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業界横断の視点で本質を取り出し、ソリューションとして「汎化」させる。 独自の経験が積める場所

デジタルやクラウドの活用は当たり前になりましたが、マルチベンダーやマルチクラウドのビジネスが主流になるにつれ、ITインフラはかつてないほどに高度化・複雑化しています。お客様の抱えるニーズや課題も多様化している中、それぞれのお客様にとってベストなソリューションを提案・提供しているのがデータセンタ&クラウドサービス事業部です。組織としてのミッションやビジョン、ソリューション営業としての醍醐味や成長機会について、セールス&コンサルティング統括部 部長の鈴木建治に話を聞きました。

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業界を限定せず、最適なITインフラを提供し続ける。

デジタルトランスフォーメーション(DX)やクラウド活用の動きはますます活発化しています。そしてソリューションも年々多様化し、ビジネスを支えるITインフラは複雑化・高度化の一途をたどっています。

鈴木が部長を務めるデータセンタ&クラウドサービス事業部 セールス&コンサルティング統括部は、デジタルトランスフォーメーションやクラウド活用を検討するお客様に対し、これまで培ってきたデータセンタやクラウドテクノロジーを中心としたITインフラの構築・運用技術を活用し、さまざまなお客様にとってベストなソリューションの創造を目指す組織です。

以前、データセンタとクラウドサービスの部門は独立して存在していたのですが、どちらか一方だけではお客様のニーズに対応しきれないことから、2013年に統合して現在の形になりました。お客様の多様なニーズに対して、ソリューションを限定せず、最適なITインフラをベストミックスで提供していこうという思想の組織です。

データセンタ&クラウドサービス事業部の大きな特徴のひとつは、各事業部を横断する形で活動を行っていること。つまり、公共・社会基盤分野、金融分野、法人分野といった、すべての業界のお客様が向き合うべき対象になるのです。

そして業界・業種が異なれば、当然のことながら、直面している課題やニーズも異なります。公共・社会基盤分野で言えば、デジタル庁の発足以降、国単位でのDXやクラウド化が加速傾向にあります。それまでのレガシーで分断されたシステムを有機的につないでいくという並み外れた巨大なゴールに向けて、長期的なロードマップを描いてITインフラを移植していくことが求められています。

金融分野では、勘定系システムというコア領域を引き続き安定稼働させていくことが求められる一方で、顧客接点へのIT投資が盛んになっています。特にデジタル中心の新たな顧客接点創出において、データセンタ&クラウドサービス事業部は多くの引き合いをいただいているところです。

そして法人分野のキーワードのひとつはデータ活用。法人分野では、データを収集・分析して、そこから導き出されるサジェスチョンをビジネスに活用したいというニーズが多く、NTTデータは数多くの支援を行っています。

このように、大きく3つの分野に分けただけでも、データセンタやクラウド活用に関する課題・ニーズの多種多様ぶりが明確に浮き上がってきます。現在のITインフラを取り巻く状況について、鈴木は次のように語ります。

技術やソリューションの多様化にともなってITインフラはますます複雑化しており、お客様の情報システム部門や情報子会社も情報のキャッチアップやガバナンスに苦労している状況です。DXの推進とともにITが複雑さを増す一方で、ビジネスの競争力を加速するはずのITが足枷になるケースも散見されています。

そのような中、データセンタ&クラウドサービス事業部が実現に向けて注力しているのが、「アドバンスト・マネージド・サービス」と呼んでいるサービスの拡充です。

アドバンスト・マネージド・サービスとは、多様かつマルチベンダーのITインフラ環境を一元的に管理するマネージドサービスをさらに進化・高度化させた次世代のサービス。レガシーなシステムまでを含めてシームレスにつなぎ、監視・運用を自動化し、予測検知までを行おうとするものです。

鈴木たちが目指している究極の目標は、お客様がプラットフォームのことを意識しなくて済むまで洗練されたサービスを提供していくこと。まさしくITインフラの変革に対し、鈴木たちは取り組んでいるのです。

ダイナミックな変革期に、伝統の上に新しい価値を積み上げる。

現行システムの老朽化、ベンダーロックインからの脱却、アジリティの高いITインフラの追求など、お客様の抱える課題はさまざまです。そうしたお客様に対して、NTTデータはITのプロフェッショナルとしてお客様のITのグランドデザインを描き、ロードマップを示して伴走するプロフェッショナルサービスの提供を目指しています。

プロフェッショナルとしてのサービスを提供していく点において、オンプレミスからプライベートクラウドやパブリッククラウドまで、さまざまなITインフラにおける構築や運用に関するノウハウを持っていることはNTTデータの大きな強みです。特に公共や金融業界といった厳しいセキュリティ要件や高可用性が求められるシステムにおいても安定してサービス提供を継続してきた実績は、唯一無二のものであると言えるでしょう。

NTTデータには社会インフラと呼べるようなシステムをしっかりと何十年も支えてきた実績があり、豊富な知見を持った人財も揃っています。こうした強みを生かしながらも、私たちはいま、伝統の上に新しい技術を被せていこうとしています。

伝統をアップデートしていくという鈴木の発言を裏付けるように、きわめて高い堅牢性が求められてきた公共・社会基盤分野や金融分野のシステムにおいても、先述のように大きな変化のタイミングが訪れています。社会全体が確実にDXやクラウド化の方向に進んでいるのです。

