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様々な業界・領域を渡り歩いた経験はDXコンサルティングの推進には必要なプロセスだった

企業が推進する事業のデジタル化やITを活用した業務効率化を支援するDX(デジタルトランスフォーメーション)コンサルタントとして、計画の立案から実行までサポートしている三浦篤。システムエンジニアを経てITコンサルタントとなった三浦が、どのようなキャリアを経て現在に至ったのか、そして今挑戦しているサービスについて語ります。

目次

システムエンジニア時代の経験から学んだ、最後までやり切る大切さ

三浦 篤
製造ITイノベーション事業本部
コンサルティング&マーケティング事業部
ソリューションコンサルティング統括部
コンサルティング担当

社会インフラになるようなシステムを数多く手がけているNTTデータで、大規模システム開発に携わりたい。そんな想いを胸に、三浦がNTTデータの門を叩いたのは2004年。金融機関向けシステム開発を手がける部署に配属され、システムエンジニアとしてキャリアをスタートしました。

そして入社2年目に携わったプロジェクトで、三浦は今でも忘れられない経験をします。全国規模で利用される金融機関のコールセンターシステムを開発するプロジェクトでした。

三浦「当時私は社員の中では一番の若手でしたが、お客様とコミュニケーションを取りながら仕様をまとめて設計に落とし込み、それを開発者側へと渡していく、という重要な役割を任されていました。そして設計会議で、北海道から九州まで全国の担当者からの要望を聞き、システムに落とし込んでいきました。しかし、システムを納めるテストでお客様からOKをいただけなかったのです」

設計会議で出た要望の全てをシステムに落とし込めなかったのが原因でした。この時、三浦はシステムのリリースを延期するか否かの判断を迫られます。

三浦「そんな時、当時の課長が『キミの判断に任せるよ』と言ってくれたのです。私はプロジェクトリーダー的な立場で入社2年目には分不相応な裁量を与えてもらっていることに責任を感じていましたし、何よりそのシステムに一番思い入れがありました。ですから、その言葉を聞いた時は、仕事に対する熱意を認められた嬉しさとともに『絶対にやり遂げなければ』という責任感で心を熱くしたことを覚えています。結局、お客様と相談を重ねた上でリリースを延期し、協力会社のメンバーも含め、一丸となってプロジェクトの完遂に取り組みました。その結果、二回目のテストでお客様からOKをいただいた時は本当に嬉しかったですね」

この経験により、システム開発は曖昧な考えが通用しない緻密なものだと痛感したと三浦は言います。同時に難易度が高い案件でも、粘り強く最後までやり切る大切さを学びました。

その後三浦は、システムエンジニアとして経験を重ねながら、次のキャリアとしてITコンサルタントへの転身を意識するようになっていきます。

三浦「入社4年目に、ある金融機関に対するセキュリティ強化の企画を任されたことがありました。セキュリティ製品の調査や、それを導入した後の姿を描いたところ、これまで経験がないタスクにも関わらず、アウトプットのストーリーがわかりやすく構築できていること、またそこに至るまでのプロセスがイメージできていたことを評価され『コンサルタントに向いているんじゃないか』という言葉をいただいたのです。それまでも上司から「コンサル向き」と言われたことはありましたが、その経験を通じて、ITコンサルタントというキャリアをより強く意識するようになりました」

社内公募制度でITコンサルタントに転身。幅広い領域のコンサルを経験

システムエンジニアとしてシステム開発・運用に6年間携わった三浦は、入社7年目の2010年、社内公募制度によって現在のコンサルティング&マーケティング事業部に異動しました。それ以降、幅広い領域でITコンサルタントとしてのキャリアを歩み出します。

三浦「コンサルタントとして初めて携わったのはマレーシアの日系電機メーカーの経営情報可視化プロジェクトです。アジア地域にある各拠点のデータを集め、それをBIツールで可視化するための要件定義を行いました。それまでは金融業界での開発経験しかなかった上、いきなりマレーシアに行っての仕事だったので戸惑いもありました」

初めてのグローバル案件で苦労しながらも、持ち前の粘り強さで三浦は何とかそのプロジェクトをやり遂げます。その後、2012年から3年間にわたって携わったのが、大手自動車メーカーでITアーキテクチャのグローバル標準をつくるプロジェクトでした。ITアーキテクチャのグローバル標準とは、例えばシステム間を繋ぐインターフェイスのアーキテクチャパタンやシステムからデータを抽出・蓄積して活用するアーキテクチャパタンの標準を整理し、またどのような場合にどのパタンが適切なのかを決定するデシジョンモデルを指します。これらのアーキテクチャパタンやデシジョンモデルを関係者と議論して、ドキュメント化しました。

三浦「日米共同プロジェクトで、しかもドキュメントの承認を得るためには、南米、中国、ヨーロッパなどグローバル6極の代表が集まって行う会議で、各国代表の合意を得る必要がある大変なプロジェクトでした。最終的にはグローバル標準を納めることができましたが、今振り返ってみると、定めたグローバル標準を活用してお客様の仕事を改善するところまで提案すれば良かったな、という反省もあります」

このプロジェクトが終了した後、三浦はエンタテインメント事業などを展開する大手企業のクラウド導入コンサルティングや、機械加工製品販売を行う大手企業のIT人財コンサルティングなど様々な案件に携わり、業務の幅を広げていきました。

三浦「大手自動車メーカーでITアーキテクチャのグローバル標準づくりに携わっていた時は、今後この領域の専門家としてやっていこうと思っていました。やはり専門性を確立した方が次のステップが早く見えると考えていたからです。『ITアーキテクチャのグローバル標準づくり』をテーマに社内で勉強会を開催しながら、当社で“オファリング”と呼んでいるソリューション化を目指して活動していました。しかしソリューション化してもマーケットが拡大しないことには売上拡大につながりません。壁にぶつかった私は、しばらく専門性は意識せず、自分は何を武器にできるかを考えながら、様々な領域の案件に挑戦することに軸足を置きました」

そして2018年頃から取り組み始めたのが、現在のキャリアにつながる、顧客のデジタル化を推進するDXコンサルティングと業務自動化を支援するRPAコンサルティングです。

DXコンサルタントとして複数のDXコンサルティング案件をリード

現在、三浦は「デジタルグランドデザインチーム」のリーダーとして、複数のDXコンサルティング案件を牽引しています。

三浦「一言にDXと言っても定義は曖昧です。単にデジタル技術を導入するだけではなく、組織をどうするか、また人財をどう育てるかまで考える必要があります。技術だけ、業務だけでなく、組織や人財育成までわかっていないとDXコンサルタントとして対応できないのです。「一貫していない」とさえ思っていた自分の幅広い領域でのコンサルティング経験が今、役立っています」

そして今、三浦は二つのことに力を入れて取り組んでいます。その一つがオファリング強化です。これまで携わってきたDXプロジェクトで培ったノウハウをサービス化し、既存顧客や新規顧客に提案していく、というものです。

三浦「2018年から約1年間にわたって大手通信会社のインフラ関連業務のDX化のコンサルティングを手がけ、お客様の生産性アップを支援してきました。その経験から得たノウハウに加え、これまで取り組んできたRPAのコンサルティングをうまく組み合わせてサービス化に取り組んでいます」

もう一つ注力しているのがチームメンバーの育成です。机上で考えるより、実際のプロジェクトに入って体験させることで成長をサポートするのが三浦の方針だ、と言います。

三浦「一人ひとりの能力から一歩チャレンジングな領域に挑戦できるアサインを常に心がけています。メンバーがプロジェクトを自力で完遂したり、資料の質が上がっていたりすると喜びを感じますね」

そして今後の目標として掲げているのは、DXコンサルティングの領域でNTTデータの認知度をより上げていくことです。

三浦「この領域では外資系コンサルティング会社などの競合に比べ、お客様の認知度がまだまだ低いのが現状です。確かに、外資系コンサルティング会社はいろいろなフレームワークや多くの事例を持っていて計画を描くのは得意かもしれません。しかし、計画を実行し、定着化まで持っていくことに関しては私たちに分があると考えています。今後も実績を重ね「システム開発のNTTデータ」だけでなく、「DX推進と実行に強いNTTデータ」としても市民権を得て、他社に勝てるサービスを提供していきたいですね。そのために、自分自身もコンサルタントとしてのスキルアップを継続的に行い、人財育成にもより時間をかけていきたいと思っています」

DX化を推進する企業が急増する中、計画立案から実行までトータルにサポートできるNTTデータへの期待は今後ますます高まってくることは間違いありません。DXコンサルタントとして新サービス開発に挑む三浦たちのチャレンジはこれからも続きます。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです