供開始します。
地域全体の成長を牽(けん)引する金融機関はこれまで以上にコンサルティング機能を強化し、迅速に取引先の課題解決を行っていくことが求められています。NTTデータはこうした状況を踏まえ、AIを活用した業務の効率化によって創出した稼働を提案機会の拡大につなげるアプローチを整理しました。本サービスでは、法人向け融資審査業務における稟議書作成を対象に、行内に分散する各種データの収集・要約から稟議書素案の作成までを自動化し、審査品質の底上げと営業リードタイムの短縮を実現します。京都銀行での検証では、作成した稟議書に対する審査役評価の合格ライン到達率が約30%から約95%へ大幅に向上することが確認され、最大で年間11,700時間の業務削減効果を見込んでいます。
NTTデータは今後、京都銀行を含む地銀共同センター注1参加行をはじめとするより多くの金融機関へ本サービスの展開を進め、法人融資業務の生産性向上と審査プロセスの迅速化を通じて、さらなる顧客サービス向上をめざします。

背景

金融業界では、年間数万社に上る法人融資先に対して稟議書作成が必要となり、担当行員は顧客概要や財務情報など多岐にわたる情報を収集・整理したうえで文書化するため、稟議書作成に係る業務負担は大きなものとなっています。また、若手行員にとっては、稟議判断に必要な観点を漏れなく整理・記載することが難しく、記載不足やミスによる差し戻し、顧客への追加ヒアリングが発生し、最終承認までのリードタイムが長期化する課題がありました。
こうした課題に対して、NTTデータと京都銀行は、AI技術を活用して稟議書作成プロセスの品質向上と効率化を同時に実現する仕組みの構築に取り組みました。
なお、NTTデータは金融機関の経営変革と地域社会の持続可能な発展を支援する新たな取り組み「ARISING™」注2を推進しています。本案件はその取り組みの一環として位置づけられるユースケースです。

概要

本サービスは、NTTデータが提供する「LITRON Generative Assistant on finposs」を基盤とした、金融機関向けの稟議書作成AIサービスです。「LITRON Generative Assistant on finposs」は、NTTデータの自然言語処理に関するノウハウを生かして開発したRAGである「LITRON Generative Assistant」と、金融機関をはじめとした高いセキュリティー基準を必要とする業種でも安心・安全に各種AIサービスを利用できるプラットフォーム「finposs基盤」を組み合わせた、生成AIサービスです。導入企業に合わせた個別のチューニングを行うことができ、RAGとしての精度を向上させることが可能です。本サービスを活用し、行内に蓄積された顧客概況、財務情報などをAIが参照・分析し、融資判断に必要な観点に沿った稟議書素案を自動生成します。

京都銀行では、若手行員を対象に本サービスの試行利用を実施し、行員が一から稟議書を作成する場合と比べ、作成時間を約半減できることを確認しました。くわえて、審査役による稟議書評価では、その合格ライン到達率が手作業での約30%から約95%へと大幅に増加しました。これらの検証結果から、稟議書作成の生産性向上により最大で年間11,700時間の業務削減効果を見込んでいます。

図1:稟議書作成AIサービスのシステム実現イメージと特長

融資稟議書作成AIサービスの特長

  • (1) 行内に分散する情報の収集と、稟議書素案作成の自動化
    融資審査に必要な顧客概況、財務情報などを行内の複数システムから横断的に取得・整理し、稟議書素案を自動作成することで、情報収集・記載の作業負荷を軽減し、稟議書作成業務を効率化します。
  • (2) 稟議書作成観点の網羅
    京都銀行とNTTデータが共同で整理した「融資判断で抑えるべき観点」に沿って文書を構成することで、記載漏れや差し戻しを抑制し、稟議書品質の底上げに寄与します。
  • (3) 取引先ごとに最適化された稟議書素案の作成
    京都銀行をはじめとする複数の金融機関との検証を通じて、取引先ごとの入力データを反映し、取引先ごとに応じた稟議書素案を作成できるようにしております。
  • (4) 高セキュリティー環境による安心・安全なデータ保護
    本サービスは、FISC安全対策基準注3に対応した高セキュリティー環境で融資関連データを安全に扱えるため、機密性の高い融資審査業務でも安心してAIを活用できます。

本サービスは他の金融機関でも検証を実施しており、AIの出力結果が複数の金融機関で同水準であることを確認しています。今後は、地銀共同センター参加行をはじめとするより多くの金融機関へサービス展開を進めていく予定です。

今後について

今後は本サービスを起点に、与信業務全体や関連プロセスへのAI適用範囲の拡大を検討します。また、NTTデータはAIネイティブな仕組みで法人営業から融資審査まで一連のプロセスをEnd to Endで支援する構想を掲げ、AIを中心とした先進技術の活用を通じて、トップライン向上とコスト削減の両面から金融機関の収益確保に貢献します。くわえて、生産性向上と高付加価値サービスの提供を推進し、地域経済と地域社会の持続的な発展に寄与していきます。

図2:NTTデータが掲げる法人営業・融資プロセスの業務支援構想

NTTデータグループが描くAI活用の未来

NTTデータグループは、積極的なAI活用の推進とガバナンスの両輪でお客さまのビジネス、当社のビジネスの変革を推進します。お客さまのビジネスでは、AIエージェントが指示に応じ自律的に対象業務のタスクを抽出・整理・実行する「Smart AI Agent®」の実現をめざします。当社のビジネスでは、ソフトウェア開発の大幅な生産性向上や実践的AI人財の育成を加速します。これらを通じて、AIネイティブな業務プロセス改革に取り組み、人手不足等の社会課題解決に貢献するとともに、人が付加価値の高い業務領域に注力できる世界を実現していきます。

注釈

  • 注1 「地銀共同センター」は、NTTデータが構築・運営する、地方銀行・第二地方銀行向け基幹系共同センターです。
    参加行は以下のとおりです。(利用開始および銀行コード順)
    京都銀行、千葉興業銀行、岩手銀行、池田泉州銀行、あいち銀行、福井銀行、青森みちのく銀行、秋田銀行、四国銀行、鳥取銀行、西日本シティ銀行、大分銀行、山陰合同銀行
  • 注2 地域金融を軸に地域社会の発展を支援する「ARISING™」を始動 ~提言から実装、成果まで、共に描く地域の未来~
  • 注3 日本の金融機関が使う情報システムのセキュリティー基準をまとめたガイドラインです。
  • 「LITRON」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • 「LITRON Generative Assistant」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • 「finposs」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • 「Smart AI Agent」は、株式会社NTTデータグループの英国および日本国内における登録商標、米国、欧州連合における商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第二金融事業本部
デジタルバンキング事業部
オファリング統括部
コンサルティング&セールス担当
小峰、高橋
TEL:050-5546-2314

第二金融事業本部
営業企画推進部
営業統括部
第二営業企画担当
吉田
TEL:080-2037-5745