業界ごとに時間差はあるとはいえ、この先、10年以内には大きなシフトは完了するはずです。そう考えると、いまはとてもダイナミックな時期ですよね。

そして、業界を超えて同時多発的に起こるダイナミックな変化を、俯瞰して見ることができるのは、データセンタ&クラウドサービス事業部ならではの経験なのだと鈴木は語ります。

業界を横断して活動する私たちの事業部では、良い意味で「一歩引いた位置」から動向を俯瞰することができます。俯瞰的な立場にいるからこそ見えてくるものがありますし、結果として、企業や業界を超えた本質的な価値を発見することもあります。

「T型人材」という言葉があるように、ひとつのプロジェクトを実行する際に深くコミットし、何かしら光るものを見つければ、他の業界・業種にも「汎化(※1)」させて活用できないかと考える。それがデータセンタ&クラウドサービス事業部のソリューション営業のスタイルなのだそうです。

深く潜ったり、浮かんだり、あるいは他の業界を眺めたりーー。縦にも横にも、自由自在に行き来できるのがソリューション営業の面白みだと鈴木は語ります。

ソリューション営業では、求められたことをただやるだけではなく、本質を見つけて「汎化」させることが重視されます。物事を見る抽象度を自在に調節することを意識しないと、ソリューションに仕立てていくことはできません。何と言っても、新しい価値を創造できる立場にいるというのは一番のやりがいだと言えますね。

※1…「特化」の対義語で、広い範囲に共通する性質を見出し、適用できるようにすること。

本質に向き合い、一生の財産になる経験を積んでほしい。

「ITのプロフェッショナルとしてお客様にプロフェッショナルサービスを提供する」と語ったものの、それが決して容易いことではないと鈴木は理解しています。

事業そのものに関しては、当然ながらお客様の方が経験豊富なプロであり、NTTデータがすべての業界・業種に精通することは難しく、お客様と完全に同じ目線に立ち、ITに求める真のニーズを理解することは困難です。

ですが、ニーズに対するシーズ(※2)=技術という点に着目すれば、NTTデータには先進的な技術に関する知見があります。ニーズとシーズが高次元でマッチした時の巨大な価値の創出――「新しい技術が社会にもたらすポジティブなインパクトを知っている」ということは、NTTデータの大きな強みなのだと鈴木は語ります。

※2…マーケティングにおいて商品やサービスのもとになる「種」、特別な素材や材料を指す言葉。

そして、ニーズとシーズをマッチングさせて価値を生み出す経験が積めることは、データセンタ&クラウドサービス事業部で働く大きな魅力とも言えます。

ニーズとシーズを高い次元でマッチングさせることができる人財は、とても希少な存在です。データセンタ&クラウドサービス事業部のように、さまざまな業界のお客様を担当することができ、かつ多様な技術にも触れられるーー。そのようなチャンスのある会社は決して多くありません。

また、キャリア面でのデータセンタ&クラウドサービス事業部の特徴として、「いろいろな業界を経験して、“汎化”の能力を高めてほしい」という想いから、鈴木は2〜3年スパンでの担当分野の変更を推奨しているそうです。

そのようなデータセンタ&クラウドサービス事業部のソリューション営業では、どのようなスキルや経験が求められるか、鈴木に聞いてみるとーー。

ソリューションを仕立てていくプロセスと同様、人財採用においても本質を考えられる姿勢を重視しています。AWSやMicrosoft Azureの本当の価値とは何だろうか、と改めて考えるような視点ですね。データセンタやクラウドの知識は入社後に学ぶこともできるので、採用ではもっと根本的な姿勢やマインドの方を大切にしたいと考えています。

このように鈴木が考える背景には、ソリューション営業としての立ち位置もさることながら、技術というものに対する次のような考え方があるそうです。

私たちの業界は、良くも悪くも変化が激しい特性を持っています。今日の最先端とされているような技術も、あっと言う間に陳腐化していくため、いくつになっても技術のトレンドに敏感であり、学び続けることを習慣化する必要があります。もちろん、学びを支援するための環境は整っていますが、人財育成を突き詰めれば、どこまで自ら貪欲に吸収し続けられるかにかかっていると思います。

技術は日進月歩で移り変わっていくものだからこそ、その中から本質を見出そうとする姿勢は、普遍的な価値を持つのかもしれません。事実、鈴木は組織運営において、次のような考えを持っているのだと言います。

自分たちの提供している価値が、社会の役に立っていることを心の底から実感できるような組織にしたいですね。そして、ここで学んだこと、経験したことは一生の財産になったと思ってもらえるようなチームにしていきたいと思います。

社会インフラと呼べる分野のDXやクラウド化に携わるということは、社会すらも変えていける可能性があるということです。世の中を変えるダイナミックな仕事に挑戦できる舞台があり、さらには特定の業界やソリューションに依ることなく自由自在なキャリアを歩めるというのは、とても貴重なチャンスだと言えそうです。

「汎化」というキーワードが印象的だった鈴木のインタビュー。業界を横断しながら、その中から本質的な価値を見つけ出し、ソリューションとして磨き上げることができるのは、データセンタ&クラウドサービス事業部ならではの醍醐味です。鈴木自身も語ったように、きっと一生の財産になる経験が積めることでしょう。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです