社会課題を起点とした新規事業開発を通じて、社会に与えるインパクトを体感できることにやりがいを感じます。既知の課題だけでなく、未だ埋まっている課題を私たち自身で掘り起こし、NTTデータのケイパビリティであるデジタル技術を活用して、解決に向けた事業を構想し形にできることが大きな魅力です。また、政府や自治体、大学、民間企業、そしてNTTデータの他部門といった、社内外の多くのステークホルダと協業して事業開発に取り組むため、さまざまな考え方を知り、視野を広げる経験ができます。

私自身は主に環境ビジネスに関する事業開発に取り組んでいます。省庁と連携した事業開発や、NTTデータグループ自体の脱炭素に向けた事業開発などにコンサルティングから入り込み、ITを使ったサービス創出まで一気通貫・垂直統合で担っています。

大切にしているのは、メンバ個人がどのような社会課題に取り組み、向き合いたいかという思いです。社会課題解決の始まりは「『個』の熱量」なんです。一人ひとりが持つ課題意識と解決への強い思いがエンジンとなり、事業を推進していきます。事業の創出においても、その課題に対し思いを持ったメンバをアサインしており、周囲がサポートしながら事業開発につなげていくことを目指しています。

具体例として、地方創生やグローバルな環境課題への取り組みなどが挙げられます。地域の課題を解決する仕組みをつくり、全国に展開していきたい、あるいはグローバルな視点での環境課題に取り組んでいきたいと考えているメンバが多く参画していますね。私自身も技術部門にいた頃からグリーン社会やサステナビリティの課題解決にテクノロジーの観点から貢献することに興味を持っていました。実際にそれらの課題を抱える地域の実情を踏まえつつ、NTTデータとしてどんな価値や仕組みをつくっていけるかを考えながら、課題解決にコミットしていきたいと思っています。

入社直後に配属となった事業部では、地方税務を支える社会基盤システムの開発・運用を担当しました。当時は技術面を私がリードしていきたいと思っており、アーキテクチャやシステムの中心部分の技術設計に注力していました。技術を追求していくなかでプロフェッショナリティが向上していくことにやりがいを覚えていましたし、何より「技術の最後の砦は自分なんだ」という思いを強く持つきっかけにもなりました。

システムの運用ではトラブルが発生してしまうこともあります。しかしそれを解決し、原因解析や再発防止対策をしっかりと行っていくのが腕の見せどころです。当時の先輩方が見せてくれた「自ら第一線に立って課題を解決し、社会基盤を守り続ける」という思いを持ちながら、プロジェクトに取り組み続けてきました。それが仕事に対する愛着にもなっていきましたね。

スマートシティ事業推進プロジェクトに責任者として参加し、社会にインパクトを与える魅力的なユースケースの創出に取り組んでいました。防災やバリアフリー、回遊性や集客の観点からの事業開発と生成AIを活用したAIコンシェルジュにより、その場所でしか得られない情報を来訪者の方々に提供する機能の社会実装などに挑戦しました。

新規事業開発にはシステム開発とはまったく異なる視点が求められます。プロジェクトのゴールを走りながら設定しなければなりませんし、社内外のさまざまなステークホルダとの調整や連携を行う必要もあります。行動原理が違う方々と仕事を進めていくには、純粋にプロフェッショナリティを持って邁進するだけでは上手くいかないことも多々ありました。しかしそのなかで学んだことがあります。それは「自分はどんな未来をつくりたいのか」という思いの大切さです。それをポジティブに語ることが、さまざまな立場の関係者をまとめ、動かしていくと学べたのは、非常に大きな経験でしたね。

グローバル基準の脱炭素ガイドラインを日本企業が適用するためのコンサルティングプロジェクトを手がけた際には、NTTデータグループの大きなポテンシャルを実感しました。このプロジェクトでは社会DX&コンサルティング事業部だけでなく、排出量可視化ソリューションを持つ法人部門、サステナビリティに強みを持つ部門など、NTTデータ内の部門を横断してさまざまなメンバと協力し、ソリューションを提供しました。またNTT DATA, Inc.などが持つ海外のサステナビリティに関する情報をフルに活用することもできました。お客様にもNTTデータグループの多様なソリューションやグローバルなナレッジを価値として示せたプロジェクトだと思います。

私個人としては、NTTデータグループ内の高度かつ多様な専門性を持つ人財とチームワークを発揮できたことが非常に幸せでした。社内のプロフェッショナルたちが一丸となって、互いに刺激し合い成果物の策定に取り組み、それが社会に出て使われるようになっていく過程を現場で体験できたことは得難い経験です。

今後は当事業部が培ってきた強みに、よりフォーカスした課題解決を図っていきたいと考えています。例としてはマイナンバーの利活用や、位置情報・地図コンテンツを活用したユースケースの創出などがあります。これらの実績や知見を活かして課題起点型の事業をつくり、あらたな柱ビジネスとすることを目指しています。

社会的インパクトと事業性の両立は、決して簡単ではありません。しかしその実現に向けて、思いを持った仲間を巻き込んでコミットしていかなければならないと、強く考えています。その思いの源は、これまでの経験から得られた仕事に対する愛着なんです。仕事や課題解決にかける個人の思いは、社会DX&コンサルティング事業部が大切にする原動力です。