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2020年1月15日INSIGHT

「新しい」買い物のスタイルが店舗を変える!
~PoT(Payment of Things)による決済の変革~

キャッシュレス決済が急速に普及し、消費者はいままでにないスタイルで買い物ができる時代となってきた。その裏側にはQRコード・電子マネーでの支払いやデジタル店舗といった、「新しい購買体験」を生み出すテクノロジーの発展がある。NTTデータで新しい購買体験の創出に携わる冨田誠は、長年にわたる決済インフラ提供の経験と、お客様のビジネスを変える新しい価値提供に貢献できるアプローチに絶対の自信を持つと言う。NTTデータだからこそできる店舗でのDXアプローチ、PoT(Payment of Things)について聞いた。

――冨田さんは最近のキャッシュレス決済に直接関わるお仕事をされていますが、決済の変化を感じられたことはありますか?

最近の仕事の中で大きなショックを感じたのは、リテール企業の方々からはっきりと言われた「決済はもはやコストだ」という言葉でした。
2018年に経済産業省により「キャッシュレス・ビジョン」が掲げられ国によるキャッシュレス推進が本格化し、2019年には消費税があがることで店舗のインフラが切り替わりました。私は2011年からずっとレジに追加すべき新しい機能は何だろうというプロダクトアウトの発想でサービスを考えていました。しかし、顧客からみるとそれは単なるコストであって、求められているのはより集客に繋がり、売り上げや利益を上げるための新しい「何か」だということを指摘されたのです。
求められている価値とは何なのか? どういうコトやモノなのか? という視点で自分のビジネスを考え直すきっかけになりました。

――いま、決済手段が多様化し、新たな購買体験が求められているといわれていますが、それはなぜでしょうか?

誰しも一人の消費者ですから、店舗で買い物をするときに不満を抱いたことがあるはずです。自分のタイミングで気持ち良く買い物するという意味で、店舗ならではの不自由さ、特に決済タイミングで不自由さを感じることがあるのではないでしょうか。
レジにずらっと人が並んでいて買うのを諦めるとか、家具売り場のようなとても広い店舗で品定めし、いざ会計となると店舗スタッフは遠くのレジに行ってしまい、ポツンと一人で待つとか。

店舗運営の立場でも同じ課題は意識されていて、適切な接客、店舗設計のために、訪れたお客様の動線、店舗に入ってからどんな商品を探して、何を手に取り、どれと比較したかといったことなどを動きとして知りたいという希望が強くあります。
また、人手不足のなか、店舗では誰がやっても変わらないことは省人化し、価値の高い接客など、人でなければできない仕事に人的リソースを集中させていきたいのです。

こうした店舗の課題を解消し、購買体験を変革するための方法が、PoT(Payment of Things)(※1)というアプローチです。

――PoT(Payment of Things)とはどんなことなのでしょうか?

PoT(Payment of Things)は、IoTがインターネットを通じてものをつなぎ、情報をシームレスにやり取りするように、消費プロセスにおいて決済によって生まれる断絶をなくし、シームレスな購買体験を実現するという概念です。店舗の購買体験では、決済のタイミングにおいて断絶が起きることが多くあります。レジ待ちもそうですし、スマホアプリでクーポンやポイント等の特典を利用しても決済時にはお財布を取り出さなければならない。こうした決済での不満を解消することで、お客様の利便性や満足度も向上させると同時に、店舗スタッフのレジ業務等の負担を軽減し、売上の向上をめざします。

昨今リテール分野は店舗とECの両方のチャネルを持ち、その関連は密接になってきています。こうした状況を踏まえて、私たちは「店舗の良さを活かしながら、ECの良さを取り込んでいく発想方法を」という提案をしています。

店舗の不自由さを解消できれば、店舗ならではの対面接客、商品に触れられる実感、実際に見た色味といった高い価値を享受でき、より良い購買体験が得られるはずです。

――NTTデータだからこそ提供できる購買体験向上のサポートとは?

現在、NTTデータはクラウド型総合決済プラットフォームとして、CAFIS Arch(キャフィス アーチ)を加盟店様に提供しています。拡張性に優れたクラウド型決済サービスで、店舗ではさまざまな形の端末が使えるシンクライアント方式になっています。

NTTデータでは、「PoT」の概念をふまえ、従来はレジで行うことが大前提だった決済サービスの発想をがらりと変え、店舗での購買体験をより良いものにするため、いろいろな購買シーンで使いやすいコンパクトな決済端末など、お客様の決済シーンに合わせた多様な端末を提供しています。

――具体的になにか、新たな購買体験の成果は出ているでしょうか?

