インタビュー動画
日本最大級、社会保障システムのオープン化への挑戦
――まず、皆さんが所属する「第二ソーシャルセキュリティ事業部」の役割と、担当しているプロジェクトの概要について教えてください。
中島
第二ソーシャルセキュリティ事業部は、日本の社会保障制度を支える基幹システムの開発・保守を担ってきました。現在取り組んでいるのは、メインフレームで長年稼働してきたシステムをオープン化するという公共分野でも最大規模の刷新プロジェクトです。メインフレームの製造・保守が終了するという事実、そしてノウハウを持つ世代が揃う今こそが最後のチャンス。満を持して、この刷新プロジェクトが動き出しました。
伊藤
この刷新には数千人規模が関わっており、社内外からの注目も非常に高いです。社会保障システムは国民の生活に直結するため、大規模なプロジェクトを一つひとつ慎重に進める必要があります。その中でも、生成AIなどの最新技術の活用も検討しながら最適な方法を模索しているところです。
大畠
社会保障システムの刷新は、自分のキャリアの中で一度経験できるかどうかという規模感だと感じています。金融システムなどでメインフレームのオープン化をした事例はありますが、社会保障のスケールは桁違いです。まさに前例のないプロジェクトに立ち会っているという実感があります。
中島
その通りです。しかも、メインフレームの製造・保守が終局を迎える以上、今ここで絶対にやり遂げないといけない。絶対に成功させるという使命感と緊張感は、大規模システムの経験が豊富なNTTデータといえども、過去に例がないものです。
――例のない大規模プロジェクトにおいて、皆さんはどのような業務を担当しているのでしょうか。
中島
この3人ともシステム刷新プロジェクトのメンバですが、その中で私は基盤ソフトウェアを、伊藤さんと大畠さんは業務アプリケーションを担当しています。今回の刷新は、社会的に影響範囲が大きく広い業務アプリケーションは極力変更せず、そのアプリケーションを支える基盤機能をスクラッチで開発するという非常に難易度の高いものです。現行システムの膨大な機能を再現しつつ、将来の拡張性も確保しなければなりません。システム刷新を実現するにあたり、機能を漏れなく開発し、業務アプリケーションへの影響を慎重に見極めながら、日々確実に一歩ずつプロジェクトを進めている状況です。
伊藤
私は中島さんが担当する基盤機能上で実行される、業務アプリケーション開発を担当しています。入社からシステム刷新に携わるまでは、現行のメインフレーム上で動くアプリケーション開発に携わってきました。その経験を活かし、今回の刷新プロジェクトに臨んでいます。業務アプリケーションはできるだけ変えないとはいえ、基盤ソフトウェアが変わることによるアプリケーションへの影響は決して小さくありません。膨大なプログラムのどこに影響が出るのか、一つも見逃さずに修正しなければなりません。チーム全員で協力し、一つひとつの機能を丁寧に実装していく地道な作業が求められます。それに、プログラムの総量も膨大です。膨大だからこそその量に向き合う必要があり、品質を担保できる効率性を追求しながら、日々最適な開発手法を検討し、実行に移しています。
大畠
私も伊藤さんと同じ業務アプリケーション開発のチームです。その中でも、新しい基盤の上で業務アプリケーションが最適に動くための環境設定を開発する役割を担っています。入社以来、業務アプリケーションの開発に携わってきました。その経験があるからこそ、新しい環境に刷新する際にどこに注意すべきか、という勘所が働く場面が多くあります。プロジェクトの進行中に発生する仕様変更などにも柔軟に対応していく必要があり、中島さんが所属する基盤チームとは密に連携しながら進めています。また、プロジェクトを成功に導くには組織力も不可欠です。システム開発プロジェクトの業務と並行しながら、学生インターンシップの企画・運営にも立ち上げから関わっています。
――皆さんが考える第二ソーシャルセキュリティ事業部の強みや価値は何でしょうか?
中島
やはり、脈々と受け継がれてきた「やりきる強さ」ではないでしょうか。NTTデータ全体に通じる話ですが、どれほど厳しい状況下でもサービスを開始させるために、努力を続け、結果を出してきた歴史があります。社会保障システムにおいても、過去のプロジェクトでは開発中に数々の困難にぶつかることがありましたが、プロジェクトメンバの英知を結集することで乗り切ることができました。そうした歴史と経験が、今の私たちの血肉となっています。今回のプロジェクトは、当時よりもさらに難易度が高いものですが、この「やりきる」というDNAがあるからこそ挑むことができるのだと思います。
伊藤
「すべての人がお客様の方を向いている」という点も組織の特徴だと感じます。上司や先輩に業務上の相談をするたびに「それは本当にお客様のためになるのか?」「お客様は何がしたいのか?」と、常にお客様を主語にした言葉が返ってきます。役職に関わらず、誰もが同じ方向を向いて、あるべき姿を議論できる。この姿勢が、社会インフラを支える上での信頼に繋がっているのだと思います。
大畠
お二人の話に加えて、私は「ノウハウの蓄積と共有の文化」を挙げたいです。異動してきた当初は知らないことばかりで戸惑いましたが、過去のドキュメントが驚くほどしっかりと残されていて、調べればすぐに必要な情報にたどり着けました。それに、さまざまな分野のスペシャリストが部署の中にいるので、誰にでも気軽に質問できる雰囲気があります。伊藤さんが言う「お客様の方を向く」姿勢も、こうした過去の知見や集合知があってこそ、より高いレベルで実践できるのだと思います。知りたいと思ったことにすぐにアクセスできる環境は、個人の成長にとっても、組織力の発揮にとっても必要不可欠です。この文化が、私たちの事業部の強みだと思います。
社会的責任の重みと前例のない規模感。それゆえに成長の機会も多い
――皆さんはどのような想いやこだわりを持ってプロジェクトに携わっていますか?
中島
実は、この社会保障システムの刷新の構想は、私の入社当時から存在していた話です。いずれ実施が必要不可欠になるため、いつ実現するか、どのように実現するかの議論を長年実施してきました。そんな過去を経て、このプロジェクトの一員として、プロジェクトを進めることができているのは本当に感慨深いです。また、私はITアーキテクトとして全体の構想を描くのが得意なので、これほど巨大な規模のシステムにこれまでのキャリアが活かせることに喜びを感じています。このような挑戦ができる機会もめったになく、今のような多くのメンバと同じ方向を向いてプロジェクトを遂行する機会も初めてのため、その点でも特別な想いを抱いています。
伊藤
このプロジェクトを完遂した後は、私たちの世代がシステム刷新後の業務アプリケーションと基盤ソフトウェアを理解し、システムの安定稼働に向けて率いていくことになるのだと思います。その責任を感じながら、目の前のことを「知り尽くしたい」という想いでプロジェクトに取り組んでいます。
大畠
主任という立場でこのプロジェクトの一員でいられることは、今後のキャリアを形成する上で必要な経験と自信が得られると感じています。プロジェクト規模があまりに巨大で、「本当にできるのだろうか」という不安もありながらも、絶対にやりきるんだという気持ちで取り組んでいます。まだまだわからないことだらけですが、このチャレンジこそが自分の糧になると思っています。
中島
二人の言葉を聞いて胸が熱くなりますね。私自身が先輩たちから受け継いできた想いや文化が確実に伝承できていて、とてもうれしいです。
――まだ進行中ではあるものの、現在のプロジェクトにおいて印象に残っていることはありますか?
