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合言葉は「CXで日本を元気に」。リスタートを切ったデジタルエクスペリエンス事業部がつくる新しい顧客体験

デジタル時代の社会インフラとなったモバイル領域や、日々その重要性を増している電気・ガスなどのエネルギー領域。その数千万を超えるユーザーに対し、よりよいCX(顧客体験)の提供を目指して、2024年7月にデジタルエクスペリエンス事業部は設立されました。事業部がスタートして1年を経る中で見えた強みと課題、生成AIの台頭による環境の変化、そして、今後の組織の展望について、新たに事業部長となった加藤が語ります。

目次

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「CX」をキーワードに組織横断での課題解決に貢献する

――まずはデジタルエクスペリエンス事業部について、そして、2025年7月の組織再編の背景についてお聞かせください。

2025年以前は企業アカウントごとに組織を分け、システムやサービス開発を行っていました。その中で、CXに特化し、業界や組織にとらわれず幅広い価値提供を行うために立ち上がったのが「デジタルエクスペリエンス事業部」です。設立から1年を迎え、強みや課題、目指すべき方向性など、組織としての輪郭が徐々に明確になり、技術進化や社会環境の変化も踏まえ、よりCXに踏み込んで次のフェーズへと進むために、2025年7月に再スタートを切る形となりました。

テレコム・エネルギー領域のシステム開発は、プロジェクトは規模の大きいものが多い一方で、CXという領域で切り取ると、スマホのアプリ開発やエネルギー企業の顧客接点など、規模が小さくスピード感が求められるものが多くあります。そういった要望に対し、フットワークの軽さを活かして横断的にニーズの種を拾う必要があり、顧客接点を軸にした組織としての特性が、今回の組織再編では、より色濃くなったと感じています。

――社内外から寄せられる期待や、求められる役割はどのようなものですか?

社内からは、よりリアルなCX事例に基づいた事例の横展開や組織間連携が必要とされていると感じます。ユーザーのニーズの把握や、実際に触ったあとの反応に合わせたサービスの開発・改善といった、商用サービスでのCX事例はどこよりも多いため、部署を問わず、問い合わせをもらうことが増えてきています。

また、中心顧客である大手通信キャリアとエネルギー企業のユーザー数は、数千万人規模にものぼり、先進的で影響力の大きな新しい顧客体験への期待を寄せられている実感があります。特に、エネルギー業界では、他業界と比較して、CXを含むデジタル化への対応が遅れている側面もあり、NTTデータが取り組んできた先進的な事例の導入や、ビッグデータの利活用といったノウハウの提供などが求められています。加えて、エネルギー業界全体で「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」への取り組みが加速する中で、デジタル技術を活用した業務効率化のニーズも高まっています。その中で、ユーザーとの接点が多い、契約や顧客管理システムなどのフロント領域の改善にいち早く着手しており、10年、20年先を見据えた未来への準備・対応を私たちがリードしています。

生成AI時代の変化がもたらす、「CX」の新しい価値

――この1年で感じたビジネス環境の変化についてお聞かせください。

生成AIの急速な普及は特に大きな変化だと感じています。プログラミングの自動化といった技術面はもちろんですが、これからは、ビジネスの形そのものが生成AIを前提としたものへと変わっていくはずです。その中で、AIが当たり前にある世界観で、「CXで何ができるか」を考えることが求められています。例えば、個人の趣味嗜好や消費活動、行動エリアといったパーソナルなデータを元に、個人に寄り添った最適なサービス提案を自動で提供するというような、新たなサービスが生まれていきます。さらに、その精度が想像できないスピードで上がっていくと思います。

また、ビッグデータの利活用については、この先も重要なビジネス変革の要素だと考えており、この1年で特に注力してきたことの一つです。大量のデータを集約して使いやすくする、あるいは、データを整理して必要に応じて分散させて使いやすくする、など、要望に応じて試行錯誤を重ねてきました。加えて、CXで得たデータを分析し、サービスの改善につなげるというプロセスを一つの事業部内で完結させることができるといった、事業部としての強みも見えてきています。

――その中で組織としてどのような価値を提供していきたいですか?

プログラミングやデータ収集・解析といった作業については今後もAIの活用が進んでいくと考えています。一方で、お客様の課題や要望から何をするか、何のためにデータを集めて何に使うのか。全体をデザインし、方向性を決めていくことは、人間だからこそできることだと思います。お客様の課題に最上流から向き合い、サービスの提供から改善まで伴走できるパートナーを目指していきたいですね。

今後は組織として自分たちだけでビジネスをつくるという意識の必要性も感じています。これまでに積み上げてきた豊富なノウハウがある一方で、各顧客やサービスに閉じてしまっている内容も多く、新規顧客の拡大という面では大きな課題があります。そのため、これまでのノウハウをパッケージ化させ、汎用性を高めて幅広いお客様へ横展開できるようなソリューションをつくっていきたいと考えています。

――組織のミッションや方向性についても教えてください。

私たちのミッションは「CXで日本を元気にする」こと。現在、NTTデータグループ全体で「日本を元気にする」という想いを呼びかけていますが、私たちはこれにCXを掛け合わせた価値提供を実現していきます。昨今、日本企業の国際競争力が低下していると叫ばれる中で、一つの要因となっているのが日本企業のUIUX力やアピール力の低さです。良い商品はあるのに、認知されていない、触れられていないことが原因で、マーケットでの存在感を発揮できていない事例が多くあると考えています。その課題をCXで解決し、顧客とユーザーをつなぐことができれば、日本全体を元気にすることにつながるはずです。

また、組織として「Go for it !」をスローガンに、「まずはやってみる」という考え方を大切にしています。CXには正解がなく、サービスのリリース後に課題や改善点が見つかることがたくさんあります。そのため、必要以上に頭の中だけで考えるのではなく、まずは行動して、トライ&エラーで進めていくのが私たちのスタンスです。だからこそ、新しいことへの挑戦は積極的に支援しますし、失敗を許容したうえで、次につなげようという考えが浸透しています。

それぞれの強みを伸ばしながら、変化を楽しめる組織へ

――「人」という側面から組織の特長を教えてください。

当事業部のメンバーの特性というと「敏捷性」や「柔軟性」という言葉が頭に浮かびます。開発手法一つをとっても、NTTデータ内では珍しく、組織内の案件のほとんどがクラウド環境でのアジャイル開発です。アジャイルネイティブのメンバーも多く、プロジェクトの規模を問わず、即座に環境が構築され、最適なメンバーが参画するなど、スピード感は他部署と比較しても速いと感じます。

また、年齢を問わず、全体的に若い感性を持ったメンバーが多いのも特長です。新しい技術やツールが続々と生まれる中で、「まずは触ってみよう」という人が多く、知識やデータを自らアップデートしていっています。

――その中で、どのような方と一緒に働いていきたいですか?

NTTデータと聞くと一般的には、技術力でリードするエンジニアが多いという印象を持たれがちですが、当事業部では多様なバックボーンを持ったメンバーが活躍しています。例えば、先述のとおり、今後は事業部内発のソリューション提供が見込まれる中で、マーケティングの知見を活かして戦略を立案したり、営業経験を活かして顧客開拓をしたり、最新技術を取り込んだオファリングを創出したりするなど、組織の変化に合わせて、活躍できる人の多様性も進んでいくと考えています。

加えて、何事にもチャレンジする気持ちを持っている方と一緒に働いていきたいですね。当事業部はNTTデータ内でも特に変化に富んだ組織だと思います。常に変わる状況を楽しみ、「まずやってみよう」というスタンスで動ける方には、刺激的な環境のはずです。そして何より、新しい風を吹き込んでもらえることを期待しています。外からの視点を持ち、NTTデータに染まるのではなく、その方の「色」を発揮してほしいと思います。

――どのような組織にしていきたいか、今後の展望をお聞かせください。

現在は、サービス開発の上流域を得意とするメンバー、データ分析を得意とするメンバーなど、特定の領域に特化したメンバーがそれぞれの強みを発揮してくれています。今後は、より流動性を高め、開発・データの両軸に強みを持つメンバーを育成することで、全員でプロジェクトを推進していけるような組織にしていきたいと考えています。また、現状では他事業部やパートナー企業との協業が中心となっているため、メンバーのスキルの幅を広げ、底上げをすることで、CXに関することは私たちで完結できるほどに、リードできる存在へとなっていければと思います。

「あの会社のサービスが良くなった」「あのアプリが使いやすくなった」といった顧客体験を、私たちが介在することで、一つでも多く生み出していくことが私たちの使命です。これまでにない「体験」を提供し、誰かの笑顔をつくる。そのような仕事にチャレンジしたい方を、お待ちしています。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです