企業向けPCR検査結果の電子証明書発行サービスの提供に向けた実証を開始 ～検査結果報告の迅速化、さらにブロックチェーン活用により検査結果・証明書等の改ざん防止を実現～
2020年8月31日
株式会社NTTデータ
株式会社LSIメディエンス
株式会社NTTデータ（以下：NTTデータ）と株式会社LSIメディエンス（以下：LSIメディエンス）は、新型コロナウイルス感染症におけるPCR検査結果の電子証明書発行サービス提供に向けた実証を2020年9月に実施します。
新型コロナウイルス感染症が社会にさまざまな影響を及ぼす中、経済活動の担い手である企業では、ビジネス目的で海外渡航を行う場合注1や接客等を行う従業員の安心・安全確保のため、PCR検査を行い、陰性証明書を取得する需要が高まってきています。
本サービスは、こうした企業を対象に、利用企業と臨床検査会社間の、検査依頼から結果証明書発行までの一連をシステム上で管理するものです。本サービスの利用により、利用企業はセキュリティーが保たれたオンライン環境にて検査結果や電子証明書の取得ができるようになります。また、結果証明書発行までを時間短縮するだけでなく、ブロックチェーン技術注2の活用により、証明書の正当性（氏名や有効期限等が改ざんされていないこと）も担保します。
実証では、検査依頼から結果証明書発行までの一連の業務を検証するとともに、業務フローやシステムの有用性を確認し、多面的に課題を抽出します。
今後、両社は本実証を踏まえ、2020年度末までにサービス提供開始を目指し、ウィズコロナ時代における日本企業の発展に貢献していきます。
背景
新型コロナウイルス感染症の影響で、企業の従業員の安心・安全の確保や企業活動の活性化を目的にPCR検査の需要が高まってきています。しかし、検査は企業内の自社診療所・健康管理センター・トラベルクリニック等に限られ、かつ、紙での証明書発行に時間を要しているのが現状です。今後、利用者が増加すれば、医療機関や臨床検査会社をつなぐ効率的な仕組みが必要になってきます。こうした状況を受け、両社は、デジタル技術を活用してPCR検査結果における電子証明書発行サービスを提供することにしました。
サービス概要
本サービスは、利用企業と臨床検査会社をNTTデータが提供するセキュアなネットワーク「L-AXeS®（エルアクセス）」注3で接続し、検査依頼から結果証明書発行までの一連の業務をシステム化したものです。PCR検査はLSIメディエンスが、システム提供と運用をNTTデータが担います。
実証について
実証では検査依頼から結果報告書発行までの一連の業務について、業務フローとそれを支えるICTシステムの有用性を評価・検証します。また、今後の利用拡大を見込み、広く導入するための倫理的な課題や社会的な課題の抽出を行います。また、利用企業側の評価として、NTTグループの従業員（組織管理者、人事部門、健康管理部門等）の協力のもと、検査実施に対する職場の事情・考え方をヒアリングすることで検討を深めます。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大等の状況を踏まえて、本実証は以下、想定の業務フローに基づき机上で行います。
＜想定の業務フロー＞
- （1）利用企業が従業員にPCR検査が必要と判断し、従業員にPCR検査を受診するよう伝えます。
- （2）従業員は、企業内の自社診療所・健康管理センター・トラベルクリニック等で、PCR検査について説明を受け、問診や検温等を行い、業務に従事できる健康な状態であることを確認のうえで検体を採取します。
- （3）企業内の自社診療所・健康管理センター・トラベルクリニック等は、LSIメディエンスにPCR検査をシステム上で依頼します。
- （4）LSIメディエンスは、PCR検査結果をシステム上で入力し、企業内の自社診療所・健康管理センター・トラベルクリニック等に報告します。
- （5）企業内の自社診療所・健康管理センター・トラベルクリニック等は、システム上で検査結果報告を受領して従業員に健康であることの証明書を発行します。利用企業や従業員は健康であることの証明書をシステムから取得し、業務上の必要に応じて活用します。
実証実験の実施期間
2020年9月1日から9月18日までを予定
技術的な課題と検証項目
- 検体採取から証明書発行までの時間を72時間以内とすること。
（参考：注1、一般社団法人日本経済団体連合会の発表内容にて「本邦出発前の一定期間（例：本邦出発前72時間以内）」があげられている） - 証明書の偽造や改ざんを検知するデジタル技術が有効であること。
- デジタル技術を活用した証明書の発行と個人情報の保護が両立できること。
- デジタル技術が出入国の際に求められる各種手続きのシームレス化に寄与できる可能性があること。
今後について
本サービスは、企業の感染リスクの低減化と活動活性化の両立に資するものであり、実証を通して抽出した課題の解決策を講じたうえで、2020年度末までのサービス提供開始を目指し、ウィズコロナ時代における日本企業の発展に貢献していきます。
注釈
- 注1国際的な人の往来再開に向けたPCR検査の実施等ご協力のお願い（一般社団法人 日本経済団体連合会）
http://www.keidanren.or.jp/announce/2020/0626.html?v=p - 注2
ブロックチェーン技術とは世界中に点在するパソコンにデータを置くことで、データの改ざん、消失リスクが非常に低いネットワークを作る技術です。
特定の認証サーバーがなくても関係者間で取引データの正当性を一意に確定できるのが特長で、各分野で積極的に実証が行われています。
NTTデータは、ブロックチェーン技術を活用したプラットフォームにおけるさまざまな実証実験を実施しています。
https://www.nttdata.com/jp/ja/services/blockchain/ - 注3L-AXeSは、医療機関と臨床検査会社をセキュアなネットワーク環境でつなぎ、電子データによる検査依頼・結果報告を行う共同ネットワーク基盤サービスです。
医療機関と臨床検査会社をつなぐセキュアな共同ネットワーク基盤サービスの提供を決定
https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2015/051901/
- 「L-AXeS」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部
黒澤
TEL：050-3646-0307
株式会社LSIメディエンス
総務・法務・知財部
総務グループ
広報担当
TEL：03-6896-8926
製品・サービスに関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
第二公共事業本部
ヘルスケア事業部
健康ソリューション担当
池、西村
E-mail：d-axes@kits.nttdata.co.jp
社会基盤ソリューション事業本部
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