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テックリードとして、社会課題を起点に事業を生み出す

世界トップクラスのITサービス事業者として多くの実績を誇るNTTデータ。なかでも、デジタル店舗運営サービス「Catch&Go」やセレクト型コマースプラットフォーム「Lectit」など、社会課題や業界課題を起点とした事業創発を担う「法人アセットベースドサービス推進室(以下、ABS推進室)」で、エンジニア採用を強化しています。同室のテック領域を手掛ける魅力ややりがいについて、最前線で活躍する3名の社員に伺いました。

目次

Profileこの記事に登場する人

社会や業界の課題を起点に新しい事業を生み出し、市場を創造する

──ABS推進室の概要と、そのうちテックチームが担う役割についてお聞かせください。

ABS推進室はコンサルティング&マーケティング事業本部内の組織であり、法人を対象に社会課題や業界課題を起点とした新たな事業を創造し、市場を作り出して実装していくことをミッションとして活動しています。ABS推進室には現在約70名が在籍しており、そのうち私が課長を務めるテックチームでは10名弱のエンジニア人財が活躍しています。

テックチームが担う役割は、大きく3つあります。1つ目は、事業創発を主導するPO(プロダクトオーナー)と協業し、CTOのようなポジションで新規事業立ち上げのゼロイチを推進する役割です。市場トレンドリサーチ、課題抽出や事業仮説の設定、MVP構築を踏まえた解決策検証、顧客アプローチなど、事業価値検証に始まり開発、グロースに至るまでの全フェーズを手掛けます。

2つ目は、テックチームが自ら新規事業を構想することです。テクノロジートレンドより現時点での注力テクノロジーを生成AIとデジタルツインと定め、その2つのテクノロジーをベースに新規事業創発に取り組んでいます。

そして3つ目として、ABS推進室のメンバーを育成する役割も担っています。テックチームが持ち合わせるテクノロジーやエンジニアリングの知見を、エンジニア経験のないメンバーにも共有することで、室全体のスキル向上を目指しています。

──大企業であるNTTデータのなかで、ABS推進室が構想した新規事業は、どのような承認フローを経てローンチされているのでしょうか。

新規事業の承認フローは3ステップで、まず始めに「プロジェクト承認会」があります。この承認を得ると予算がつくため、MVP開発に進み、市場リサーチやユーザーインタビューを繰り返し、解決したい課題に関する仮説をブラッシュアップしていきます。続いて「継続判定会」のステップに進み、進捗具合やPoCの結果を踏まえて継続可否が定期的に判定されます。そして最後のステップが「商品企画会議」で、ここでプロジェクトの事業性が証明されると正式なサービスとしてローンチできます。

これらのステップのうち「プロジェクト承認会」と「継続判定会」はABS推進室内で意思決定を行うため、各プロジェクトを素早く判定・推進できています。プロジェクトの規模やテーマによりますが、早いものだと企画からローンチまで約1年半で完遂しました。

R&D組織とも連携し、先端テクノロジーを取り入れた事業創発を

──新規事業を立ち上げるにあたり、ABS推進室だから実現できる価値、強みについて教えください。

ABS推進室の強みは、お客様企業の要件ありきではなく、われわれが主動して社会・業界課題から事業仮説を立て、自分たちで社会実装していくことができる点です。また、その過程において、NTTデータグループ内のR&D部門やNTTグループ全社の基盤的研究開発を進めるNTT研究所などと連携することも多く、先端テクノロジーを積極的に事業開発に生かしています。

さらに、少数精鋭組織のためクイックにプロジェクトを進められる点も魅力です。メンバーの平均年齢は28歳前後で、若手の人財も多く活躍しています。新規事業に関する研修プログラムやメンター制度も充実しているため、年齢や経験を問わず新規事業にチャレンジしやすい環境です。

昨今のDXの潮流もあり、NTTデータでは今、ビジネスイノベーションを起こすべく組織改編を行うなど新規事業創発の重要性が増しています。その中核を担う存在としてABS推進室にかけられる期待も大きく、相応の裁量と責任をもって事業を推進しています。

──求める人物像を教えてください。

私たちの仕事はまず、社会や業界の解決するべきテーマの設定から始まります。社会のメガトレンドやテクノロジートレンドを踏まえて、社会や業界での課題仮説を設定し、フィットするテクノロジーを検討していくため、テクノロジー動向への意識の高さが重要になります。

スキル面としては、フロントエンド、バックエンド、クラウドインフラ構築いずれかの領域での経験を求めています。そのうえで、当チームは新規事業をゼロイチで手掛けるため、将来的にはフルスタックエンジニアを目指していただきたいと思っています。そういったキャリア形成に前向きな方であると、主体性を発揮いただきやすい環境だと考えています。

ABS推進室で手掛けるプロジェクトでは、決められた要件通りに開発する場面はほとんどありません。企画構想から参画し、どうしたら実現できるのかを考え、試行錯誤しながら作り上げていくことが求められます。先端テクノロジーを駆使しながら、自らのアイデアを自らの手で実現できる、エンジニアにとって非常に刺激的なフィールドだといえるでしょう。

目的に対する「最速」の手段を追求。企画から半年でPoC実施へ

──これまでのご経歴と、現在の担当業務についてお聞かせください。

神野

2010年にNTTデータに新卒で入社し、メディア業界向けの法人営業に約6年間従事しました。その後、キャリアシフトをする形で新規事業を企画する業務に移り、現在に至ります。これまで4つのプロジェクトを手掛け、現在はセレクト型コマースプラットフォームLectitのPOをしています。

中鶴

私がNTTデータに入社したのは2018年で、当初はテレビ局向けに新しいサービスを企画するチームに配属されました。そこでソリューションに組み込む新しい機能の開発や営業サポートなどを約3年間経験した後、ABS推進室に異動しました。

現在は神野と一緒にLectitプロジェクトを担当しています。開発業務を中心に、プロダクトの企画構想から入り、どう実現するかを考え、検証して実装するまでの一連のフェーズを担っています。

──お二人が担当するLectitプロジェクトについてお伺いします。Lectitの概要と、プロジェクトが立ち上がった経緯について教えてください。

神野

Lectitは、個人を中心に消費者とブランドをつなぐセレクト型のコマースプラットフォームです。個人がコマースの主体となり、ファッションブランドの商品を横断して紹介・販売を行って自己実現できるのと同時に、ファッションブランド側は消費者接点が増え、これまでアプローチできなかったセグメントにもリーチできるなど、事業ポートフォリオの転換にもつながっていくと考えています。

プロジェクトの始まりは、2020年のコロナ禍でした。私と中鶴とサービスデザイナーの3名で新規事業のアイデアを出し合い、さまざまなプロトタイプを作ってテストすることを繰り返した結果、Lectitにたどり着きました。

以前にも中鶴と別の事業アイデアを企画したことがあるのですが、そのときは事業企画を詰めきる前にプロダクトを構築してしまい、その後の身動きが取りづらくなってしまうという経験をしました。その反省を生かし、Lectitはアジャイルな開発手法を取り入れ、検証と改善を繰り返しながら進めています。

中鶴

Lectitでは、いかに早く市場にリリースするかも重視していたので、仮説検証のスピードを速める仕組みが必要でした。2週間単位でスプリントを回しつつ、事業戦略に関わる部分はもう少し長いスパンのなかでアジリティ高く進めていく手法も取っています。

こだわったのは、目的に対して最速の手段を取ることです。フロント部分にはノーコードツールを活用して柔軟に変更できるようにする一方、裏側はさまざまなファッションブランドのデータを最適に収集できるよう自分たちでシステムを作るなど、適材適所の開発スタイルを取り入れています。

──システム開発とノーコードツールの活用と柔軟な対応を取られたのですね。開発にあたり特に苦労したのはどこですか。

中鶴

苦労したのは、ファッションブランドを展開するさまざまな事業者からデータを収集する仕組みづくりです。

データベースを連携するのは、事業者側の負担が大きすぎるため、Lectitに参入するハードルが上がってしまいます。そこで、NTTデータの他部門とも連携しながらR&Dを進め、当社側でスクレイピングできる手法を開発しました。

神野

Lectitの商用化にあたり、データ収集の仕組みが肝になることは当初からわかっていました。事業性を担保するには、事業者ごとに個別のシステム開発をすることなく収集する必要があり、中鶴はプロダクトのPoCを進めつつ同時にR&Dも走らせるという難しい役回りを担ってくれました。

そのおかげでプロジェクトはスムーズに進行し、企画構想から半年後にはお客様を巻き込んだPoCを実施でき、無事正式なサービスとしてローンチしました。現在Lectitには40ブランドを超える事業者が参加しており、各ブランドの購入率向上にも一定の効果が見られています。これは、ABS推進室として大きな成果だったと考えています。

仕事の進め方は自分次第。裁量が大きく、手触り感のある仕事

──仕事を通じて感じるやりがいについてお聞かせください。

神野

LectitはCtoCコマースプラットフォームであり、多くの消費者が利用してくださっています。そのこと自体にやりがいとうれしさを感じていますね。また、自分たちで考えたアイデアを形にしてローンチできたことや、その後のサービスのグロースまで手掛けていること、こうした事業づくりの手触り感もやりがいにつながっています。

中鶴

私も、自分の考えたアイデアをもとにプロジェクトが進むことにやりがいを感じますね。特に、いちエンジニアとして企画構想から関われるのが魅力です。言われた通りに開発するのではなく、開発計画から詳細なアルゴリズムの検討までを自分で考えて進めるので、最良の施策を導き出せたときには大きな達成感を味わえます。

──組織カルチャーや仕事の進め方など、環境面はいかがですか。

神野

事業づくりに集中できる環境は魅力だと思います。法人分野、金融分野などNTTデータの事業の根幹を支える組織があるからこそ、われわれは経営資源を活用しながら新規事業開発に集中できるのです。

中鶴

仕事の進め方としては、個々人の裁量がとても大きいです。目標は与えられますが、それをどう実現するかは個々に任されているので、自分の意思とやり方でプロジェクトを進められます。

また、働き方としてはリモートワークが中心で、チャットツールやDWS(デジタルワークスペース)を活用しながら快適に仕事ができています。

神野

社会変革を目指して新規事業を生み出そうと熱意を持ったメンバーが集まっている点も魅力です。同じ志をもった仲間なのでチーム内の心理的安全性が高く、お互い切磋琢磨しながらモチベーションを高く保って仕事ができる環境だと感じます。

思い描くキャリアを実現し、社会に新たな価値を生み出していく

──お二人の今後のキャリアビジョンをお聞かせください。

中鶴

直近の目標としては、エンジニアとしてのスキルを磨き、テクノロジーに関する知見や技術をより幅広く身に付けたいと思っています。その知見や技術を積極的にメンバーに共有し、チームを超えてサポートできるようになりたいです。

その先のキャリアビジョンとしては、POを目指しています。テック領域の経験を生かし、神野のように、自らサービスを考案し提供できる人財になりたいと思っています。

神野

私は今、LectitのPOとして、このプロジェクトをやり遂げることに集中しています。このプロジェクトを通じて、社会に新しい価値を生み出すことにこだわりたいですね。

また、ABS推進室のいち管理職として、メンバー育成にも注力していきます。具体的には新規事業立ち上げに関わるPOを増やすのが目標です。POが増え、ABS推進室からプロジェクトが生まれれば生まれるほど、社会は良くなる。私はそう確信しています。

──どんな方と一緒に働きたいですか。記事をご覧の方へメッセージをお願いします。

神野

自分で考えたものを自分たちで作ることに喜びを感じる方と一緒に働きたいですね。「世の中にあるべきプロダクトはこれだ」「この業界のビジネスはこう改善できる」など、事業づくりに興味関心がある方を歓迎します。

中鶴

私も同意です。私たちのプロジェクトでは、エンジニアとして技術を選択する時点で、事業モデルやコスト、お客様企業が何を期待しているのかといったビジネス観点が求められます。そうしたビジネス視点にも関心があるエンジニアの方であれば、大いに活躍していただけるはずです。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです