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2016年9月1日技術ブログ

デジタルシフトが拓く物流の未来

深刻な人手不足や、ECの利用拡大に伴った多品種・多頻度な小口配送の急増により、物流業は厳しい経営環境に置かれており、対応のため業務をデジタルシフトする企業が徐々に増えています。物流業はデジタル化でどのように変化しているのでしょうか。

物流業におけるデジタルシフトの潮流

物流業は労働集約型産業の1つと言われており、運送業務や倉庫管理業務等、人間の労働力を必要とする仕事が多いのが特徴ですが、近年は2つの方向でデジタルシフトが進んでいます。

1.作業支援
トラックドライバーや倉庫作業者など人手不足が深刻化し続けている物流現場では、搬送ロボットやパワードスーツ、デジタルピッキングシステム、大規模マテリアルハンドリング設備等を利用して作業の自動化・効率化が進められています。これまで人間が行ってきた業務を突然すべて自動化しロボットが行うというのは現時点では難易度が高いかもしれませんが、例えばパワードスーツを着て作業することで重量搬送作業の負担が軽減され、年齢や性別、体力等に関係なく作業が可能になります。また、倉庫作業者のウエアラブル端末にピッキングすべき品物と個数が表示されれば、業務の効率化とスピードの高速化も期待できます。参考

自動化が難しい業務もデジタル技術により人間の業務支援が可能になることで、人手不足の解消に繋がっています。

【図】

図:ピッキング業務をデジタル技術で支援

2.意思決定支援
トラックプローブデータやコンテナ・パレット・品物へのICタグ活用によるモノの所在情報など、モノを運ぶ過程で取得・蓄積可能なデータが格段に増えています。これらのデータを用いて、配送配車計画の最適化や検品・棚卸の効率化、生産・販売・在庫計画の高度化に役立てる企業も多くなりました。従来ベテラン社員の勘と経験に依存していた業務が平準化され、データに基づく仮説検証のサイクルを回せるようになることで、少ない人員で効率的に物流業務を遂行するためのデータ活用が進められています。

物流データの可能性~企業・部門の枠組みを超えたデータ活用に向けて

物流業のデジタル変革は、「効率化」だけではありません。物流業の特徴として、数多くの企業の商品・製品情報やその発地・着地、流通量といった情報を取り扱っている点が挙げられます。物流データと従来利用されてきたデータを掛け合わせて活用すれば社会や経済の動向を捉えることも不可能ではありません。モノを確実に運搬するだけにとどまらず、より高品質に安全に・環境負荷を少なく・最適な方法で人とモノを繋ぐ方法を実現するためのヒントが、物流データには潜んでいると考えます。

物流業務のデジタルシフトにより得られたデータを付加価値の高い情報に変えるには、まずは企業や業界の枠を超えた「データの標準化」と「物流データ活用のためのプラットフォーム」が必要になると考えます。現在、物流関連のデータはさまざまな規格の機器や端末、多くのシステムから生み出されており、ある観点でデータを繋げたり比較したりしようと思っても、データの種類が異なるため、簡単には利用できないことがよくあります。これまではサプライチェーンや組織単位で限定的にデータは利用されてきました。「データの標準化」と「物流データ活用のためのプラットフォーム」によって、それらのデータが横断的に利用されることで、物流業務の効率化や、他業務への有効活用が期待できます。更には企業の枠組みを超えて必要な情報がシームレスに授受できるようになることで、物流業全体のリソース不足への対応や生産・販売活動との連携による付加価値向上に繋がると考えます。

NTTデータでは、コンサルティングを通じて物流業務改善やデータ利活用を支援し、デジタルシフトを推進しております。

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