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仲間との試行錯誤を楽しみながら、保険・共済業界のミライを切り拓く

保険ITビジネス事業部はこれまで、既存のサービスの提供やお客様からの要望に沿ったシステム開発をメインに手がけてきました。そんななか共済団体や保険会社をお客様に持つ第二統括部で2022年から始動したのが、業界課題に切り込み新たなサービス創出を目的とした「共済のミライ」というプロジェクト。このプロジェクトでコアメンバーとして活躍しているのが、異業種から経験者入社した宇野と、新卒から長年同事業部に所属する篠崎です。まったく異なるバックグラウンドを持つふたりが、プロジェクトや組織について語ります。

目次

Profileこの記事に登場する人

「お客様に対しITでアプローチしたい」という想いを抱いてNTTデータへ

――おふたりがNTTデータに入社した経緯を教えてください。

宇野

新卒で住宅設備機器メーカーに入社し、エクステリアを扱う販売代理店様向けの営業をしていました。自信がある商品を提案する楽しさはあったのですが、お客様のお困りごとにダイレクトに関われる機会が限られている仕事だったので、次第にもどかしさを感じるようになったんです。もっとお客様に寄り添える仕事がしたくなり、IT業界を志しました。なかでもNTTデータを選んだ理由は、裁量を持って大きな挑戦ができることと、IT未経験でも成長できることを感じたからです。NTTデータに勤める大学時代の友人から、社内の様子や育成体制が手厚く研修制度が充実していることを聞いていたので、不安はあったものの前向きな気持ちのほうが強い状態で入社を決められました。

篠崎

私は大学院で、公共機関におけるデジタル推進や、ヒューマンインタフェース導入についての研究をしていました。まだIT活用が進んでいないお客様に対しアプローチすることを仕事にしたいと感じるようになり、就職先にNTTデータを選びました。入社の決め手は、事業領域の広さ。金融や公共、法人まで多様な業界のお客様がいて、ソリューションの企画から開発、運用保守まで一貫して担える技術力がある。ここなら、おもしろそうな仕事ができるという期待感がありました。

――まったく異なるバックグラウンドをお持ちのおふたりですが、同じ「共済担当」としてご活躍されています。こちらのポジションの特徴と、配属の経緯を教えてください。

篠崎

「垣根をなくし組織一丸となりお客様に向き合おう」という事業部の方針のもと2023年7月から、営業と開発の名称の区分けをなくし両担当が統一された組織となりました。共済業界で開発をしている私と営業をしている宇野さんも、いまは「共済担当」という同じ組織に所属しています。

宇野

私は複数あるポジションのなかからあえて「保険・共済業界向け営業担当」のポジションを志望しました。前職で扱っていたカーポートやフェンスなどのエクステリアは、屋外に設置されるため台風の被害を受けることがありました。その修理をする際、保険利用の有無でお客様の負担額が大きく変わることを知り衝撃を受けたんです。そうした経験から保険・共済業界は多くの人に影響を与えられると感じていたんです。

篠崎

そうだったんですね。私の場合は、特に配属を希望はしていませんでした。むしろ、面接では大学院で研究していた公共系の取り組みをアピールしており、その配属になるだろうと思っていたほどです。「保険・共済事業部 第五システム開発担当」(現 第三金融事業本部 保険ITビジネス事業部 第二統括部 共済担当)配属と言い渡された瞬間は、頭にハテナがたくさん浮かびましたね(笑)。社会人になったばかりで共済どころか保険についても知識が乏しかったので、どういったシステムに関われるのかイメージができなかったんです。

――なじみがない業界でのスタートで心細さもあったかと思います。初めて参画したプロジェクトはどのような現場でしたか?

篠崎

共済団体様の担当として、ホストコンピュータのマイグレーションを行うプロジェクトでした。100名以上が参画しており、「システム開発はこんなに人が関わるのか」と規模の大きさに驚きましたね。試験の運営チームに入ったのですが、プロジェクトメンバーが多いためエスカレーション先を調べることすら大変。四苦八苦しながらも、なんとか完遂できたときは安堵し達成感がありました。

つぎのプロジェクトは小規模でしたが、チームリーディングを任され、業務アプリケーション開発に挑みました。規模が小さくなると、そのぶん一人ひとりの所掌範囲が広くなります。たとえば、同じ担当者がアプリもインフラも手がけたり、上流工程から一貫して担ったり。難しさはありましたが、お客様との距離が近くなりましたし、経験の量が技術向上に直結するため成長が実感しやすかったですね。いまは同じお客様のシステム全体の統括リーダーとして、複数のプロジェクトマネジメントをしています。2022年からは兼務で、「共済のミライ」プロジェクトにも参画しています。