中島
特に今取り組んでいるプロジェクトにおいては、お客様との将来に向けた議論が印象に残っています。この社会保障システムは社会的な提供が大きいがゆえに、お客様の他にもさまざまなステークホルダーがおり、関係各所を含めた意思決定が必要な場面があります。プロジェクトを確実に成功へ導くために、お客様と膝を突き合わせて本気の議論を交わしたことが印象深いです。踏み込んだ話し合いができたのも、強い信頼関係が土台にあるからだと思います。
伊藤
私は、この刷新プロジェクトに異動してきたこと自体が印象深いです。私はそれまでメインフレームの開発に携わってきましたが、同じ業務アプリケーションの開発でも、これほどに視点が違うのかと驚き、自分の知識不足を痛感しました。今の業務では、これまであまり意識してこなかった基盤ソフトウェアやプログラムの中身にも目を配る必要があり、まだまだ自身の成長の伸びしろがあることに喜びを感じています。
大畠
私も伊藤さんと同じく、異動当初は何もわからず、自信を失ったこともありました。しかし、環境設定の業務に関連して昨年度実施した作業の見直しをしていたところ、当時は検知できなかった事象に気づけたなど視野の広がりを成長として実感しました。地道な積み重ねが成長に繋がっていると感じられたことで自信がつき、「自分だけの得意分野を作ろう」と思えるようにもなりました。
――皆さんを突き動かすモチベーションの源泉は何なのでしょうか?
中島
長年構想していたプロジェクトを動かしている感慨深さもそうですが、社会的責任の重さもモチベーションの源泉です。特に私の場合、プロジェクト初期メンバとして開始した案件ですから、なおさら責任の重さを感じます。ですがそれ以上に、自分の手で社会の根幹を支えるシステムを未来に繋いでいくという使命感が、私を奮い立たせています。
伊藤
自分たちが作り上げたものが世に出て、社会の当たり前を支えていることには責任とやりがいを感じます。システムが安定的に稼働していることが、私たちの仕事の成果となり、正しい仕事ができたという「答え合わせ」になります。だからこそ、プロジェクトメンバ、そしてお客様と一体となってこのプロジェクトを成功に導きたいと思います。
大畠
私は自分自身が成長できることに大きなモチベーションを感じています。これまでの業務とはまったく違う、誰もやったことのない環境構築への手探りでの挑戦は、今までの自分では考えられなかったような、新しい視点や得意分野を獲得するチャンスでもありますから。
中島
素晴らしいですね。伊藤さんも大畠さんもそれぞれのキャリアの現在位置から少しストレッチしたミッションと目標を背負っており、大変だと思いますがぜひ頑張ってほしいです。
システム刷新後の未来を見据え、若手にノウハウを共有する文化がある
――第二ソーシャルセキュリティ事業部のカルチャーについて教えてください。
伊藤
面倒見が良い人が多く、心理的な安全性が高い組織だと思います。私自身も、自分一人ではどうにもならない時、担当外のスペシャリストの方々に何度も助けてもらいました。先輩方に相談した時には、「絶対に何らかのノウハウを共有しよう」という意思を感じます。社会保障システムという「絶対に止めてはならない」システムに携わっている以上、問題が起きないようにノウハウを伝える文化が根付いていますね。「あの人がいないとどうにもできない」という属人化した状態は、避けなければいけません。
大畠
先輩方は本当に優しい人が多いですよね。私が担当しているインターンシップのアンケートでも、学生の方々から一番多く寄せられる声が「組織の風通しが良く、チームワークを強く感じた」というものです。私が初めてチームリーダーを任された時も、経験豊富な先輩が常に気にかけてくれて、手厚くサポートしてくれました。個人の頑張りを見守り、いざという時には必ず助けてくれる温かさがあると思います。
中島
お二人が話してくれたような文化があるからこそ、「やりきる力」や「お客様の方を向く」姿勢が実現できているのだと思います。結局、どれだけ大きなプロジェクトでも、それを動かしているのは「人」です。一人ひとりが安心して挑戦でき、互いに助け合い、成長できる土壌があることが、私たちの最大の強みです。
伊藤
若手の立場で付け加えたいのは、中島さんのような課長がいることの安心感ですよね。やりたいことを尊重してくれ、しっかりとフィードバックもいただけます。私が将来、課長になった時には、ぜひロールモデルにさせていただきたいと思っています。
大畠
私が今までに関わった課長は、全員いつでもどんな相談にも乗ってくれる、面倒見が良い人ばかりです。また、この組織は課長以上の部長や事業部長であっても、どんな些細なことであっても時間を取って相談に乗ってくれます。とても心強いですね。
――この事業部で活躍できるのはどのような人だと思いますか?
伊藤
社会保障システムを手掛ける事業部なので、まずは今までに積み重ねてきたノウハウを大切に受け継ぎ、その上で自分なりの改善提案ができる人だと思います。その意味では、素直さが重要です。それと、面倒見の良い先輩が多いと話しましたが、私自身も学生時代から「面倒見が良い」と言われることが多いので、そもそも人と関わることが好きな人の方がこの事業部に合っているのだと思います。
大畠
今の刷新プロジェクトに紐づけて話すと、大胆な挑戦をしながらも、地道で細かい作業を大切にできる人だと思います。このプロジェクトは、メインフレームからのオープン化という大きな変革に挑む一方で、ミスを見逃さない緻密な作業の連続でもあります。それから、周りの人と協力しながら物事を進めることも重要です。これだけ大きいシステムですから、一人ひとりが自分の役割を全うすることが、プロジェクト全体の成功に繋がるのだと思います。
中島
挑戦できる人、そして諦めない人ですね。超大規模なプロジェクトなので、これまでの成功体験を再現するだけでは、サービス開始が実現できない問題が発生する場面も出てくるでしょう。石橋を叩いてばかりでなく、挑戦する姿勢も不可欠です。そして、最後にはどこかで「やりきるしかない」と覚悟を決める瞬間が絶対にやってきます。私たちのカルチャーでもある通り、「やりきる」ことを大事にしてほしいです。
――NTTデータという環境で、今後挑戦してみたいことや、実現したいキャリアの目標を教えてください。
中島
まずはこの歴史的なプロジェクトを必ず完遂させること、それが最大の目標です。将来の具体的な部分はプロジェクトを遂行しながらじっくり考えたいと思いますが、私はキャリアの大半を社会保障分野で過ごしてきたので、他の分野も含めてどこまで自分の力が通用するのか試してみたいという気持ちもありますね。システム刷新の「その先」を担うのは、間違いなく伊藤さんや大畠さんのような20代、30代のメンバです。彼らが次のNTTデータを牽引していけるように、どんどん挑戦の機会を与え、成長を後押しするのが私の役目だと思っています。
伊藤
私も当面の目標は、このプロジェクトを完遂すること。そして、サービス開始後にお客様、プロジェクトメンバと喜びを分かち合うことです。個人的には、学生時代にAIの研究をしていたこともあり、最新技術への関心は常に持っています。このプロジェクトで得た知見と技術を掛け合わせて、お客様の業務の抜本的な効率化など、新しい価値をどんどん生み出していきたいです。
大畠
まずは、今任されている分野で「これは大畠に聞こう」と頼られる存在になることが目標です。その上で、自分が担当する領域では誰よりも詳しくなり、替えの効かない存在になりたいです。そして、もう一つ力を入れているインターンシップの活動も継続し、組織力強化の活動が事業部の「当たり前」の文化として根付かせていきたいです。
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日本の社会保障を根幹から支えるという揺るぎない使命感。そして、前例のない大規模プロジェクトに挑む使命感と、そこで得られる成長。第二ソーシャルセキュリティ事業部は、エンジニアとして、そして社会の一員として他では得られない経験と誇りを手にできる場所です。
そんな第二ソーシャルセキュリティ事業部では、2024年度から初の取り組みとして新卒学生向けのインターンシップを開始しました。要件定義から設計・試験といった開発工程やお客様との会話など、実際の業務に近い形で体験できるプログラムを通じて、事業の「ありのまま」を体験してもらうことを重視しています。
新卒採用も経験者採用も問わず、積極的に新しい人財を受け入れ、積極的にノウハウを伝えていこうとしている第二ソーシャルセキュリティ事業部。自らの手で社会保障の未来を作り、次の時代へと繋いでいきたい、そんな熱い想いを持つ方をお待ちしています。


