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流通・小売業界のデジタルコマースを進化させ、誰もが暮らしやすい世の中に

日本全国で人々の暮らしを支えるコンビニやドラッグストア、何気ない毎日を彩る商業施設や百貨店、アパレルチェーン。そうした流通・小売業界の大手顧客を担当しているのが、流通サービス事業部です。業界全体で購買体験の革新が続く中、ビジネスの企画段階からシステム構築までトータルに参画し、各社の事業変革に貢献しています。いわば「日常に密着するDX」を扱うやりがいについて、同事業部のイノベーティブリテーリング担当 部長を務める木村浩幸が語ります。

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自分も、家族も、仕事の成果に毎日触れられる面白さ

流通サービス事業部の最大の強み。それは「EC」です。大規模EC基盤の構築やECサイト/Webアプリの開発・運用を始め、中~大規模の顧客接点系デジタルサービスを数々提供。さらにオムニチャネル戦略やマーケティングの支援、ECを通じて得た膨大な購買データの分析サービスやPOSソリューションの展開など、活躍の領域は年々拡大しています。

このような中で主に大手コンビニチェーンの新サービス開発などに携わるイノベーティブリテーリング担当の木村は、この事業フィールドそのものが「一番のやりがい」だと語ります。

日常生活の中で、仕事の成果に自分たち自身が直接触れられて、実際に世の中で役立っていることを認識できる。自分が社会を便利にしているんだと思えるのは、この仕事ならではの面白さです。

家族にも『お父さんの仕事はこれを作ることだよ』って伝えやすいですし、妻の反応がユーザーインタビューがわりにもなっています(笑)。

それにSNSの反響も大きいですね。新機能を実装した際に『これは使いやすい』『便利になった!』といった声があふれていると嬉しくなりますし、アプリなどの不具合で厳しいご意見が出ていれば、早急に修正しようと力が入る。ですから、あらゆる反応の一つひとつがやりがいになります。

一方で、日常に関わる仕事だからこその難しさもあります。 ニューノーマルの時代になり、消費者の購買行動が大きく変化。流通・小売業界でも新たなサービス事業者が台頭するなど、ビジネス環境が一変。さまざまな課題解決が模索される中、DXニーズも拡大。流通サービス事業部にも進化が求められています。

ECはもともとネット単独の仕組みでした。しかし、デジタルコマース時代を迎えた現在では、リアルのシステムや業務と組み合わせなければサービス提供ができません。

当然、ECと基幹系システムとの接続が不可欠ですし、最近はお客様の事業構想に合わせてベンチャー企業のクラウドソリューションと連携するケースも日常的。システム開発はこれまで以上に高度化・複雑化しており、関わるステークホルダーも増加しています。

このような中で、インテグレーションを得意とする我々には、プロジェクト全体をコーディネートする力が求められています。そして、指揮を執るにはシステムだけでなく、『デジタルコマースのあり方』を語れないといけません。

システム開発に留まらず、『事業の売上をどう伸ばすか?』をお客様と一緒に考える。そのためにサービスの企画段階から参画し、クライアントのシステム部門の方はもちろん、ユーザー部門の方とも密に話し合う。これからの時代は、そうした技術力とビジネスセンスの両面に長けた人材の育成がカギになると思っています。

DXによる購買体験のパーソナライズが進行中

流通・小売業界の未来に想いを巡らせ、そこに必要とされるテクノロジーを模索する。そして、顧客の事業変革をリードする「デジタルサービス提供パートナー」を目指すことが、流通サービス事業部のミッションです。

では、昨今のコロナ禍によって業界動向はどのように変化しているのでしょうか?木村は、デジタルサービスへの期待度が格段に高まっていると感じています。

これまでお客様の強みはリアルにあり、ECも元々はクーポン発行やポイントサービスによって消費者をリアル店舗に誘導するための“トリガー”にする狙いが強くありました。

しかし、人流抑制や非接触が重要性を帯びた現在は、提供すべき購買体験も大きく変化していて、ECは単にリアルに消費者を誘導するチャネルではなく、スマホをベースに、いつでも、どこでも、購買を楽しむための空間に変化しています。

そこで私たちはライブコマースやインフルエンサーマーケティングを展開して、多くのエンドユーザーに新商品やキャンペーンの情報発信を行う企画をしたり、逆に1対1の接客を重視する百貨店などではリモート接客を取り入れ、全国の店舗から選りすぐりの商品を、消費者が自宅から決済できるアプリをご提供したりとお客様の商習慣に合わせて様々なご提案を進めています。

DXでいかに購買体験をパーソナライズして提供するかが、業界の新しいテーマになっていると感じています。

暮らしに密着するコンビニ業界でも、非接触のセルフレジやスマホレジの導入が進むなど、ビジネス環境に変化が生まれています。さらに時代のニーズを汲んだ新事業としてコンビニ各社が注目しているのが、デリバリーサービスです。

例えば小さなお子さんがいて自宅を離れられないご家庭、ちょっとした買い物も負担になる高齢者、在宅勤務中の利用など、多様化するニーズに応えるサービスとして今後の成長が期待されています。

これは個人的な考えですが、すでに国内においては飽和状態とされているコンビニ業界にとってオンラインは“新たな立地”になり得ると感じています。

リアルで出店する場合は土地や空き店舗が必要ですが、ネット上ならば各地域の店舗状況とニーズに合わせて自由に出店できますよね。

さらに人流や購買に関するデータ分析が高度化すれば、いつ、どこで、どれだけのニーズがあるか把握できるようになる。そうなれば24時間営業ではなく、期間限定のスポット出店といったサービスも可能かもしれません。

ただし、購買体験を考える時にはリアル店舗のオーナー様やアルバイトの方々の業務オペレーションにも意識を向けないといけません。

リアルの業務と並行してネット対応も……となれば、ピッキングひとつをとっても大変な作業に。ビジネスをスケールするには、こうした課題の解決も不可欠です。

では、これらの課題をどのように解決するかと言ったら、やはりDXなんです。

私たちは店舗用の業務アプリも開発・運用していますので、運営を省人化・効率化できるデジタル施策を含めた多角的なIT戦略というものを、スピーディに企画・提案していきたいですね。

国内外の出張も積極的。あえて現場体験にこだわる理由とは

もともと流通・小売業界のECは品質第一でしたが、ビジネス変革の加速に伴い、最近ではスピード感も重視されるように。そこで流通サービス事業部では開発プロセスの改善を進めるとともに、お客様と二人三脚でビジネスのスピードそのものの加速にも取り組んでいます。

例えばお客様社内の意思決定を加速できるように、お客様の経営層向けの資料における表現や社内調整の方法などを一緒に考えたりですとか、ビジネスへの波及効果を軸に開発の優先度を検討したりと、柔軟な発想で支援しています。

それに開発現場には定例会議が付き物ですが、仕様調整などは現場のメンバーとお客様とで毎日のようにチャットをしてリアルタイムで詰めていき、定例会議はより大きなテーマを話し合う時間に使うなど、全体最適を図っています。

こうした一つひとつの作業の改善に加えて、今後はマイクロサービス化や、より大量のデータをリアルタイムに分析する先端テクノロジーの導入、AIの活用など、幅広い技術にもトライしていく計画です。

さらに、現場のメンバーが思い思いのワークスタイルを実現できるよう、事業部の全社員にリモートワーク用にスマートフォンとノートパソコンを貸与。フレキシブルな体制を整える一方で、あえて“アナログ”を重視している点もあります。それが国内外のDX事例を体感するための出張視察です。

コロナ禍以前は、DX先進国のアメリカや中国にも積極的に出張していましたね。最近も社会が落ち着いたタイミングで、開発メンバーと一緒に北海道へ視察に行っていました。

実際の店舗に行くと、店舗スタッフの方がどういう動きをしているのか、業務オペレーションについてどんな張り紙がされているのか、デジタルサービスやアプリにどれだけご満足いただいているかなど、改善のヒントに山ほど出会います。

それに世界の先進事例や他社サービスに触ると、自分たちの課題も見えてきます。ここができていない、ここに力を入れるべきだという発見が、次の挑戦へのモチベーションになっています。

今後、流通サービス事業部が目指すのは、「多様な選択肢を持った集団」だと木村は言います。積極的に新しい人材を迎え入れて組織強化を図り、従来のウォーターフォール型の開発も、アジャイル開発も、先端テクノロジーの活用も、臨機応変にチョイスできる組織を目指したいと話します。

求職者の皆さんには伝えたいのは、『一緒に仕事を楽しみませんか?』ということですね。我々の事業部が手掛ける案件は社会的インパクトも大きいですし、先進技術やプロジェクトマネジメント力を磨くこともできます。

成長意欲の高い方や、異なる意見を受け入れ、積極的にコミュニケーションを図れる方なら経験が浅くても問題ありません。例え失敗しても、優秀な上司や先輩、同僚、パートナーがサポートしてくれるので安心してください。

ぜひ皆さんの経験とスペシャリティーを発揮して私たちやお客様と一緒に、次世代の流通の姿を描いていきましょう!

※掲載記事の内容は、取材当時のものです