――宇野さんは、2022年12月の入社以来同じプロジェクトを担当しているそうですね。

宇野

はい、ふたつのプロジェクトに参画しています。ひとつは、商談から契約までオンラインで完結できるコミュニケーションツール「ColorFruit」の提案営業。これは、上長に「ソリューションを提案する仕事がしたい」と伝えたところ、第三金融事業本部内の別部署であるe-ビジネス事業部に声を掛けてくれて参画することになったプロジェクトです。2022年5月から提供開始となった新サービスで、おもに銀行様や信用金庫様に向けた提案をしています。もうひとつは、篠崎さんとともに参画している「共済のミライ」プロジェクトです。

共済団体に向けた共同利用型サービス創出プロジェクトに挑む

――おふたりが参画している「共済のミライ」プロジェクトとは、どのような目的で立ち上がったのでしょうか?また、プロジェクトでのおふたりの役割を教えてください。

篠崎

組織規模がそれほど大きくない中堅の共済団体様は、単独では業務改善への投資を積極的に行えずデジタル化できていない領域が多いという課題がありました。そこで、複数の共済団体様が共同利用できるサービス創出を目的に立ち上げられたのが、「共済のミライ」プロジェクトです。

私は、プロジェクトの全体推進を担当しています。営業チームと開発チームに分かれていますが、どちらもプロジェクトメンバーは若手中心。企画力や行動力に強みを持つメンバーが集まっているため、方針整理や優先度付けをするのが私の役目です。いまは構想フェーズにいることから、ミーティングの機会が多めですね。週3回はメンバーとのミーティング、週1回は上長を交えた全体ミーティングを実施しています。

宇野

私のメインミッションは、参画していただくお客様の新規開拓と別プロジェクトで取引があるお客様への参画打診、意見の壁打ち推進です。あわせて、共済業界に影響力を持つ団体様や協会様とタッグを組み、セミナーなどを通した認知活動をしています。本プロジェクトは、ボトムアップで進んでいることも特徴の一つです。私たちメンバーが自由にアイデアや意見を出し、上長が最終判断をしてくれるような進め方をしています。

たとえば、新規開拓の手法で悩んでいたときのこと。共済担当のビジネスは、長年の実績からすでにお客様と関係性が築けているケースがほとんどで、新規営業活動をする文化がなかったんです。しかし、お客様の数を増やさないと「共済のミライ」プロジェクトは前進しません。前職の経験を活かしてこれまでの組織と違う動きをしてもいいのか悩み、思いきって上長に相談したところ、「宇野くんの強みを存分に活かして、NTTデータの型を破ってほしい。問題が起こったら私がすべて責任を取るから自由にやりなさい」と言ってもらえたんです。すごく動きやすくなりましたし、モチベーションも高まりましたね。

――現在は構想フェーズとのことですが、どのようなアイデアが出ていますか?

篠崎

いま議論しているのは、契約者の手続きや問い合わせに関する、利便性がありながらも共済の強みが活かせるサービスです。そもそも「共済」とは相互扶助を制度化したもので、団体内に閉じた仕組みという特性上、共済業務の担当者と契約者が顔見知りということもあるんです。そうすると、アナログな作業だけではセンシティブな名義変更などの手続きやプライバシーに関わる問い合わせがしづらいという課題がありました。一方で、共済だからこそ「契約者に寄り添える」という強みもあります。これらを踏まえた、あえてオンラインだけで完結させないサービスを構想しています。

宇野

このサービスの構想を進める一方で、既存のお客様に向け「共済のミライ」プロジェクトに参画いただくためのプレゼンテーションも行っています。しかし、お客様の多くはデジタル化拡大に向け動き出したばかり。真の意味での課題感を共有していただけるフェーズに入っておらず、アイデアの深堀りに至れていないのが実情です。

篠崎

そんな現状を受け、いま3つのアクションを進めています。1つ目は、契約者の声をヒアリングする大事さを訴求し問題意識を持ってもらうこと。2つ目は事例収集し情報を提供することで、問題意識を醸成すること。宇野さんが率先して動いてくれており、さまざまな共済団体様の事例を集めている最中です。3つ目は視点を変えて、契約業務の担当者側に向けたサービスについて考え始めています。

