製造業向けに「AIネイティブなSCM」への移行支援サービスを提供開始

~既存システムを生かした段階的なAI導入を、1カ月の構想策定と2カ月のPoCで支援~

トピックス

2026年10月28日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は2026年10月28日から、製造業を対象に、「AIネイティブなサプライチェーンマネジメント(以下、SCM)」への移行を支援するサービスを提供します。本サービスは、NTTデータがこれまで培ってきたSCM改革の知見と、先行するAIエージェントのPoCで得た知見や実装資産を組み合わせ、AIネイティブなSCM注1への移行に必要なプロセスを体系化したものです。
既存の業務・システム・データを生かしながら、AIと人の役割分担や業務プロセスの再設計を支援し、AIを活用したSCM業務の構想策定から、導入対象業務の選定、AIエージェントの部分実装・効果検証までを短期間で進めることが可能となります。これにより、安定供給と販売機会の拡大を通じた売上成長を支えるとともに、在庫の適正化やSCM全体の効率化を通じて、収益性の向上につなげ、お客さまの持続的な成長に貢献します。NTTデータはすでに複数のお客さまと先行して取り組みを進めており、大手消費財メーカーとのPoCでは、欠品リスクの低減余地を確認したほか、AIによる計画を適用したシミュレーションでは、在庫金額を10%台削減できる可能性を確認しました。同メーカーではこの結果を踏まえて本番化が決定しており、今後、本番運用に向けた実装を進めます。

背景

製造業のSCMでは、需要の急変や供給制約、物流トラブルなどに迅速に対応するため、販売・在庫・生産・調達・物流の情報を横断的に把握し、意思決定することが求められています。しかし、複数のシステムやExcelからの情報収集、部門間の調整、変化による影響分析などに多くの時間を要しています。また、例外的な状況への対応や複雑な判断が熟練者の経験や知識に依存しており、AIエージェントによる業務の高度化が期待されています。
一方、業務やシステムが複雑に連携している製造業では、個別業務へのAI導入だけではSCM全体の最適化につながらない可能性があります。そのため、既存の資産を生かし、人とAIの役割や導入領域を整理したうえで、段階的に実装することが重要です。しかし、AI導入後の業務像をどのように描き、どの領域から着手し、どのような基準で本番化を判断するかについては、企業ごとに一から検討する必要があり、AI導入の具体化までに時間を要することが課題となっています。

概要

NTTデータは、これまで提供してきたSCMの構想策定・システム実装の知見と、製造業におけるAIエージェントのPoCで得た知見・実装資産を組み合わせ、AIと人の役割分担や業務プロセスを再設計した「AIネイティブなSCM」への移行を支援するサービスを提供します。本サービスでは、段階的な移行を「構想策定」「PoCによる効果検証」「本番実装・展開」の3つのフェーズに分けています。今回提供するサービスでは、導入初期の2フェーズを対象に「構想策定」と「クイックPoC」として支援します。これにより、めざす姿の具体化から初期ユースケースの選定、部分実装、本番化判断までを短期間で実現します。

(1)構想策定

既存のSCM業務、システム、データを分析し、AIを活用した将来の業務像と導入ロードマップを策定します。販売・在庫・生産・調達・物流の各業務について、AIと人の役割分担や既存システムとの連携方法を整理します。また、お客さまの業務に即したコンセプトデモを作成し、AI導入後の業務像を具体化します。

(2)クイックPoC

策定した構想をもとに、販売計画や需給調整、在庫・供給判断などから優先度の高い業務を選定し、AIエージェントを部分的に実装・検証します。実際の業務データを用いて、AIの精度や技術的な実現性に加え、意思決定時間の短縮、欠品率・在庫水準の改善などの効果を評価します。さらに、経営指標への影響を検討し、本番導入に向けた投資判断を支援します。
いずれも既存のERP(統合基幹業務システム)やSCP(サプライチェーンプランニングシステム)などのシステムを生かし、全面刷新を前提とせずに、AIの段階的な導入を支援します。

図1:複数のAIエージェントが連携するSCM業務画面のイメージ

図2:AIネイティブなSCMへの段階的な移行ステップ

本サービスの特長

(1)既存システムを生かした段階的なAI導入

ERPやSCPなどの既存システムを全面刷新するのではなく、現在の業務・システム・データを生かしながら、AIが担う領域と人が判断・承認する領域を整理します。また、熟練者が持つ判断基準や業務ルールなどをAIが利用できる形に整理し、既存システムとの連携方法も含め、AIネイティブなSCMへの段階的な移行方法を設計します。

(2)短期間の効果検証による本番化判断を支援

1カ月の構想策定では、お客さまの業務に即したAIネイティブなSCMの将来像を策定するのに加え、企業ごとのコンセプトデモを作成します。その後、効果の大きさやデータの準備状況、技術的な実現性などから優先領域を選定し、2カ月でAIエージェントを部分実装します。現行業務との比較を通じてSCM指標や経営効果、技術的実現性を評価し、お客さまの本番化の可否判断を支援します。

(3)先行案件で蓄積した知見・実装資産を活用し、導入を効率化

NTTデータは、複数の製造業のお客さまとのAIエージェントの実証を通じて、SCM業務へのAI適用に関する知見を蓄積しています。大手消費財メーカーでは先行してPoCを完了し、本番化を決定しています。こうした取り組みで培ったAIエージェントの設計・実装や効果検証に関するノウハウを活用することで、企業ごとの課題や業務特性に応じたAI導入を効率的に支援します。

先行事例

大手消費財メーカーとの先行PoCでは、販売計画や統合PSI計画注2などを対象に、複数のAIエージェントを実装し、実業務データを用いて検証しました。
AIによる予実差異分析や欠品リスクの検知、販売計画と統合PSI計画の連携・再計画などを検証し、欠品リスクの低減余地を確認しました。また、AIによる計画を適用した通年シミュレーションでは、在庫金額において10%台の削減余地があると試算しました。
同メーカーでは、これらの結果を踏まえて本番化を決定しており、今後、本番運用に向けた実装を進めます。

今後について

NTTデータは今後、製造業のお客さまへの本サービスの適用を拡大するとともに、各社への導入を通じて得られる業務知見やAIエージェントの実装・評価方法を蓄積し、サービスを高度化します。また、PoCの結果を踏まえ、本番実装や他業務・拠点への展開も支援します。
これにより、既存の業務・システムを生かしながら、需要変動や供給制約などの環境変化に柔軟に対応できるSCMの実現をめざします。AIと人が協働する業務への段階的な移行を通じて、意思決定の迅速化や欠品・過剰在庫の低減、経営効率の向上に貢献します。

注釈

  • 注1 NTTデータが構想するAIネイティブなSCMへの変革支援
    https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/ai-scm/
  • 注2 生産(Production)、販売(Sales)、在庫(Inventory)の三要素を統合的に管理し、需給バランスを最適化する計画手法

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
コンサルティング事業本部
SCユニット
中村 門馬
E-mail:iquattro_contact@am.nttdata.co.jp