2019年10月にユナイテッドアローズ様の協力で、商品を試着後、試着室内で決済したり、電子レシートの配信ができる仕組みのPoCを行いました。
PoCでは、お客様のレジへの誘導やお待たせする必要がなくなり、さらに購入されなかった商品も把握できるようになりました。

今回のPoCでは、お客様が入店し商品を選んで試着するという一連の楽しい体験の中にいかにシームレスに決済を溶け込ませていくかという視点で、店舗におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を提案しました。
お客様にとっての価値を一番に考えるという前提に立ち、ユナイテッドアローズ様からのアイデアもいただきながら、ワークショップで議論を重ね、お客様とともにより良いものを作り上げてきました。

――新しい決済サービスが続々と登場する中で、NTTデータならではの強みは何でしょうか?

NTTデータは、1984年から「CAFIS(キャフィス)」(※2)というキャッシュレス決済総合プラットフォームを提供しており、時代に沿ったさまざまな決済手段を長年にわたって提供しつづけてきました。その中で、ノウハウを蓄え、お客様とのリレーションを作り、サービスを支えてきているからこそ、できることがあると思っています。

アパレル、スーパー、百貨店、ドラッグストアなど幅広い顧客企業を持ち、業態を超えて共通する悩み、また、それぞれ個別の悩みを理解し、カスタマージャーニーを考えた上で適したサービスを提案しています。

マーケティングや店舗のスタッフの皆さんは「デジタル化できるとより良くなること」のアイデアをいろいろとお持ちです。そのアイデアを実現するためのデジタルの活用の仕方を考えるのが、決済サービスのプロフェッショナルである私たちNTTデータの役割です。
マーケティング部門や店舗がデジタルで実現したいこと、情報システム部門が管理している店舗やECの決済システム、この両方をきめ細かく理解し、お客様のニーズを確実に形にする提案ができるのが強みだと思っています。

――講演ではどんなお話を聞けるでしょうか? 聴講者の方へメッセージをください。

私は将来、自分の行動や思考パターン、嗜好がデジタル化され、こちらから求めなくても自然と欲するサービスを受けられる世界になってほしいと思っています。
そうした世界を実現するには、購買の場面において、決済以外にもチャネルや顧客接点ごとに、まだまだ改善できる部分がたくさんあります。
素晴らしい購買体験を数多くの企業の方々といっしょに世の中に提供していくために、NTTデータが持つ決済、シーンごとの購買体験を支える仕組み作りの力がお役に立ちます。

講演ではPoTの概念やトレンド、端末やクラウドの話題に加えて、ユナイテッドアローズ様を始めとするPoC事例で積み上げた経験、具体的な成果などに加えて、新たに発見したことなどをお話しします。
参加される皆さんと一緒に、引き続きより良い顧客体験を考えていく機会にしたいと思っています。

「PoT(Payment of Things)」「CAFIS Arch」に関する講演情報

NTT DATA Innovation Conference 2020
Accelerating Digital ~ デジタルで創る未来 ~

  • 日時:2020年1月24日(金曜日)10:00~18:30(受付開始 9:30)
  • 会場:ANAインターコンチネンタルホテル東京 地下1階

12:10~12:50
「より良い購買体験を
「PoT(Payment of Things)」による決済の変革がカギに」
NTTデータ ITサービス・ペイメント事業本部 カード&ペイメント事業部
冨田 誠

お申し込みはこちら:https://www.nttdata-conf.jp/

NTTデータは「リテールテックJAPAN 2020」に出展します

NTTデータは、2020年3月3日(火)~3月6日(金)に、幕張メッセで開催される国内最大規模の流通業界向け情報システム総合展示会「リテールテックJAPAN2020」に出展いたします。
「New Retail, New Life」をコンセプトに、決済やデジタルマーケティング、店舗業務の省力化など、新たな顧客体験や従業員体験をデジタルで実現する様々な取り組みやソリューションをご紹介します。
皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げております。

「CAFIS」リテールテックJAPAN2020 特設ページ
https://solution.cafis.jp/rtj2020/

※2キャッシュレス決済総合プラットフォーム「CAFIS(キャフィス)」

https://solution.cafis.jp/

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