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先端技術を駆使した独自の地図ソリューションは、お客様のビジネスを通じて社会基盤を支えてゆく

NTTデータが中期経営計画(2022~25)で掲げる戦略のひとつに「アセットベースのビジネスモデルへの進化」があります。このビジョンを実現するソリューションのひとつとして、2003年に開発した地図情報クラウドサービス「BizXaaS MaP」に期待が集まっています。当初「常時最新版に更新される地図ソフト」として脚光を浴びた同サービスは、Salesforceとの連携やリアルタイムでの人流分析といった新機能がリリースされるなど、現在も磨き込みが続いています。今回はそんなBizXaaS MaPの営業責任者で、製品のサービス企画も担う高木 弘和が「地図×テクノロジー」の可能性を語ります。

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多彩な機能で、あらゆる業界に価値を見出す地図情報システム

デジタルビジネスソリューション事業部では、NTTデータが独自に開発したソリューションを軸として、特定の業界をスコープに定めない提案活動・価値創出を図っています。現在事業部が重点を置いているのは、高次元のセキュリティを確保しながら顧客にデジタルワークスペースを提供する「BizXaaS Office」と、最新の住宅地図を軸にしたさまざまな関連情報をクラウドベースで配信する「BizXaaS MaPの2つ。高木が所属するロケーションインテリジェンス統括部では、後者の販促や商品開発をミッションとしています。

初期(2003年リリース)のBizXaaS MaPは、紙ベースが主流だったゼンリン住宅地図のサービスをソフトウェア上で配信することが大きな売り。クラウドの特性を生かし、常に最新版へのアップデートも可能という点でも画期的でした。しかしその後、スマートフォンの普及やコンシューマ向け地図アプリの浸透などを背景に独自性は次第に低下。高木らはクラウド上での地図配信機能に付随する新しいサービスの企画・開発に取り組んできました。

ここ数年間で、私たちは地図をベースにしたさまざまなコンテンツをリリースしてきました。例えば、営業支援ツールであるSalesforceとの連携によってお客様の営業情報と地図とをシームレスにつなげるサービスや、ゼンリン住宅地図の地番情報をもとに地図上で簡単に登記を取得できるサービスなどです。直近では、スマートフォンのGPSや携帯電話の基地局情報などを駆使したリアルタイムレベルの人流データの提供も始まりました。

ロケーションインテリジェンス統括部が取引するお客様の業界は不動産、金融、公共、小売、交通など多岐にわたります。お客様が展開するビジネスはそれぞれ異なるゆえ、地図情報に求める機能や用途もばらばらです。日々の商談の中でいただくお客様の声や市場のニーズを察知しながら、テクノロジーでどのような解決ができるのかを模索します。

これからのBizXaaS MaPは単純な地図情報だけでなく、位置情報分析や人流解析をはじめあらゆるロケーションデータに関連する付加価値をつけていくことが求められます。そうした機能のラインアップを増やしていくことで、既存のお客様とは別領域のお客様にもアプローチすることができます。向き合う業界に応じて打ち出す特色を変えながら、あらゆるインダストリのお客様に価値を感じていただける商品づくりを目指しているところです。

「先入観」を乗り越え、お客様の真の目的にコミットする

NTTデータに新卒入社した当初、官公庁や自治体のシステム開発を管轄する部門にSEとして配属された高木。技術者として約6年経験を積んだ後、社内の公募制度を使って地図情報ビジネスの世界に挑戦することを決意しました。

若手だったということもあったように思いますが、当時の開発のポジションは私にとってエンドユーザー(お客様)との距離が少し遠い感覚を持っていました。お客様と直接折衝することで価値提供ができる役割に挑戦したかったこと、加えて地図×技術のフィールドに大きな可能性を感じていたことが公募制度に応募した決め手でした。

高木が営業としてジョインしたビジネスイノベーション本部(デジタルビジネスソリューション事業部の前身)の中のBizXaaS MaPチームは立ち上げから数年とまだ新しく、営業・開発を合わせて10名以下という小さな組織でした。高木は製品知識と幅広い業界のビジネスを勉強しながら、さまざまなお客様と接点を持ちBizXaaS MaPの提案を行いました。しかし、最初の頃はなかなか受注までつながらないことも多かったと振り返ります。

BizXaaS MaPのソリューション営業を始めてしばらくは、「自社製品の魅力を余すことなく伝えること」が営業の役割だと思っていました。しかしある時、そうした一方通行のコミュニケーションでは、お客様にパートナーとして背中を預けていただけないと気が付きました。

転機となったのは、ある大手金融機関様へのBizXaaS MaP導入提案でした。先方の予算規模が大きく、この案件は絶対に受注したいとの思いが強かった高木は、これまで無意識に避けてしまっていたという初めての行動に出ます。

その案件では、お客様と事前に提案内容をすり合わせ「競合他社と比べてどうなのか」を伺いました。それまでは、相見積もりを取るお客様に対して競合のことを聞いてはいけないのではという先入観がありました。お客様との事前の関係性も少なからず影響しますが、競合のことを伺うと私たちの提案の良い点や至らない部分について、私が考えていたよりもお話しくださるものだとわかりました。

提案予定の内容に対して事前のフィードバックをいただくことができれば、それをもう一度持ち帰り、ブラッシュアップを加えられます。競合他社の状況も話題に交えながらお客様の考えについてのヒアリングを深めることで、自社の提案内容をお客様にとってより魅力的なものとすることができる、と高木は語ります。

当然ながら、お客様の目的は見積もりを取る各社の優劣をつけることではなく、眼前の課題を根本から解決してくれる良きパートナーを見定めることです。相手の表面化しにくい部分の想いまで理解しながら、目的の達成に向けてインタラクティブな対話を重ねていくことが信頼を築くうえで重要だと捉えています。

地図の特性を生かして、未来の社会基盤を支えるソリューションに

BizXaaS MaPをソリューションの軸としてビジネスを進めるロケーションインテリジェンス統括部での仕事について、高木は2つの視点からその醍醐味を語ります。

1つは、BizXaaS MaPはNTTデータが独自に開発した商品である点です。サードパーティ製のアプリケーションやサービスの導入支援と比べ、ソリューションの全体像を完全に把握したうえで提案できるため、非常に自由度の高いカスタマイズも可能です。営業の立場としても介在価値を感じやすいと言います。

そしてもう1つは、「地図」というコンテンツについての視点です。地図情報・位置情報はキャッチーで、IT業界外のお客様に興味を持っていただきやすい傾向がありますが、同時にそれは一般消費者に対しても同じことが言えます。地図とNTTデータの持つ先端技術を掛け合わせることで、人々の生活の利便性向上にもつなげられるポテンシャルを秘めています。

IoTの考え方が広まり、私たちが生活する中で使う電子機器や自動車なども、インターネットに接続されていることが当たり前になってきました。そこから得られる膨大なデータは、私たちにとっていわば「宝の山」です。

成長著しいAI技術を駆使してそれらを分析し、地図と組み合わせることで、既存サービスをさらに洗練させることはもちろん、まだ世に出ていない新しいソリューションを生み出すこともできるでしょう。IoTによってリアルタイムな人流データなどの「人の動き」は「モノの動き」にも応用できるはずですし、リアルタイムの精度をさらに高めることで、少し先の未来を予測することもできると考えています。

「BizXaaS MaP人流分析」はすでに小売業やサービス業を中心に、店舗の出店計画やマーケティング施策などに活用されています。加えてさまざまなモノの所在データを収集・分析することができれば、配送の見える化・効率化などを通じ、物流の課題にも寄与できるのではないかとの検討も進められています。

地図ソリューションによってお客様が抱える課題を解決することで、社会経済活動の最適化に貢献しうる技術を世の中に提供していく。それが高木の描くロケーションインテリジェンス統括部の理想像です。

歓迎したいのは、まず地図というコンテンツに対して純粋に興味を持っていただける方。そして地図を起点に展開されるビジネスに可能性を感じてくださる方に、ぜひジョインいただきたいですね。この組織では年次や部署の在籍年数に関係なく、BizXaaS MaPの商品企画・開発の場にも積極的に携わります。世間やテクノロジーの最新トレンドを常に収集し続けながら、これからのBizXaaS MaPには何ができるか、一緒に考えていきましょう。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです