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国内最大級の金融機関の多彩なシステムを開発。4人の技術者が語るバラエティに富んだポジションの魅力

国内最大級の金融機関であるゆうちょ銀行様と40年以上にわたるパートナーシップを築いてきたNTTデータ。現在も銀行としての基幹業務を支える勘定系システムのほか、事務センターシステム、内国為替システム、AMLシステムなど、ゆうちょ銀行様のビジネスや業務に欠かせない多種多様なシステムの設計・開発・運用・保守・更改をトータルで担っています。今回は郵政・政策金融事業部でゆうちょ銀行様のシステム開発に携わる4名のメンバーが集まり、各自が担当するプロジェクトの特徴や仕事のやりがいなどについて語ってもらいました。

目次

Profileこの記事に登場する人

基盤開発を中心に、要件定義・アーキテクチャ設計など幅広い業務を経験

――これまで経験してきた業務やプロジェクトについて教えてください。

林 幹太

入社当初から現在まで、一貫してゆうちょ銀行様の事務センターシステムの開発を担当しています。事務センターシステムとは、ゆうちょ銀行様のさまざまなサービスに関わる、申込情報などの集約・処理を行っているシステムであり、勘定系システムに次ぐ大規模システムです。

私はメインシステムの基盤SEとして、データベース管理やサーバのHW更改を担当したほか、サブシステムのクラウドリフト、DB製品のマイグレーションも経験するなど、事務センターシステムに関わる幅広い業務に携わってきました。また、直近ではメインシステムの大規模更改に伴うデータ移行担当として、確実なデータ移行を実施するための方式検討や開発を担当し、プロジェクトを無事完遂することができました。現在はプロジェクトの全体的な管理や、新規案件の要件定義/システムアーキテクチャ設計/HW・SWベンダとの調達調整などを担当しています。

――自己成長を実感した、プロジェクトのエピソードを教えてください。

林 幹太

入社4年目に経験したサブシステムの更改案件が印象に残っています。メインシステムに比べれば小さな規模でしたが、ゆうちょ銀行様では前例のないオンプレからクラウドへの移行案件であったことから、社内外から注目を集めていました。

私はデータベース担当リーダーとして参画したため、クラウド周りの開発を担当したわけではありませんが、データベースミドルウェアをOracleからPostgreSQLへ変更する業務を担当しました。当時、PostgreSQLの商用利用は私たちの部署内で初の試みであり、新しい知識・情報をキャッチアップしながら設計・開発を進めていく必要がありました。開発中は製品仕様の差異に難しさを感じることもありましたが、社内のPostgreSQL専門部隊とも連携しながら、最終的には大きなトラブルもなくサービスを開始できたこともあり、自分の成長や自信につながりました。

――これからチャレンジしてみたい仕事や技術テーマはありますか?

林 幹太

事務センター担当は、郵政・政策金融事業部の中でもいち早くクラウドリフトを成功させており、その他にもRPA導入、ローコード開発、構築作業の自動化(Ansible)に取り組むなど、新しい技術の導入/活用に積極的です。今後は現在注目されているAI活用なども含め、さまざまな新しい技術をビジネスに落とし込んでいくことで、お客様に価値を提供していきたいと考えています。

大規模勘定系システムに求められる、ハイレベルな非機能要求を実現

――これまでの担当業務やプロジェクトについて教えてください。

小野寺 隼人 小野寺

ゆうちょ銀行様の勘定系システムのサーバ基盤担当として、ゆうちょ銀行様が提供するモバイルアプリの一つである通帳アプリのバックエンド処理を担うサーバの新規構築プロジェクトや勘定系システムの更改プロジェクトに携わってきました。現在は、現行システムの保守維持をしながら、サブシステムの更改対応を担当しています。

――ゆうちょ銀行様の勘定系システムの基盤開発に携わる魅力・やりがいについて教えてください。

小野寺 隼人 小野寺

国内最大級の金融機関である、ゆうちょ銀行様の勘定系システムは国民の生活を支えるまさに社会インフラであり、求められる非機能要求は国内トップクラスだと思います。そのため、基盤レイヤから、安定したサービスを提供するための高い信頼性や可用性を実現するための設計が求められますが、その過程で幅広い基盤技術を学べることが仕事のやりがいにつながっています。

また、ゆうちょ銀行様の勘定系システムに求められるハイレベルな非機能要求の実現のためには、どうしても既存製品の標準機能だけでは対応しきれないケースもあり、その場合は製品製造元と密に連携しながら製品エンハンスを行うこともあります。こうした経験はこのシステムならではのものかなと思います。

ゆうちょ銀行様の勘定系システムは、銀行の根幹業務を担うメインフレームと数多くのシステムとの通信を支えるオープン基盤のハイブリットな構成で実現されており、レガシー及びモダナイズの両方の基盤知識に触れることができる機会が揃っている点も魅力です。

私が以前参画したサーバの新規構築プロジェクトは、オープン基盤でありながらメインフレームで動く勘定系システムと同等レベルの性能要求や故障発生時の可用性、サービスレベルの実現が求められるミッションクリティカルな案件でした。この経験を通して基盤技術者として一段レベルアップすることができたと感じています。

――勘定系システムの業務アプリケーション開発については、どのような魅力・やりがいがあると思いますか?

小野寺 隼人 小野寺

勘定系システムは銀行の心臓部であり、業務アプリケーション開発においても高い品質・信頼性の実現が求められますが、そのシステム開発についても日本トップクラスの品質だと思います。国民の生活を支える日本最大級の金融インフラがどのように作り上げられているのかを学ぶことができる点は、このプロジェクトの魅力だと思いますし、他では経験できないものではないかと思います。

――これからチャレンジしてみたい仕事や技術テーマはありますか?

小野寺 隼人 小野寺

これまではオンプレミスのプロジェクトが中心だったので、今後はクラウド技術なども学んでいくつもりです。また、中長期的には現在の基盤レイヤから少しずつ知識・スキルの幅を広げていくことで、システム全体のアーキテクチャ設計を担えるようなITアーキテクトを目指したいと考えています。

金融犯罪への抑止力を期待されるAMLシステムの開発を、上流から牽引

――これまでの担当業務やプロジェクトについて教えてください。

浜村 吏穂 浜村

入社2年目から、ゆうちょ銀行様のAML(アンチマネーロンダリング)システムの業務アプリケーション開発を担当しています。初期開発の試験推進からスタートし、昨年は追加開発となる業務アプリケーションの要件定義からリリース・保守までの一連の流れを経験しました。現在はサブシステムのリーダーとして、開発の管理やお客様、協力会社の各種ステークホルダーとの調整業務を任されています。

――AMLシステムの業務アプリケーション開発に携わる魅力・やりがいについて教えてください。

浜村 吏穂 浜村

ゆうちょ銀行様という、国内最大級の金融機関を支えるシステムに携わっていること自体に大きなやりがいを感じます。また、私たちが開発しているAMLシステムは、金融犯罪に対する抑止力を期待されていることもあり、「日本の金融の安全を守っている」という責任と誇りを感じながら仕事に取り組んでいます。業務上の魅力としては、1人に任せてもらえる業務の幅が広いことです。比較的新しいシステム・チームであるため、若手の頃からいろいろな業務に挑戦する機会を貰え、キャリアの幅出しができると感じています。

――自己成長を実感したプロジェクトのエピソードを教えてください。

浜村 吏穂 浜村

昨年経験したAMLシステムの追加開発では、仕様に関する知識がまったくない状態からスタートしました。また、AMLに関する難しい業務内容を理解していく必要もありましたが、お客様と対話を重ねる経験、資料を作る経験、開発の推進手法に関するスキルなどが身に付き、さまざまな面で成長することができました。最終的には複雑な仕様を実現することもでき、無事にシステムがサービス開始した瞬間は本当に嬉しかったです。

――AMLシステムの構築プロジェクトにおける基盤開発には、どのような魅力・やりがいがあると思いますか?

浜村 吏穂 浜村

基盤開発も、お客様の要件を正確にお聞きし、さまざまなステークホルダーとの調整を行うスキルが求められます。また、AMLシステムの基盤は、VMware仮想化基盤、RHEL、Windows ServerをOSとしているため、基盤ポータブルスキルの強化ができます。 加えてPostgreSQLなどのOSSを使用しているため、OSSに関するスキル習得も可能です。 PostgreSQLについては合計200TBの巨大データベースであり、性能課題にチャレンジできる環境があることも魅力の一つです。 基盤全体としても、国内でもトップのミッションクリティカルが求められるシステムの基盤であり、高信頼性/可用性を実現するためのノウハウや考え方を習得することができます。

――これからチャレンジしてみたい仕事や技術テーマはありますか?

浜村 吏穂 浜村

これまでは業務知識の習得に力を入れてきましたが、今後はシステムや技術に関する知見も高めていきたいです。また、生成AIを用いたプロダクト提案を行うチームにも所属しているため、AI関連の知識も学んでいきたいと考えています。

内国為替システムを支える、2つの基盤の開発・保守リーダーに

――これまでの担当業務やプロジェクトについて教えてください。

津田 圭 津田

ゆうちょ銀行様の内国為替システムに携わっています。内国為替システムは、勘定系システムの入り口的な役割を担うシステムであり、国内の個人や企業の間で銀行間を跨ぐ資金の取引情報を処理しています。

私は内国為替システムのメインフレーム基盤とサーバ基盤に関わる開発・保守のリーダーを担当しており、開発を担当するベンダのコントロールを行いながら、顧客調整や作業管理、障害対応などに携わっています。また、現在は来年以降のサーバ系HW・NW更改やメインフレーム上のOS、ソフトウェアのバージョンアップに向けた、移行検討やシステム間調整及び構築・試験などの推進を実施しています。

――内国為替システムの基盤技術者として働く魅力・やりがいについて教えてください。

津田 圭 津田

以前に参画していたプロジェクトでは勘定系システムの一部分だけを担当していましたが、内国為替システムは勘定系システムよりも規模が小さいため、メインフレーム基盤とサーバ基盤の双方を担当することになりました。現在はベンダコントロールをしながらお客様との折衝を行う立場となり、以前よりもお客様と直接お話をする機会が増えるなど、より広い視野でプロジェクトを動かしていく面白さを実感しています。また、しっかりした根拠さえあれば、自分の裁量で仕事を進められる環境が整っていることにも魅力を感じています。

――内国為替システムの事務処理ワークフローの設計・開発については、どのような魅力・やりがいがあると思いますか?

津田 圭 津田

ゆうちょ銀行様の職員の方々が、直接利用するシステムに関われることが一番の魅力です。当然、一定の機能制限や制約もありますが、お客様と直接話をし、実際にシステムを利用するユーザーの操作性などを追求しながら、開発を推進できます。また、メインフレームとユーザーが触れる端末の両方の仕組みを理解した上で開発を進めていくことになるので、内国為替システムの全体像を把握できるメリットもあると思います。

――これからチャレンジしてみたい仕事や技術テーマはありますか?

津田 圭 津田

メインフレームのオープン化やメインフレームでのAI活用に興味を持っています。メインフレームのようなレガシーシステムに生成AIなどの先端技術を組み込む方法を検討し、さまざまな業務の効率化につながる取り組みを進めていきたいです。

大規模金融システムのさまざまなプロジェクトで活躍できる人物像とは

――郵政・政策金融事業部で活躍できるエンジニアの人物像は?

林 幹太

成長意欲のある人が活躍していると思います。どれだけ製品や技術の知識があったとしても、業務に関する知識がなければシステムの設計はできません。自ら積極的に業務を学ぶ姿勢を持ち、わからないことについては、お客様や有識者とコミュニケーションを取りながら解決していけるタイプの人が合っていると思います。

浜村 吏穂 浜村

わかります。知識や技術にだけに偏ったり、調整力やコミュニケーション力だけに偏ったりすることなく、双方の能力をバランスよく発揮しているエンジニアがたくさん活躍していますよね。

津田 圭 津田

ゼネラリストはもちろんのこと、尖ったスキルを持つスペシャリストとしてのキャリアを歩いていけるのも魅力だと感じています。「この技術を活用する場合は、ここに気をつけよう」といったように、プロジェクトの円滑な進行をリードしていけるので、特定のスキルや先端技術に強みを持っているエンジニアは役職に関係なく現場で重宝されます。

小野寺 隼人 小野寺

私も同感で、「この人は、どこにいっても活躍できそうだ」と思える先輩がたくさんいます。こんなに作り込まれた高品質なシステムを、多岐にわたって開発している環境は他にないと考えています。必然的に、ゆうちょ銀行様のシステム開発を経験すれば、他のプロジェクトでも十分に活躍できる力が身に付きます。その点、市場価値の高いエンジニアを目指している人にとっても、当事業部はマッチしていると思います。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです