地銀法人営業の高度化へ、AIが提案業務を支援

~山陰合同銀行で提案業務高度化AIを本格運用、営業から審査までのEnd to End構想を加速~

トピックス

2026年3月25日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、金融機関の法人営業における顧客提案の高度化・効率化を支援する法人営業高度化AIサービス(以下、本サービス)の運用を2026年4月より開始します。ファーストユーザーとして株式会社山陰合同銀行(以下、山陰合同銀行)への導入が決定しており、同月より運用を開始します。
地域密着を強みとする地方銀行には、融資に加え、顧客企業の経営課題解決に向けたコンサルティング機能の強化が求められています。その一方で、提案業務を組織的かつ持続的に高度化していくための体制整備が重要な課題となっています。NTTデータはこうした状況を踏まえ、AI活用による提案品質の均質化・高度化と業務負担の軽減によって、法人への提案の質と量を向上する取組みを提案し、山陰合同銀行での本サービス導入に至りました。本サービスでは、顧客情報や財務情報、業界情報などをセキュアに集約し、AIが取引先ごとに最適化された提案素案を作成します。山陰合同銀行との検証では、営業現場での試行利用を経て顧客理解の深化や訪問準備の効率化、若手行員の提案力向上といった効果が見込めることを確認しています。
なお、本サービスは高セキュリティ基盤上でAIを活用可能な「LITRON® Generative Assistant(LITRON GA) on finposs」を基盤としています。同基盤は、碧海信用金庫でのAIによる問い合わせ自動回答注1、京都銀行での融資稟議書作成支援注2など実務領域での導入が進んでおり、活用範囲も拡大しています。NTTデータはAI活用を通じて、金融機関における業務効率化と高度化を支援することで、地域企業の成長と地域経済の持続的な発展に貢献します。

背景

金融業界では、企業ニーズの高度化や地域経済を支える役割の拡大を背景に、従来の融資にとどまらず、顧客企業の多様な経営課題の解決を支援する「コンサルティング型営業」への転換が求められています。一方で、営業担当者が企業ごとの状況を把握し、的確な提案を行うためには、多くの情報収集と分析が必要であり、提案品質が担当者のスキルに依存する属人化や、手作業に頼る業務負荷が課題となっていました。
こうした課題に対して、NTTデータは、山陰合同銀行のデジタル推進・変革を通じ、新しい地域社会の構築に取り組む「デジタル推進パートナー」として上流検討から構築までを推進してきました。今回、両社は約1年半にわたり、営業店および行員を限定した検証で実際の法人営業業務を想定したユースケースを検討しました。その結果、AI活用による提案の質と量の向上が確認できたことから、法人営業担当行員に広く活用されるサービスとして本格運用に至りました。
なお、NTTデータは金融機関の経営変革と地域社会の持続可能な発展を支援する新たな取り組「ARISING®注3を推進しています。本案件はその取り組みの一環として位置づけられるユースケースです。

概要(特長)

本サービスは、NTTデータが提供する「LITRON GA on finposs」を基盤とした金融機関向けの法人営業高度化AIサービスです。NTTデータの自然言語処理に関するノウハウを生かして独自開発したRAGである「LITRON GA」と、金融機関のセキュリティ基準として認知されているFISC安全対策基準注4に対応した「finposs基盤」を組み合わせ、安心・安全にAIを活用できます。導入企業に合わせた個別のチューニングを行うことができ、RAGとしての精度を業務ごとに最適化できることも特長です。

法人営業高度化AIサービスの特長

  1. 行内に分散する情報の収集・要約・提案素案作成の自動化
    AIが顧客課題を分析する際に必要な情報(顧客情報、財務情報、業界情報など)を行内の複数システムから自動で取得・整理し、提案内容の素案を作成します。営業担当者が個別に情報収集・整理を行う負荷を軽減し、事前準備を効率化します。
  2. 取引先ごとに最適化された提案素案の作成
    顧客ごとに収集した入力データを踏まえてAIが企業の特性を把握し、取引先ごとに最適化された提案素案を提示します。営業担当者は、提示内容を起点に訪問目的や対話のポイントを整理でき、顧客との建設的な対話につなげることができます。
  3. 高セキュリティ環境による安心・安全なデータ保護
    金融機関向けセキュリティ要件として認知されているFISC安全対策基準に対応した高セキュリティ環境上で運用するため、銀行が保有する機密性の高いデータを安全に格納し、安心してAIを活用できます。

図1:法人営業高度化AIサービスのイメージと特長

今後について

NTTデータは、本サービスを継続的にアップデートしながら、金融機関の法人営業における実務に即した高度化を進めていきます。また、NTTデータはAIネイティブな仕組みで法人営業から融資審査まで一連のプロセスをEnd to Endで支援する構想を掲げ、AIを中心とした先進技術の活用を通じて、トップライン向上とコスト削減の両面から金融機関の収益確保に貢献します。NTTデータは、こうした機能拡張とユースケース拡大を通じて、法人営業のあらゆる場面でAIを活用できる環境の実現をめざすとともに、AI技術を活用した新たなソリューションの共創を推進し、地域企業の成長支援と地域経済の持続的な発展に貢献します。

図2:NTTデータがめざす法人営業・融資プロセスの業務支援

NTTデータグループが描くAI活用の未来

NTTデータグループは、積極的なAI活用の推進とガバナンスの両輪でお客さまのビジネス、当社のビジネスの変革を推進します。お客さまのビジネスでは、AIエージェントが指示に応じ自律的に対象業務のタスクを抽出・整理・実行する「Smart AI Agent®」の実現をめざします。当社のビジネスでは、ソフトウェア開発の大幅な生産性向上や実践的AI人財の育成を加速します。これらを通じて、AIネイティブな業務プロセス改革に取り組み、人手不足等の社会課題解決に貢献するとともに、人が付加価値の高い業務領域に注力できる世界を実現していきます。

注釈

  • 「ARISING」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • 「LITRON」「LITRON Generative Assistant」「finposs」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • 「Smart AI Agent」は、株式会社NTTデータグループの米国、英国、欧州連合および日本国内における登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第二金融事業本部
デジタルバンキング事業部
オファリング統括部
コンサルティング&セールス担当
小峰、辻野
TEL:050-5546-2314

第二金融事業本部
営業企画推進部
営業統括部
第二営業企画担当
井上
TEL:080-2003-0541