人と仕事を伝えるWEBマガジン
NTTデータグループ / NTTデータ / NTT DATA, Inc.

唯一無二の存在として、地方銀行の変化に正面から向き合い続ける

近年、地方銀行の合併や統合は珍しい話ではありません。事業環境が厳しさを増す中、地方銀行向け勘定系システムの共同利用型センター(システム共同センター)の構築・運営など、独自スキームで地方銀行の基幹系システムを支え続けているNTTデータ。地方銀行が迎えている変化に対してどのように向き合っているのでしょうか。若手の成長環境にも目を向けながら、グループリーダーとして組織を支える駒と、入社4年目でプロジェクトリーダーに抜擢された黒澤がベテランと中堅それぞれの立場から語り合いました。

目次

Profileこの記事に登場する人

地方銀行と一体となり、独自スキームでシステムを支え続けている

――地方銀行向けの基幹系システムの開発に携わってきたお二人から、現在の地方銀行が置かれている状況を教えていただけますか。

人口減少等により地方銀行の事業環境は大きく変化しつつあり、地方銀行の合併・統合といった動きが以前よりも活発になってきています。金融機関における勘定系システムにおいては安定提供とコストミニマムを実現するニーズが高まっている一方で、事業拡大に資する新たなデジタルサービスを活用する動きが盛り上がってきています。

黒澤

そうですね。外部環境の変化に伴い、デジタル時代を迎える中でお客様からも新たなニーズが高まっており、顧客とのチャネルも変わってきています。その代表的なものがインターネットバンキングなどの非対面チャネルです。店舗に行かなくても振り込みなどができるようになり、利便性が向上するとともに顧客へ提供すべき価値も変化しています。

――地方銀行様の近年の状況の変化に対して、NTTデータではどのように向き合っているのでしょうか。

例えば、NTTデータが構築・銀行が主体で運営する、地方銀行・第二地方銀行向け基幹系共同センター「MEJAR」のように、横浜銀行様、北陸銀行様、北海道銀行様、七十七銀行様、東日本銀行様の5行で共同利用している基幹システムでは、地方銀行様と一体になって環境変化に合わせた業務効率化やサービス向上を実現する取り組みを行っています。IT投資抑制や消費電力削減によるグリーンIT推進にも貢献するプロジェクトとしては、2024年にメインフレームからオープン化するフレームワーク「PITON™(ピトン)」への移行も予定しています。
また、勘定系の他にもお客様が新サービス・新チャネルへスピーディーに対応できるよう、銀行業務のワークフロー化やAPI連携を可能とする地方銀行向けの共同利用型サービス「Service Engagement Hub(SEHub)」などの取り組みによって、勘定系と銀行内外のサービスを柔軟に連携する仕組みの構築を行い、銀行業務のデジタル化も支援しています。

――お二人の関わったプロジェクトとしては、どのようなものがありますか。

私自身がプロジェクトマネジメントに携わった印象深い事例として、2019年に福岡中央銀行様、佐賀共栄銀行様、長崎銀行様、豊和銀行様、宮崎太陽銀行様、南日本銀行様の6行が加盟するシステムバンキング九州共同センター様(SBK)に、当社の基幹系システム「BeSTAcloud」を導入したプロジェクトがあります。

黒澤

私も同じプロジェクトに関わっていました。すでに利用されている勘定系基幹システムを移管するだけでも大変ですが、なんと6行同時移行ということで、非常に難易度の高いプロジェクトでしたよね。数十年もの間、NTTデータのシステムを利用いただいていたという関係性もあり、システム刷新の際に相談をいただいたのがきっかけだと伺っています。

――地方銀行向けのシステム開発におけるNTTデータの強みはどんな点でしょうか。

地方銀行向け勘定系システムのお客様カバー率はナンバーワンです。その中で、我々が携わる地方銀行・第二地方銀行向けシステム共同センターの「STELLA CUBE®」や基幹システムの「BeSTAcloud®」は、現在それぞれ10行にサービス提供しています。

黒澤

「STELLA CUBE®」や「BeSTA cloud®」は、NTTデータ地銀システム共同センターなどの稼働実績を持つ標準バンキング・アプリケーション「BeSTA®」をベースとしたものです。長年にわたって地方銀行様向けのバンキングシステムを提供してきたからこそ、「STELLA CUBE®」や「BeSTAcloud®」を立ち上げることができたと言えます。

NTTデータには、長年にわたり積み上げたバンキングノウハウがあります。そのため、地方銀行様がシステム刷新などで悩んだ際に最初にご相談いただける存在ですし、他の銀行ではどうしているかという事例の紹介も可能です。また、システム共同センターのように他の銀行と協力して課題解決するような包括的な働きかけができる点もNTTデータの強みだと思います。

移行プロジェクトのリーダーに抜擢されたのは、入社4年目の若手社員

――黒澤さんは入社4年目にして名古屋銀行様のシステム移行プロジェクトでリーダーに抜擢されたそうですね。

黒澤

はい。名古屋銀行様向けに「STELLA CUBE®」を提供するプロジェクトでした。先ほども話に出てきたシステムバンキング九州共同センター(SBK)の6行同時移行プロジェクトの後、名古屋銀行様のプロジェクトにリーダーとして要件定義の段階から参画しました。

黒澤は前のプロジェクトではリーダーではなくメンバーでしたが、6行同時移行の難しさを体験し、プロフェッショナルとして大きく成長してくれたことからリーダーに抜擢されました。以前のプロジェクトでは関係者が多く、調整がきわめて重要だったのですが、黒澤は若いながらもお客様をはじめ、さまざまなステークホルダと積極的にコミュニケーションを取りながら意見の集約や整理を行い、プロジェクトを円滑に進めてくれました。

黒澤

システムバンキング九州共同センター(SBK)のプロジェクトでは、年次が浅かったこともあり、何もわからないところからのスタートで何度も壁にぶつかりました。けれども、精一杯コミュニケーションを取りながら6行同時移行という非常に難易度の高いプロジェクトをやり切れたことは自信にもつながりました。

――入社4年目でリーダーに抜擢されるのは、NTTデータでは珍しいことなのでしょうか。

たしかに黒澤は若手でのリーダー抜擢でしたが、けっして珍しいことではありません。NTTデータの場合、知識と経験を身につけて、自分から「やりたい」と貪欲に発信できる人は活躍の機会を与えられやすいです。社会に大きな影響を与え、かつ責任が伴うプロジェクトのリーダーを若手のうちから任せてもらえる当社の環境は貴重だと思います。
特に黒澤のように、お客様や協力会社と積極的にコミュニケーションが取れるタイプはリーダーとしても活躍しやすいです。

黒澤

私自身、名古屋銀行様の移行プロジェクトにはぜひ挑戦したいと考えていました。システム移行プロジェクトは明確なゴールがあり、独自のやりがいがあります。花形のプロジェクトという印象を持っていました。

――名古屋銀行様のプロジェクトではどのような難しさがありましたか。

黒澤

個人的に一番難しかったのは、「人に動いてもらう」ことです。リーダーということは、入社4年目の若手であっても、自分より年上の人たちに指示を出す必要があります。どう言えば正しく伝わり、動いてもらえるのか、上長に相談したり、独学でマネジメントについて勉強したりしていました。

私は直接プロジェクトに関わってはいませんでしたが、黒澤はしっかりと関係者とコミュニケーションを取り、どんな意見も真摯に受け止めながらプロジェクトを進めていたのを近くで見ていました。頑張っていることが伝わってきていましたよ。

黒澤

ありがとうございます。チームに対しても、メールだけでなく対面のコミュニケーションを大切にしたりと、協力してもらえるような関係性づくりにはこだわってきたつもりです。プロジェクト前半は先輩のフォローもあり、安心感があったのですが、後半からはリーダーとして独り立ちして行動しました。やることは変わらないとはいえ、緊張感や責任の重さが違いました。リーダーとしての成長につながったと感じます。

お客様や業界の枠を超えて、自らも変わりながら、新たな価値創出に挑んでいく

――お二人は地方銀行向けシステム開発のこれからをどのように見ていますか。

地方銀行様同士の合併は今後も発生していく可能性もあると思われます。一方、銀行だけでなく、地方自治体や地域企業を含めたシステム連携が進んでいくでしょう。そのような銀行の枠を超えた動きが出てきた際に、誰が主導をするのか。NTTデータがシステムの連携を取りまとめる動きをすることもあるかもしれません。そんなときこそ、NTTデータに大きなチャンスがあると思っています。

黒澤

合併や統合が増えていくと、システム統合のノウハウが求められる機会も増えてきます。多くの関係者を巻き込みながら統合プロジェクトを進めてきた経験やノウハウという点でもNTTデータの価値は発揮できます。

そうですね。さらに今後は、今までのようにシステムを提供するだけでなく、さらなる付加価値を生み出すことが必要になると考えています。

――環境の変化を受け、NTTデータとしてはどのように変わっていくべきでしょうか。

黒澤

これまでは主に地方銀行様向けの勘定系システムに注力してきましたが、現在、対応できる領域の幅を広げています。各銀行様独自のアプリケーションなども増えてきていますし、地方銀行様の置かれている環境が変わっていく中で、私たちも変化を続けていくことが求められます。

そうですね。先ほど、各自治体や地域の企業との連携が活性化してくるのではないか、とお話しましたが、そうなれば私たちも金融分野の組織だけに閉じることなく、公共・社会基盤分野や法人分野など、本部を超えた連携も必要になっていきます。既にそのような役割を持った組織も社内で生まれていますし、NTTデータが一体となって価値提供していくことが必要だと考えています。

――NTTデータで地方銀行向けのシステム開発に携わる魅力を教えてください。

「STELLA CUBE®」や「BeSTAcloud®」を多くの地方銀行様に提供しているように、1行だけでなく、いろいろな銀行様と関わっていける機会のある組織です。銀行様の意見を取りまとめて、方向性を導き出していけるのはNTTデータならではのやりがいだと思います。

黒澤

取りまとめるという点で言えば、NTTデータはお客様だけでなく協力会社も取りまとめるプロジェクトマネジメントを担うケースが大半です。私自身も若手でリーダーを任されましたが、お客様の課題解決を通じて成長しながら、プロジェクトマネジメント力も養うことができる環境だと実感しています。

若手の活躍はその通りですね。若いうちから経験を積んでもらおうという風土が昔から根付いており、若手がサブリーダーやリーダーのポジションを任されることは珍しくありません。黒澤の言う通り、複数の銀行のステークホルダやNTTデータ内の関係者、協力会社などを取りまとめることが求められる環境であることが背景にあります。

黒澤

若手から大規模なプロジェクトを経験できるのですから間違いなく成長できますね。それも、先輩のサポート役ではなく、意欲があれば任せてもらえるのはNTTデータの魅力です。

補足として、若手に任せはするのですが、必要に応じて私のような管理職などが提案内容のチェックやレビューを行います。もちろん放任ではないので、その点は安心していただきたいです。

黒澤

たしかに私が積極的に挑戦できているのも、先輩方のサポートがしっかりしているからです。だからこそ自信を持って働けるのだと改めて思いました。

黒澤のように、若手にはどんどん挑戦してもらいたいです。若いうちから活躍したい方、チームで目標を成し遂げたい方と一緒に働けるのを楽しみにしています。

唯一無二の存在として、地方銀行の変化に正面から向き合い続けている第二バンキング事業部。難易度の高いプロジェクトでも積極的に若手にリーダーを任せていく環境が、プロジェクトマネジメントスキルを養うチャンスにつながっています。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです