商用AIサービス創出を短期間で実現し、継続的に改善を行うMLOps導入サービスを提供開始
2020年9月30日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ（本社：東京都江東区、代表取締役社長：本間 洋、以下：NTTデータ）は、お客さまのAIサービス創出を短期間で実現し、継続的に改善を行うためのMLOps導入サービス（以下、本サービス）を2020年9月30日より提供を開始しました。
MLOpsとはDevOps注1の機械学習版で、機械学習の開発担当者とシステムの運用担当者がお互いに協調し合い、実装から商用システム運用までを円滑に進めるための概念全体を指します。NTTデータでは、これまで顧客へ素早く価値を届ける事を目的としたDevOpsサービスを提供してきましたが、AIによる新規ビジネス創出等の相談ニーズの増加に対応するため適用範囲をAIに拡大します。AIにおいては素早く精度を高めつつも、サービス公開後に継続的に精度改善を行う必要があるため、既存のDevOpsサービスにおける顧客へ素早く価値を届けるためのノウハウをベースに、多数のAI案件で得られた知見を本サービスへ適用しました。本サービスを導入する事で、従来は数カ月ほどかかるAIサービスを最短数週間で実現し、継続的にビジネス価値を改善するよう支援します。
今後NTTデータは、本サービスをグループ各社へ展開し、3年間で案件への導入件数100件を目指します。
背景
AIを使った新規サービスの立ち上げや既存業務の改善を試行するプロジェクトは年々増えていますが、実ビジネスへ本格導入に至らないケースが散見されます。主な理由は二つあり、一つ目は限られたPoC期間内に実業務に耐えられるレベルまでAIの精度を向上しきれないケースと、二つ目は機械学習の開発担当者が作成したAIモデルをシステム開発担当者が引き継いで商用システムへ導入しますが、コミュニケーションや作業の分割コストにより導入に時間がかかるケースが挙げられます。
加えて昨今は、コロナウィルス感染拡大の影響で人の行動様式が日～週単位で変化するため、変化前にデータサイエンティストがチューニングしたAIモデルの精度が陳腐化し、役に立たなくなるケースが多くなっています。
このような状況を踏まえて、NTTデータでは2020年3月より提供している「デジタルサクセス™プログラム」注2の1つであるMLOpsサービス「AICYCLE®」注3を大幅にリニューアルし、本サービスを2020年9月30日より提供開始しました。
概要（特長）
MLOps導入サービスは、既存のDevOpsサービスにおける顧客へ素早く価値を届けるためのノウハウをベースに、多数のAI案件で得られた知見を適用し開発しました。本サービスの活用により、AI開発の効率化が可能となり、AIサービスの商用化までの時間短縮が期待できます。
・AI開発プロセスを効率化するためのツールチェーン
AICYCLEでは、AIが予測を行う際の判断ロジックとなる「予測モデル」を、さまざまなビジネス関連データや、AIの予測結果・実績（予測と実績の良否）データを用いて自動的に評価・更新します。これにより、予測精度（予測モデルの品質）を維持する技術を提供してきました。今回、新規にOSSとパブリッククラウドベースの検証済みのツールを「Altemista®」注4に追加し提供を開始します。当該ツールを利用しない場合と比較して、下記のプロセス1～6の作業を約250％以上向上させることが可能になります。
図：MLOpsサービスが提供するツールチェーン
MLOps導入サービスによるビジネス効果
（1）PoCの成功による実ビジネス創出
AIを実ビジネスにて適用する場合、PoCの成功のためには予測精度をビジネスに適用できるレベルまで高める必要がありますが、そのためには上記プロセス1～6を繰り返し、最適なチューニングを見つけることが肝となります。このプロセスを250%以上高速化することで、よくある3カ月のPoCにてその成功のため必要とされる5回以上のチューニングを可能とし、結果として実ビジネス創出に繋げることができます。
（2）実ビジネスの継続的改善
AIを活用した実ビジネスでは、その価値は主に予測精度に依存しますが、この予測精度は情報や情勢の時間変化による影響を受けます。例えば今年度のコロナ禍により、一時期は小売りや飲食店の売り上げが予測値と比較し大幅に低下する事象が起きました。一方で、その状態に予測モデルをチューニングしたとしても、緊急事態宣言の解除や世論の動向によって今後は予測値に対し急激に売り上げが増加するといった事象もまた起きています。
このように情勢の変化が激しい場合、上記ツールチェーンを活用することにより、簡単かつ高速にモデルを改善し適切な予測をさせることで、結果としてビジネスを改善させることができるようになります。
今後について
今後NTTデータは、本サービスをグループ各社へ展開を行い、3年間で案件への導入件数100件を目指します。
参考
なお、本リリースの内容はNTTデータテクノロジーカンファレンス2020でも紹介予定です。是非ご参加ください。
NTTデータは、2020年10月12日から23日まで、「NTTデータテクノロジーカンファレンス2020」「日経xTECH EXPO 2020」の2つのオンラインイベントを中心に、よりよい社会の創造に向けてNTTデータが注目する技術情報を多数発信する「NTT DATA Technology Week 2020」を開催します。
https://www.nttdata.com/jp/ja/event/2020/technologyweek/
「NTTデータテクノロジーカンファレンス2020」とは、組織改革とクラウド活用の事例や、AIをエンタープライズで活用するための取り組み、COVID-19に立ち向かうNTTデータの最先端技術、OSSを中心とした最新技術動向など、NTTデータならではの先鋭的な技術トピックを、一緒に取り組んだお客さまとともにNTTデータの高度な技術者が紹介するイベントです。
https://oss.nttdata.com/techconf2020/
「NTTデータテクノロジーカンファレンス2020」
| 日時 | 2020年10月14～16日 13：00～18：00 |
|---|---|
| 開催方法 | オンライン配信（参加無料） |
| 講演タイトル | 「～今話題のMLOpsの作り方～ 商用AIサービス創出を短期間で実現し、継続的にビジネス価値の改善を行うための仕組み作り」 |
| 講演日時 | 2020年10月14日 16時28分～ |
| 登壇者 | 株式会社NTTデータ 技術革新統括本部 システム技術本部 デジタル技術部 山口 永、佐々木 克浩 |
注釈
- 注1DevOpsとは、ソフトウェアの開発担当と導入・運用担当が密接に協力する体制を構築し、ソフトウェアの導入や更新を迅速に進めること。
- 注2デジタルサクセスプログラムとは、グローバル500社以上でのAI・データ活用によるビジネス変革、AI・データの民主化支援実績を基にした、AI・データ活用を起点とする実践的なビジネス変革プログラムです。
2020年3月18日NTTデータニュースリリース「DataRobot, Inc.とDX加速に向け戦略的資本業務提携」
https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2020/031801/
2020年9月16日NTTデータニュースリリース「SnowflakeとDX加速に向け資本業務提携」
https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2020/091602/ - 注32017年12月20日NTTデータニュースリリース「企業におけるAI活用の課題を解決する自動化・自律化技術を開発」
https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2017/122000/ - 注4Altemistaとは、スピーディなサービス企画開発を実現し、スタートアップ、イノベーション創発を支えるNTTデータのソリューション群のブランドです。
https://abler.nttdata.com/solution/altemista.html
- 「Altemista」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
- 「AICYCLE」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
- 「デジタルサクセス」は日本国内における株式会社NTTデータの商標です。
- 「Amazon Web Services」、「アマゾン ウェブ サービス」、「AWS」、および「Amazon Web Servicesロゴ」は、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
- 「Microsoft Azure」、「Azure」は、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標または登録商標です。
- 「Google Cloud」はGoogle LLC の商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部
宮尾
TEL：050-3644-3022
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デジタル技術部
Agileプロフェッショナル担当
宮館、山口、佐々木
E-mail：apcj@kits.nttdata.co.jp
ビジネスソリューション事業本部
AI＆IoT事業部
加藤、小林、宮地
E-mail：aiiotmarketing@kits.nttdata.co.jp
