モノづくりのボトルネックを解消し、日本企業の競争力を高める
日本の製造業は今、かつてないほどの大きな変化の波にさらされています。これまで日本の製造業は、高品質な「モノ」を作り込む力、つまりハードウェアの品質とQCD(品質・コスト・納期)の追求によって世界をリードしてきました。しかし近年、市場の価値基準は急速に「モノ」から「コト」へとシフトし、いわゆる「Software Defined Manufacturing(SDM)」や「Industry 5.0」と呼ばれる潮流が生まれています。
こうした環境下におけるエンジニアリングチェーンユニット(以下、ECユニット)のミッションは、R&Dからアフターサービスまでのエンジニアリングチェーンのさまざまなボトルネックを変革やテクノロジーによって解消し、日本の製造業の競争力を高めることにあります。アライアンス・エコシステムの構築・共有に加わることで、NTTデータも“当事者”となり、日本の製造業の競争力向上に貢献していきます。
多くの日本企業は、過去の成功体験である「自前主義」の限界に直面しています。ハードウェアの技術力だけで勝負できていた時代とは異なり、ソフトウェアやデジタル技術を融合させた新たなビジネスモデルを構築するには、外部のリソースやケイパビリティを柔軟に取り入れることが不可欠です。しかし、組織の縦割りや既存の業務プロセスの制約がボトルネックとなり、変革が思うように進まないのが実情です。
一連の変革は、単にITツールを導入するだけでは成し得ません。NTTデータに求められているのは単なる支援ではなく、当事者としての価値提供も含まれています。私たちが目指しているのは、「お客様とサプライヤー」という従来の関係を超えたパートナーシップです。
例えば、お客様のR&D部門が持つ暗黙知を、デジタル技術を用いて形式知化する。あるいは、経済産業省の主導による企業の枠を超えたデータ連携基盤「Ouranos Ecosystem(ウラノス・エコシステム)」のような構想を通じて、業界全体での協調領域を拡大していく。こうした取り組みを通じて、お客様自身が気づいていない潜在的な価値を引き出し、持続可能な競争力を共に創り上げていくことこそが、NTTデータが提供すべき価値なのです。
戦略コンサルと製造業。異なる視点を交え、答えのない問いに挑む
ECユニットは、2024年、法人分野内の大規模組織再編に伴って発足した組織です。発足初期は戦略コンサルタント出身者が中心となり、その後、製造業の研究開発や生産技術などを出身とするメンバもユニットに参画。各々の視点と専門性を掛け合わせ、課題解決に取り組んでいます。
戦略コンサルタントとして複数のファームを経験してきた津山は、「お客様が真に困っていることを解決したい」とNTTデータに入社。一方の村上は大手製造業でファーストキャリアを歩み、その後、コンサルティングファームへ。上流の戦略立案のみならず、現場での実現まで伴走したいと考えてNTTデータに入社しました。二人に共通しているのは、上流から一歩踏み込んで、真の課題解決を実現したいという想いです。
村上は、自身の経験を基に、NTTデータの可能性を次のように語ります。
日本の製造業の大きな課題の一つが、各現場での取り組みが個別最適に留まり、上位の経営戦略と必ずしも噛み合っていないことです。NTTデータの特徴は、全体最適のTo-Be像を描く「戦略コンサル」から、その実現ロードマップを描く「業務・ITコンサル」、実際に仕組みを作る「エンジニアリング」まで、1社でカバーできることです。戦略立案を担う上流と実際に施策が実行される下流で断絶が発生しがちなところを、同じ思想を保って伴走し続けられるのは、NTTデータの大きな強みだと思います。
日本の製造業がグローバルで存在感を放つために今後重要となる視点は、「いかに適切な協調ができるかです」と村上。自社の戦略や強み・弱みを踏まえたうえで、協調すべきところは積極的に外部と連携し効率を上げ、競争領域にエネルギーを注ぐことが重要だといいます。
日本のモノづくりを再興するという壮大なミッションは、どれほど大企業であっても、一社だけでは実現困難です。外部のケイパビリティを適切に活用し、どのような戦略を描くか。そして、どのようなリレーションやアライアンスを組むのか。ここでNTTデータはお客様同士のハブとなり、「つなぐ」役割を担います。津山はこう語ります。
ECユニットでは、業界のトップランナーと呼べる大手製造業のお客様からコンサルティングのご依頼をいただくことが多くあります。そして、その中には「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と評された日本のモノづくりを再興するという、強い気概を持った方が多くいらっしゃいます。そして、そのようなお客様を含めて、さまざまなプレイヤーをつなぎ、新たな価値を創出するということは、昔からNTTデータが強みとしてきたところでもあります。
取り組むのは今まで誰も挑んだことのない、誰も答えを知らない課題ばかりと津山が語る通り、津山、村上らの戦略コンサルタントとしての経験値を持ってしても、答えは見えません。それもそのはず。彼らやお客様たちが今向き合っているのは、変革の最前線であり、まだ誰も歩いたことのない道なのです。
平坦な道のりではない。だからこそ、挑戦する価値がある。自分たちには、NTTデータには、その使命がある。ユニットのメンバたちは、お客様とともに「製造業の未来」を実現するため、まだ見ぬ地平に挑んでいるのです。
インファイト、そしてOneTeam。ユニットが重視するマインドセットとは
ECユニットの発足にあたり、メンバたちは大切にする価値観を言語化し、ミッション・ビジョン・バリューとして策定しました。そのミッションは、「インファイトで本質的な経営課題を解決し、幸せな未来を創造する」というもの。
「インファイト」――つまり相手の懐に入り込む接近戦のスタイルをキーワードに採用しているのは、本質的な経営課題を解決するには、お客様のそばで、同じ方向を向いて課題解決に取り組むことが不可欠だからです。そして日本を代表するような大手製造業のお客様の課題を解決するということは、日本の未来を明るくし、幸せな未来を創造することにもつながっています。
また、「OneTeamで価値最大化を目指す真のプロフェッショナルの集合体」というビジョンにも、求められるマインドセットがよく表現されています。その意味について、村上は以下のように説明します。
「OneTeam」というのは、自分たちだけでなく、お客様やNTTデータの他組織も含めて、一つのチームだということです。課題を解決するにあたって必要なステークホルダー全員、同じチームだと考えています。また、プロフェッショナルの前につく「真の」には、いたずらに専門性をかざして自分たちの利益に誘導したり、自らの得意領域内だけで答えを出そうとしたりするのではなく、クライアントに本当に必要なものを真摯に届ける”奉仕者”であるべきだ、という信念が込められています。
プロフェッショナリズムを徹底して実践することの難しさを知っているからこそ、同ユニットでは「真のプロフェッショナル」という言葉を掲げているのです。村上は、ビジョンについてこう補足します。
このビジョンは、ミッションで掲げる”インファイト””本質的”といった言葉とも通じています。“専門家”というと、外から助言する人、というイメージですが、私たちはステークホルダー全員とOneTeamになって、対話を重ね、課題を引き出して解決していきたいと考えています。
そしてバリューには、「現場主義を貫き、ラストマンとして責任をもって課題に対応できる」、「新しいテーマ・領域であっても専門知を追求する挑戦意欲を持ち、解を模索できる」、「素直さや誠実さをもってステークホルダーと対等な関係を築くことができる」、「想像力を駆使し、前向きに業務を楽しむことができる」といった言葉が並びます。
これらのミッションやビジョン、バリューは、ECユニットの重視するマインドセットを言語化したものですが、経験者採用においても同じことがいえます。お客様の抱える課題に直接対峙する「インファイト」の姿勢を持ち、特定の業種・テーマに固執することなく価値提供したいと考える方にとっては、同ユニットはきわめて魅力的な環境といえるでしょう。
ECユニットで働くメリットは「裁量の大きさ」にもあるといいます。津山は他のファームでの経験も踏まえてこう語ります。
仮にコンサルタントとしての経験がなくても、高い志を持っている方であれば、際限なく挑戦できるフィールドがあります。けっして大規模な組織ではないこともあり、その人次第で、いくらでも挑戦するチャンスがあります。
日本のモノづくりを、もう一度世界へ。その使命感を胸に抱きながら、ユニットのメンバたちは答えのない道を歩み続けています。


