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上流工程も、開発の醍醐味も追求したい。開発会社からNTTデータへ
小学生の頃に父親が買ってきたPCに触れ、自分でウェブサイトを作ってみるなど、昔からPCやインターネットに親しんでいたという板井。新卒ではソフトウェア開発会社に入社し、主に銀行の営業店業務支援アプリケーション開発を担当。設計から実装、テストまでの幅広い経験を積んできました。
前職での仕事内容そのものにはやりがいを感じる一方で、板井の胸中には、ある想いが芽生えてきたといいます。
前職では、プロジェクトの方針決定や要件定義など、いわゆる上流工程に関われる機会が限られていました。もちろん、設計や開発も重要な仕事です。しかし経験を重ねるにつれて、プロジェクト全体を俯瞰し、より上流の工程からお客様の課題解決に直接関わりたいという想いが強くなっていきました。
そんな時、何気ない気持ちで転職サイトに登録した板井のもとに、NTTデータからスカウトメールが届きます。提示されたのは、公共・社会基盤分野のプロジェクトを技術面から支援する技術戦略推進部（通称：公共技戦）において、アプリケーション開発に特化したチームのポストでした。
NTTデータが公共分野に大きな強みを持っていることは知っていました。そして、自分の生活にも密接に関わる領域で社会的インパクトの大きい仕事ができる部分にとても魅力を感じました。公共技戦が技術集約組織であるからこそ、自身の技術力をさらに高めながら、望んでいた上流工程に挑戦できると考え、転職を決意しました。
上流工程を担当しステップアップしたい、その一方で、アプリケーション開発の面白みや喜びもさらに追求したい。そんな想いを抱いていた板井にとって、まさに希望が叶う場所だったのです。
NTTデータへの入社後、板井はアプリケーション開発リードエンジニアチーム（入社当時の名称はアプリケーションスペシャリストチーム）の一員として、複数のマイナンバー関連プロジェクトに参画します。
最初に参画したのは、マイナンバーを活用した国家資格等の管理システム。そこでまず感じたのは、プロジェクトの規模感の違いだったそうです。
関わる人数は、前職と比べて桁が一つ違いました。意思決定や認識合わせなど、プロジェクト内のコミュニケーションの難しさに直面しましたね。
その次は、自治体間でデータ連携を行うシステムのPoCプロジェクト。既存システムの課題やあるべき姿を捉え、仕組みの検討を行う案件でした。板井はアーキテクチャの見直しを担当。前職で培った実装力を活かし、コードの記述も含めたトータルでの実現性検証に貢献しました。
そして現在は、全国の自治体や医療機関が関わる、予防接種関連業務のデジタル化プロジェクトに、提案段階から参画しています。板井は公共技戦の所属ではありながら、業務メンバの一員としてプロジェクトに関わり、お客様と会話しながら業務的な仕様調整や課題解決を行っています。また、アプリケーション開発や業務仕様の有識者として、成果物レビューやメンバからの設計に関する相談なども受けています。
思い描いていたキャリアを実現させ、社会的な影響力の高いプロジェクトに上流工程から携わっている板井。次章では、公共技戦とアプリケーション開発リードエンジニアチームの特徴やカルチャーに迫っていきます。
ノウハウを共有する文化。困難な課題も組織の集合知で乗り越える
板井が所属する公共技戦は、公共・社会基盤分野の中でも、少し特殊な立ち位置の組織です。特定の事業部に固定で所属するのではなく、社内のさまざまな部署と協業し、技術的な側面から多種多様なプロジェクトを支援する、いわば「技術のブレイン」とも言えるプロフェッショナル集団です。
また、その中でアプリケーション開発リードエンジニアチームは、より事業部に近い位置にあるのが特徴です。高度な技術的専門性を持っているメンバが多い公共技戦の中で、コアなスペシャリストたちと事業部とを橋渡しする「架け橋」のような役割も担っているのです。
お客様や事業部のメンバに対して、私たちも伴走している感覚がありますね。プロジェクト横断型で技術支援に入りながらも、メンバの一員として一緒に働くことができるのは、このチームならではのやりがいです。
そして公共技戦の大きな強みは、あらゆる技術領域のスペシャリストが集結していることです。クラウド、データベース、アプリケーション開発など、各分野の専門家たちが在籍しており、その知見が組織のナレッジとして蓄積されています。板井自身、その恩恵を何度も受けてきたそうです。
特に印象に残っていると語るのが、以前担当した自治体間データ連携システムのPoCプロジェクトでの出来事です。
非常に高い処理性能とスケーラビリティが求められるシステムで、どう実装すべきか頭を悩ませていました。私が思いつく方式では、性能面に懸念があったり、実装が複雑になりすぎたりと、なかなか最適解が見つからずに煮詰まってしまったんです。その時、活用したのが、社内のTeams上にあるチャンネルでした。
そこは、部署内の誰でも気軽に技術的な相談事を投稿できるチャンネル。板井が課題を書き込むと、わずか1日2日のうちに、専門知識を持つメンバからアドバイスが寄せられました。
自分一人では到底たどり着けなかったような、性能を担保しつつ、実装も簡素化できる新しい技術を教えてもらいました。すぐにその技術の有効性を検証し、無事に課題を解決できたのですが、この経験を通じて、独力でできることの限界と、チームで課題解決にあたることの価値を改めて実感しました。NTTデータが持つ、技術力と実績の源泉に触れたような気がします。
公共技戦では、こうした日々のコミュニケーションに加え、ノウハウ共有会など組織的にナレッジを横展開する文化も根付いています。板井も先のPoCプロジェクトでは、ノウハウを教えてもらっただけなく、実際に実装した事例と知見を部内にフィードバックしたそうです。お互いに情報を発信し、高め合う環境が、一人ひとりの成長を加速させているのです。
多様な技術や業務に触れられるチームでロールモデルを目指す
NTTデータに入社し、担当フェーズやプロジェクトの規模が大きく変わった板井。特に公共・社会基盤分野という、自分自身も恩恵を受けるシステムに携わるようになり、どのような視野や価値観の変化があったのでしょうか。
以前は比較的目先のことに視線が向かいがちでしたが、今は自分たちの決定が他のチームやプロジェクト全体にどのような影響を及ぼすか、広い視野で物事を捉えるようになりました。また、自分の生活に関係するシステムに携わるようになったことも大きな変化です。特に今、携わっている予防接種関連業務システムは、自分自身も子供がいる身として、その意義を強く感じています。
技術者としても、ビジネスパーソンとしても、成長を実感しているという板井。こうした環境の変化を楽しみながら、板井は自身の未来を次のように見据えています。
私の所属するアプリケーション開発リードエンジニアチームは、2022年8月に発足した比較的新しいチームです。公共技戦の中でも事業部に近いというやや特殊な立ち位置で、事業部メンバと一体となり、技術のスペシャリストとして開発を推進していくという役割を担っています。これから、チームがさらに大きくなっていく中で、自分が中心となって支援の形を模索し、新しく加わるメンバたちのロールモデルのような存在になっていきたいと考えています。
板井が思い描く、アプリケーション開発リードエンジニアチームのロールモデルとはどのような姿なのでしょうか。それは、技術支援組織としてさまざまな分野のプロジェクトの知識を広くカバーし、各技術の専門家たちの知見も活用しながら、プロジェクトを成功に導ける存在だそうです。
アプリケーション開発リードエンジニアチームは、特定のドメインの知識を深く追求するキャリアとは異なる面があります。ですが、多種多様な技術や業務に触れ、プロジェクト成功の共通項を見出しながら自身の市場価値を高めていけるのは、このチームならではの魅力です。シンプルに言えば、「いろいろな技術を使うことが好き」という人に向いていますね。
「技術のブレイン」である技術支援組織に身を置き、高度な専門性を持つプロフェッショナルたちと協働しながらも、お客様や事業部に伴走して課題解決に向き合うアプリケーション開発リードエンジニアチーム。この新しい組織では、自身の技術を高めて拡張しながらも、プロジェクトメンバの一員として関わる手応えも得られることでしょう。
そして、今後も公共分野のさまざまなプロジェクトに携わり、安心で便利な世の中を自分の手でつくりあげていきたいと語る板井。その挑戦は、これからも続いていきます。
