一人ひとりの高い主体性が活きる組織で、セキュリティのスキルを磨く
——お2人ともセキュリティインフラを担当されていると聞きました。まずは、現在の仕事内容を教えてください
多幡
2021年から、社内のOA端末(セキュアFAT)のネットワークインフラを担当しています。「高セキュリティ」と「ユーザーの利便性」の双方を向上させることを目指し、社員が日々の業務を安全かつ快適に行える環境を作ることが役割です。「開発者であり、ユーザーでもある」という社内SEの立場を活かし、社外のお客様への提案にもつなげられるような新しい事例を作り、ビジネス部門の後押しをする役割も担っています。
高橋
私は、NTTデータおよびNTTデータ国内グループ会社向けに、社内のOA端末(セキュアFAT)をサイバー攻撃から守るためのセキュリティ設定や、端末の利便性を向上させる仕組みを提供しています。多幡さんと同様、安全・快適に業務を行える環境づくりがミッションです。
——セキュリティ領域の業務にチャレンジするにあたり、知識や業務経験はあったのでしょうか
多幡
私は新卒入社なので、実務はNTTデータが初めてです。学生時代は情報工学を専攻していてネットワークに関する知識はありましたが、セキュリティシステムに関する知識は自信が持てていなかった状態……というのが正直なところです。入社後、業務やベンダー主催の研修に参加するなどして、必要な知識をイチから身につけていきました。高橋さんは前職でセキュリティ関連の経験がありましたよね?
高橋
はい。前職のSIerでは、社内PCのOSバージョンアップ時の検証や、お客様へのWindows Autopilot導入支援などに従事していました。その中でMDM製品を扱ったことをきっかけに、ゼロトラスト環境に興味を持ち、もっとセキュリティに関するスキルを磨きたいと思い転職を考えるようになったんです。技術の幅が広げられる環境を重視し、最終的にはトップレベルのセキュリティ環境であるNTTデータに決めましたが、成長できる環境は期待通り。入社から1年たった今、セキュリティ知識はもとより、プロジェクトの推進力という観点でも成長を実感しています。
——ITMという組織の風土について伺います。特徴を感じる点はどこでしょうか
高橋
経験者採用の面接の際にも、チームで進める仕事が多く、協調性が高い社員が多いと聞いていましたが、本当にその通りだと感じています。どんなプロジェクトでも、社員一人ひとりの当事者意識が高いんです。セキュリティ関連のプロジェクトは、開発部門以外にもセキュリティルールを定める部門など関わる部署が多いのですが、全員が「ものごとを前に進めるために」という視点で主体的に考え、発言しています。それだけでなく、他の社員の意見にもしっかりと耳を傾け、よりよい方法を選んでいくので、プロジェクトがどんどん前に進むんです。こうした一人ひとりの主体性の高さが、NTTデータ全体のチームワークの強さを作っているのだと実感しています。
多幡
そうですね。高橋さんとはチームが異なりますが、端末を管理する製品という点では共通する部分もあり、毎日のように質問したり、進捗状況を確認したりしています。
私たちのような若手の意見もしっかり聞いてくれるので、主体性を発揮しやすいと思います。困ったときは助け合う文化があって、わからないことや間違っているところは丁寧に教えてくれる人が多いことも、チームワークの強さにつながっているのではないでしょうか。
高橋
本当に、課題に対して皆さん親身になって一緒に考えてくれますよね。しかも、解決策が出てくるのが早い! 「話が早くて助かるな」と感じることも多くて(笑)、前職とは特に違いを感じた点かもしれません。
多幡
たしかに。NTTデータにはさまざまなバックボーンやスキルを持った人が集まっていて、それぞれが経験や知識を惜しみなく共有しているからではないでしょうか。他の部署を経験した人も、ITMから別の部署に異動した人も垣根なく情報共有をしていて、相談先が多数あることが大きいと思いますよ。
妥協を許さない高いセキュリティ開発で最先端の技術を追求し、社会にもつながっていく
——NTTデータのセキュリティレベルは「世界トップレベル」と言われています。業務の中でそれを実感することはありますか
多幡
セキュリティに対して妥協しない組織で、日々レベルの高さを実感します。たとえば、よりスピードを重視してシステムを開発したり、ブラウジングできる範囲を広げて情報収集を容易にしたりするには、セキュリティとのトレードオフの面も出てきますよね。でも、私たちは「妥協せずに最適解を見つける」というやり方をとります。セキュリティインフラは、世の中の変化に合わせて常に進化を求められるもの。最先端の開発を行うNTTデータだからこそ、新しい技術をよりセキュアに扱える技術を追求しなければならないと思っています。
高橋
実は、入社前から「NTTデータのセキュリティレベルは世界的に見ても高い」ということはよく聞いていました。だからこそ、そんな環境で挑戦してみたいと、純粋にワクワクしたものです。多幡さんが言うように高いレベルのセキュリティを実現するために、社員の声をしっかり取り入れて開発に活かせる環境もあります。それに、私はまだ経験がないのですが、社内のセキュリティ関連の事例をお客様向けに説明に行くこともあると聞きました。多幡さんは、経験がありますか?
多幡
はい。以前モバイルアプリケーションの開発を担当した際に、他事業部の社員からの協力依頼を受け、安全にモバイル端末を使用するためのセキュリティ対策の事例をご説明したことがあります。社内SEの立場でありながらお客様のセキュリティ環境にも貢献できるのは、NTTデータならではの面白さの一つだと感じました。
それに、実は私たちが社内向けに開発した製品がパッケージ化されて、社外のお客様に届くこともあるんです。社内ユーザーは「0番目のお客様」、すなわち「クライアントゼロ」の考え方に基づいてサービスの質を高めていくことが、やがて社会への価値提供につながっていくと考えると、やりがいもひとしおですよね。
高橋
本当にそうですよね。セキュリティにおいては、NTTデータにとっての“標準”がお客様にとっては“高水準”と評価いただけることも多いと聞きます。自分の仕事が社内に留まらない規模に広がっていく環境は刺激的です。
——一方、それだけレベルの高いセキュリティ環境を開発・維持するには、大変な側面もあるのでは?
多幡
セキュリティ製品を導入・変更するにあたり、ユーザーへの負担をいかに減らすかは今も苦労している点です。製品を導入したとたんにユーザーへの影響が出るので、「使いにくくなった」 「煩雑でわかりにくい」などの意見をもらうこともあります。ですので、事前の多角的なシミュレーションが必須ですね。
たとえば、社内のVDI環境にセキュリティ製品を導入したときのことです。対象となるデバイスが数万台にのぼることもあり、ユーザーからのアプリケーション利用申請も年間で数千単位になることが想定されました。対象デバイスを分けての段階的な導入や、運用の一部を自動化して対応スピードを上げるなど、できる限り利便性を損なわない方法を検討しました。セキュリティと利便性のバランスを考えるのは終わりがないことですが、だからこそ「使いやすくなった」という声を聞けるとうれしいです。
高橋
想像以上のスピード感で大規模なプロジェクトが進んでいきます。社員が使用するPCやスマートフォンなどの端末は業務の土台となるものですから、なるべく業務を止めることがないように、なおかつ、安全に開発を進める必要があります。
国内外のNTTデータグループを合わせると、約20万人もの社員が在籍していますが、この規模の開発をこんなに短期間で行うんだと、入社直後は驚いたものです。しかも、その期間内で「想定外の事象」への対処も行う。先にお話しした通り、チームワークや推進力の高さがそれを可能にしているのだと思います。私も経験を積んで、プロジェクトにより大きな貢献ができるようになりたいです。
大きな裁量と豊富な学びの機会を得て、さらに世界をリードする存在へ
——若手にとって、チャレンジングで成長できる環境だということが伝わってきました。 他に、NTTデータで働く魅力はどんな点がありますか
多幡
2つ挙げられます。1つは、先ほども少し触れたように、年次や社歴に関係なく主体性を発揮しやすいことです。大きな会社なのに、若手にもこんなに発言権があるというのは、入社前に聞いていた以上でした。指示された仕事だけをこなすのではなく、社内のセキュリティ環境をよりよいものにするための企画提案もできます。私のスキルが満たない点があれば一緒に仕事をする方々が丁寧に教えてくれるので、失敗する不安も感じることなく、手を挙げて挑戦できるんです。
高橋
私も、与えられる裁量の大きさに魅力を感じています。私は、前職でチームリーダーという立場ではあったものの、メンバーの成果物へのレビューや進行管理など、開発プロセスをマネジメントする経験はほとんどありませんでした。NTTデータで同世代の社員を見ると、レビューやスケジュールコントロールも当然のように行っています。私は初めて経験することだったので苦労もしましたが、より自主的な判断が求められる役割を担うことでビジネススキルの向上も実感しています。
多幡
「若手でもやっていいのかな?」という心配が必要ない文化ですよね(笑)。
2つ目は、プロジェクトの規模が大きく、なおかつ進行速度が速いので、身につくスキルや知識が多いことです。生成AIのような新しい技術への対応も迅速に行う必要があるので、常に最適なセキュリティ環境であるための機能開発が驚くべきスピード感で進められます。プロジェクトを一つ完遂するごとに、新しい技術や、プロジェクト管理・推進のコツなど、幅広い知識・スキルがどんどん身についていると実感します。
高橋
社内外で受けられる研修の機会も豊富ですよね。私はまだ受けることができていない研修もあるのですが、多幡さんは以前、大学院の講義にも参加されていたんですよね?
多幡
はい。1年間、機械学習や開発方式、デザイン思考(要求工学)について学んだことがありました。自分に足りない知識や強化したい部分があれば、社内外で提供されている研修などを受けるという文化が浸透しています。業務に直結する分野でなくても、学びたいことがあれば後押ししてくれる風土は魅力の一つですね。
——最後に、お2人の今後の目標を教えてください
高橋
より多くのソリューションを扱う知識・技術と、プロジェクト推進力を磨いて、チームをけん引する存在になりたいです。私が社会人になった2020年は、丁度コロナ禍で多くの企業がリモートワークに移行した時期。NTTデータでも、全社員が安全なリモートワーク環境下で働くことができるよう、リモートアクセスインフラを突貫で増強するために奮闘したと聞いています。そういったセキュリティのあり方や方針が変わるような大きな転換期の経験は、社内SEとしても成長の機会になると思うので、チャンスがあったら挑戦してみたいです。
多幡
国内外にグループ会社をもつNTTデータですので、私たちが中心となってグループ全体のセキュリティインフラをリードしていきたいです。若手の内にグローバルの案件を担当したことで、グループ各社でセキュリティに対する考え方や対応が異なることを知りました。幅広い業界のお客様と関わるため、社内でもセキュリティに求める要件はさまざまです。日本にはそれらの要件にきめ細やかに対応する運用のノウハウがあり、海外グループ会社は新しいソリューションの選定を得意としているなど、グループ各社それぞれに強みがあります。密に連携することで、よりよいセキュリティ環境を作り上げていきたいです。


