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「15年間、同じ仕事は一度もなかった」独自の地図ソリューションを通して、あらゆる成長機会が広がる

「私たちは単にパッケージの拡販をしているわけではありません。私たちのサービスの導入を希望されるお客様が100社あれば、そこには100通りの要望があるのです」
NTTデータ独自のSaaS型地図情報プラットフォーム「BizXaaS MaP」の技術部門を束ねる田中 大史は、このサービスを扱うロケーションインテリジェンス統括部での仕事についてこう話します。相対する顧客の業界・規模・企業文化などによって、最適な導入手法は千差万別です。BizXaaS MaPを起点とし、顧客の課題を完全にクリアできる全く新しいシステムを追求すること。それが田中の理想とする価値提供の姿です。

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「組織オール」の提案で、課題の核心に迫るシステムを創る

田中が所属するロケーションインテリジェンス統括部では、NTTデータ内製の地図情報サービスBizXaaS MaP」をオファリングの軸としたお客様への価値貢献を行います。この組織で田中は、サービスの開発やお客様先のシステムへの実装を担う技術部門を率いる存在です。一方で、技術チームに期待されている役割はそれだけに留まらないと話します。

私たちの統括部では、「営業は顧客折衝、開発はものづくりに専念」といった強い縦割り意識がありません。ですからSEが営業に同行して商談に参加することは日常ですし、私を含め営業同行なしでお客様先に赴くメンバーもいます。もちろん私たちは開発業務が優先ですし、メンバーの性格や志向性もさまざまですので強制することはありませんが、積極的に提案の場に参加してくれる技術者は多いですね。

SI事業におけるソリューション提案は、まずは営業担当がフロントに立って課題や叶えたい要件へのヒアリングを重ね、ある程度の具体性が見えた段階で開発メンバーも参画する形が通例かもしれません。しかし田中は、お客様が抱えている課題をより高い次元でクリアするためには、そうした動きでは遅いと考えています。

仮に仕様が完全に固まった状態で開発サイドに話が下りてきたら、システムを開発するためにかかる原価を出すことしかできません。ですから私たちは「お客様が目の前の課題に対してどのようなシステムを導入すべきかまだはっきりと描けていない」段階から提案に参加していきたいのです。

技術者が早い段階から営業担当と一緒にお客様の課題を伺うと、お客様と営業のマンツーマンでは生まれにくい視点ができます。同時に、お客様がシステムに期待する要望を開発視点で掘り下げていくと、大まかな予算感が見えてきます。これらを踏まえてディスカッションを重ねていくことが、コスト・質ともに納得感の高い提案に直結します。

お客様はその業界における業務のプロですが、私たちはシステムのプロです。時にはお客様が欲する仕様を鵜呑みにせず、その奥にある課題を正確に理解したうえで最良のシステムの形を探り、示すことが大切と私は考えます。そして何より、こうした技術部門の行動が歓迎される風土がこの統括部の良さです。

お客様のためにやり切った努力は、自分たちに返ってくる

メンバーが自分の職種や役割に縛られ過ぎず、おのおのが目の前のお客様のために何ができるかを進んで考えることで、BizXaaS MaPの顧客価値を高めていく。田中がこのような組織のあり方を理想に掲げる背景には、過去に自ら“枠”を飛び越えてお客様のために奔走した経験がありました。

課長職の頃にさかのぼりますが、ある信託銀行様の案件に開発担当として参画したことがありました。営業から話を聞くとお客様はすでにBizXaaS MaPの地図機能をご利用いただいていたものの、「やりたいことができないので、他社に乗り換えたい」と仰っている状況。まさに失注寸前でした。

さらに状況やお客様の意向を掘り下げていくと、「乗り換え先の他社サービスでそれを叶えられるか、お客様自身もまだ確証を持てていないこと」「自分たちならば、必ずそれを提供できること」がわかったという田中。開発視点から要望が実現可能であることを丁寧に説明し、システム刷新の提案の場をいただくことができました。

提案にあたって、2つのことを特に心がけて行動しました。
1つは、システムを使うユーザーを第一に考えること。お客様先の企画職・営業職といった地図システムを利用する現場の皆様にもヒアリングを重ねました。たとえ機能が豊富でも、それを毎日使う人々にとってのユーザビリティが悪ければ、満足はいただけないと考えたからです。

そしてもう1つは、お客様の組織レベルで生じる懸念事項のすべてに向き合うことです。具体的には、システムを導入するためのインフラ基盤の整理や先方が定めるセキュリティ基準との照らし合わせなどを徹底し、時にはお客様の持ち株会社との調整に自分で出向いたこともありました。

こうした行動を田中は約1年がかりで進め、結果的に当初想定の倍以上にのぼる予算規模で受注を獲得。その後も担当技術者として提案した通りの要件を正確に実装し、カットオーバーまで伴走しました。自身もこの時の経験を「会心の仕事」と語ります。

競合の提案と比べて決して安いシステムではありませんでしたが、それでもお客様に選んでいただけたのは、先方の事情も汲み取りながら、実現可能な最良のシステムを追求する姿勢を見せられたからではないかと考えます。システムのプロとして能動的な行動を続けていれば、NTTデータのファンになっていただけるお客様が増えます。「お客様のため」にやり切れば、最後にはその努力が「自分たちのため」となって返ってくるのです。

「作らされている」と思った時点で負け。すべての仕事を能動的に

“能動的に”。田中の話には、しばしばこの言葉が登場します。

BizXaaS MaPは前述の通り、NTTデータが独自に開発し、発展させてきた地図情報サービスです。そのソリューションを軸に展開する提案や開発は、お客様のシステムが主語となる従来のSI事業の仕事と比較すると制約が少なく、示せる自由度や裁量が大きい傾向にあります。ただしそれゆえ、組織内の一人ひとりが自分の意志なく与えられた仕事を反復しているだけでは、ソリューションの成長・拡大にはつながらないと田中は考えています。

「システムを作らされていると思った時点で負け。
開発を担う技術者として、こだわったものを世に出そう。」

私はメンバーの皆に、よくこう話しています。自ら工夫の余地を見つけながらより優れたアウトプットを目指すことは、受け身で臨む同じ仕事よりも失敗のリスクや試行錯誤を伴う辛い道のりです。それでも、能動的に向き合って技術者の想いのこもったシステムがお客様や世の中に受け入れられれば、それは代えがたい達成感や経験値になると思うのです。

田中は入社以来およそ15年間、BizXaaS MaPの開発に携わり続けてきましたが、過去と同じ対応で良かった仕事は一度としてなかったと振り返ります。BizXaaS MaPをお客様に提供するとひと口に言っても、お客様先へのシステムへの組み込み方、求められている機能の組み合わせなど、要望は個社ごとに異なります。

担当するプロジェクトの1件1件に対して真摯に向き合い、お客様の満足や信頼を得るためにまだ挑戦したことのない仕事に取り組める環境こそ、田中はNTTデータでキャリアを積む醍醐味と話します。

営業、企画、ソフトウェア開発はもちろん、データサイエンスやクラウド基盤技術など、デジタルビジネスソリューション事業部には多数のポジションがあります。ただしこれらのポストは、本人の意志なくして会社側から与えられるものではありません。少し厳しいようですが、自分が組織の中で何を成し遂げたいのか、そのポストでどんな成長をしたいのかというビジョンがなければ、どの職種でも顕著な成果をあげることは難しいでしょう。

一方で裏を返せば、自分の進みたいキャリアに対する確固たる意志と研鑽を惜しまない情熱を持った方ならば、「無限」と言っても過言ではない可能性が広がっている。私はそう感じています。

ロケーションインテリジェンス統括部の経験者採用において、経験不足はさほど問題ではないと語る田中。地図システムを通じてお客様の課題解決に工夫を凝らす興味関心、そして自らが望むキャリアに対する能動的な姿勢こそが、BizXaaS MaPのさらなる発展を支える力になると信じています。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです