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2016年3月10日技術ブログ

NTT DATA Technology Foresight 2016シリーズ~Vol.5技術トレンド「オートノマスモビリティ」「サイバーフィジカルセキュリティ」

NTT DATA Technology Foresight 2016特集。NTTデータが導出した2016年の情報社会や技術のトレンドを6回にわたりご紹介します。第5回目は技術トレンド「オートノマスモビリティ」「サイバーフィジカルセキュリティ」の2種類です。

オートノマスモビリティ

IoTの普及に伴い、インターネットに常時接続するコネクテッドカーに注目が集まっています。さまざまなセンサーを搭載し、位置情報や走行速度、車間距離、ブレーキ状況、路面状況といったデータを収集、配信することで、走行支援や交通管理、危険回避などが可能です。2020年にはコネクテッドカーが2.5億台に増加し、5台に1台が無線通信接続された状態になる参考1との予測もあり、この環境変化に伴うさまざまなビジネスチャンスが想定されます。

例えば、運転頻度や急加速などの運転操作情報を基に保険料を設定する「テレマティクス保険」や、位置情報等を基に最適な配送計画の作成と燃費改善支援を行う「フリート管理」などが代表例でしょう。その他、センサー付きタイヤが路面状況をリアルタイムに把握し、直後を走る凍結防止剤散布車に伝送することで、凍結路面だけへの適切な量の散布を行う仕組み参考2なども登場しています。

コネクテッドカーにおける走行支援機能や外部センサーとの通信機能は、自動運転技術の基盤ともなっています。自動運転車が実現されると、自動車は移動手段だけでなく、モバイル居住空間へ変わるでしょう。車内で快適に過ごすためのサービス競争が起き、自動車業界以外のビジネスにも変革をもたらすと考えています。道路脇の広告は見られる機会が減り、位置やユーザーの状況に応じた車内スクリーンへの動的な広告が中心に変わります。自動運転車内で動画コンテンツを高画質で閲覧するための技術参考3が発表されるなど、既に自動運転車内におけるユーザー獲得競争は始まっています。

自動運転車の他、ドローンなどのモビリティも、ネットワークに接続されることで新たな発展を見せています。複数台のドローンが交互に通信しながら位置情報を把握し、ワイヤーを編み物のように操ることで橋を構築する、といった連携作業も可能です参考4。こうした次世代モビリティの普及は、都市や社会を変革させるインパクトを持つトレンドだと認識しています。

サイバーフィジカルセキュリティ

上記のコネクテッドカーもそのひとつですが、ネットワーク接続されるデバイスの激増により、サイバー攻撃の脅威は物理世界へ侵食し始めています。昨年、走行中のコネクテッドカーをハッキングし乗っ取ることに成功した実験参考5には、世界が驚いたことでしょう。あらゆるデバイスにセキュリティ対策が求められる時代が目の前に来ているのです。2009年以降、世界におけるセキュリティインシデント検知数の複合年間成長率(CAGR)は前年比66%の増加を続けており参考6、情報漏洩等に伴う推定被害総額は年々増え続けている現状があります。

サイバー攻撃は既に100%完全に防ぐことが不可能な状況になってきているため、侵入された際に検知・回復する対策や技術が特に重要になります。近年は、攻撃監視をするSOC(Security Operation Center)や、インシデントへの適切な対応を指揮する組織CSIRT(Computer Security Incident Response Team)を組織内に構築する動きが活発化しています。また、サイバー攻撃の傾向や脅威情報のリアルタイム共有による組織的な共同防御に取り組む例も増えています。例えば、セキュリティベンダーのサイバー脅威アライアンスCTA(Cyber Threat Alliance)などです。NTTでも、GTIP(Global Threat Intelligence Platform)を運営し、攻撃元の一覧情報などを収集・共有しています参考7

サイバー攻撃によるビジネスへの致命的な損害を回避し成長していくためには、多層的な対策の仕組みを構築し、継続的な改善に取り組み続ける必要があるのです。

【図】

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