「共済のミライ」は、まだ明確な解がありません。だからこそ、チームで試行錯誤できるやりがいがあります。うまくいかないことばかりですが、大変さよりもおもしろさのほうが大きいですね。

宇野

私もおもしろさのほうが大きいですね!裁量があるのでアプローチするお客様の選定や企画の攻め方などを検討でき楽しいですし、お客様に寄り添った各団体様の課題解決への貢献や役員クラスの方との交渉もあり刺激的です。また、お客様を横断するサービス提供はNTTデータにしかできない仕事だと実感しており、このプロジェクトならではの使命感もやりがいにつながっています。

お客様想い・仲間想いの多様な人財が集う組織

――保険ITビジネス事業部ならではの特徴について教えてください。

宇野

保険ITビジネス事業部のみなさんは「クライアントファースト」の想いが強いと感じます。お客様により良いものをご提案・ご活用していただくために、一切妥協はしません。特に顕著なのは議論の場。役職の壁はなく、参加者全員が熱く議論するんです。この点は、入社当初に感じた良いギャップでした。

篠崎

論理的に良い・悪いを判断するだけではなく、そこに自分の想いを込められる方は強いと思います。くわえてミッションやタスクにオーナーシップも持っていると、高い成果を出せていると感じます。

――それではカルチャーに関しては、いかがでしょうか?

宇野

私たちが所属している共済担当ならではのカルチャーでいうと、新しくジョインするメンバーとの面談でしょうか。在籍者全員と30分間ずつ一対一の面談を原則対面でします。1週間ほどかけさまざまな方と、これまでのキャリアや趣味など他愛ない会話をしました。入社前は、真面目で堅い雰囲気の職場だと思っていたんですが、みなさん気さくでとても温かく迎えてくださり、口をそろえて「何でも聞いてね」と言ってくださったのは非常に心強かったですね。

篠崎

宇野さんのような経験者入社の方だけではなく、社内異動の際も全員との面談を実施しています。プロジェクト単位で仕事をしていると、ジョインしてきたメンバーを知る機会はなかなかないので、受け入れる側のほうも助かっているんですよ。

宇野

この面談があったおかげで、篠崎さんに気軽に相談できました。篠崎さんは私の意図を汲み取ってくださり、一歩先まで考えを巡らせてアドバイスをくれるので頼りになる存在です。周囲のメンバーや上長にも手厚くフォローしてもらえているのも、ありがたいですね。たとえば、前職は有形商材だったことから、あまり提案資料をつくり込んだことがなかったんです。一方でいまは、役員の方向けのきちんとした資料が求められることが多いことから、先輩に付きっ切りでレビューをしてもらい、ずいぶん面倒をみてもらいました。共済業界もITも未経験だった私のために、勉強会を開いてくれたこともあるんです。そうした環境と研修制度が充実しているので、安心して成長できています。

――育成体制が万全のようですが、宇野さんのような経験者入社の方は多いんでしょうか?

篠崎

宇野さんを皮切りに増えてきましたね。宇野さんのようにまったく異なるバックグラウンドをお持ちの方、保険業界の経験がある方、システム開発に関する経験がある方など多様なフィールドからの転職者がいます。保険ITビジネス事業部は、お客様からの引き合いが増えており組織拡大を進めていることから、積極的に増員している最中です。

経験者入社のみなさんは、問題のとらえ方やリスクへの意識、斬新なアイデアなどNTTデータにはない視点を必ず持っています。私のようにNTTデータの経験しかないと視野が狭くなりがちなので、経験者入社のみなさんからは刺激をたくさんいただいています。

――それでは最後におふたりの今後の目標をお聞かせください。

宇野

お客様のお困りごとをしっかり分析しながら「共済のミライ」プロジェクトをやり抜き、共済業界の半数以上の団体様に利用いただけるようなサービスをつくることが目下の目標です。また、よりお客様から信頼される人財になれるようシステム開発の経験も積みたいです。実はすでに上長に意向は伝えており、挑戦できるよう手配してくれています。

篠崎

これまで共済業界を長らく担当してきましたが、少子高齢化が進んでおり、ゆくゆくは事業継続も危ぶまれると感じています。そうしたビジネス課題そのものに手を差し伸べられるようになりたいですね。「共済のミライ」プロジェクトがその足掛かりになればうれしいので、必ず成功させたいです。

──

保険やITといったバックグラウンドがなくても、自分ならではの強みを活かし成長できる環境が整っている保険ITビジネス事業部。業界への貢献性が高いプロジェクトを通し、自己実現しながらキャリアを歩める場所です。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです