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まったくの経験ゼロから、企画業務にチャレンジ。まだ見ぬゴールに向けて奮闘の日々

主に地方銀行をターゲットに、新規システムやサービスの企画を担っている前田健太。金融機関の業務効率化やサービス向上につながるような、最適な企画を生み出すべく戦いの毎日を送る前田の胸中に迫りました。

目次

子供の誕生が後押しした、転職の決断

前田 健太
第二金融事業本部
ビジネス企画室

前田の社会人としてのキャリアのスタートは銀行員でした。学生時代から自分自身の頭で考え、提案する企画の仕事に興味があり、入行後は中小企業向けに融資プランなどを提案する法人営業の道へ。

しかし、入行2年後にシステム部への異動を告げられます。そのとき前田は、希望していた企画の仕事から遠ざかっていくのを感じていた、と言います。

前田「システム部ではプロジェクト管理の仕事を任されていました。関係者と調整を行いながらスケジュール通りに案件を進めていく、という作業に取り組む中で勉強になることも多く、いい経験を積むことができたと思っています。しかし、自分がやりたいのはあくまでも企画。そこで、思い切って転職に踏み切ることにしました」

また、“新たな生命”の誕生という出来事も、前田の転職への決意を後押ししました。

前田「実は転職を決める前の年に、子供ができたことが分かったんです。仕事にいったん区切りをつける、いい機会でもあると考えました。妻とも何度も話し合い、納得してもらいました。子供が産まれたのはNTTデータに入社する直前でしたが、妻には迷惑をかけてしまったな、という想いもありますね」

転職活動中は、様々な企業の面接を受けたという前田。その中であえてNTTデータを選んだ理由は、金融とITの経験を生かした企画に携わることができる点でした。

前田「面接で、金融機関向けのシステムの企画にも関われると聞き、銀行時代の営業やシステム部門での経験も生かせそうだ、と感じたことが決め手となりました。また、会社の規模が大きく、数多くのシステムを持っているため、企画できる事業の幅も広いのでは、と思えたのも大きかったですね」

こうしてNTTデータの一員に加わった前田。入社後は、1カ月前に立ち上がったばかりの事業部を横断した企画専門チームに参画することになりました。特定の事業部のお客様やサービスだけに捉われることなく、広い視点で金融分野の様々なお客様の課題を解決することをミッションとするビジネス企画室。NTTデータのなかでも珍しい企画特化のチームに加わることで、新しいキャリアへと一歩を踏み出すことになりました。

上司からかけられた言葉に励まされ、ゼロから“企画”の知識を習得

前田にとっては、社会人になる前から希望していた企画業務へのチャレンジ。しかし、その船出は、必ずしも順風満帆なものではありませんでした。

前田「私も含めて、周りも企画の経験はゼロの者ばかり。どのように企画を作ればいいのかすら、わからないといったレベルでした。そこで、まずは各メンバーで企画の進め方について調べ、共有するところからスタートしました。画像を撮影し、サービスにアップロードするだけで操作感を見ながらシステム開発ができる『prott』を使用してみたり、『User Story Mapping』という手法に則って企画を考えてみたり、メンバーが様々な方法論を持ち寄って実際に試してみて、使いやすい、使いづらいという取捨選択を繰り返す毎日でした」

こうした地道な調査と実践を経て、ようやく企画の作り方の基礎を身につけることができた前田。試行錯誤を続けながらも、メンバーがモチベーションを高く持って業務に取り組み続けられた理由について、「上司からかけられたある言葉に勇気づけられたから」と前田は語ります。

前田「それは『今後、新しいメンバーが企画未経験で入ってきても、すぐに取り組めるような基盤を作ろう』」というものでした。これはチームがスタートしたときからのコンセプトでもあるのですが、こういう段取りで、こういう手法を採れば企画が生み出せる、という土台作りを自分たちに託してもらったんです。信頼してくれている、と感じました。もちろん、分からないことがあればアドバイスもしてくれますし、企画書を作ればレビューもしてくれました。期待に応えなければ、という意欲が沸き上がりました」

また、企画の立案と聞くと、一人で黙々と取り組むというイメージがありますが、同じチームのメンバーと常に情報を共有しながら取り組めたため、不安を感じることなく業務を進められていると言います。

前田「個人で企画をしていると、どうしても行き詰ってしまうことがあります。そんなとき私たちは、1回2時間、週に2回行われているチームミーティングでそれぞれが抱える企画の相談を持ち込みます。そうすると、部長からは経営や管理の視点、他のメンバーからはセキュリティや営業の視点といった具合に、全力のアドバイスが飛び交います。社内の様々な部門から集まった当チームの多様性が生きていると感じる瞬間です。一人では到底たどり着けないけれど、チームだからこそ導き出せる答えがあることを日々感じています」

前田自身も銀行員という前職から、金融関連のシステムを企画する際には行員時代の知見や、感じていたことなどを尋ねられることも多く、頼りにされていると感じると言います。また、自分たちで企画を立てたいものの、どうすればいいのか分からないといった他部署からの問い合わせを受けることも、しばしばあるそうです。

まったくのゼロから立ち上げたチーム。しかし、メンバーたちでスクラムを組みながら、手探りで進めてきた手法が、今ではナレッジとして、他部署に共有できるまでになっている。その事実は前田にとって大きな「成長の証のひとつ」になっていると言います。

自分が考えたものが形になり、お客様に提案できる大変さとやりがい

入社してから丸1年が経過。企画の生み出し方についての知識は手に入れたものの、自身の挑戦はいまだ「道半ば」にある、と前田は語ります。

前田「企画した商品の価値をお客様に認めていただき、導入いただくことが私たちのゴール。ただ、そこまでに至った企画はまだありません。ボツとなったものは10本、20本にのぼり、お客様へ提案できるフェーズまで達した企画もわずかに1本です。しかも、そのときお客様から返ってきた反応は厳しいものでした。結局再度、練り直すことに。現在進行形で、企画のブラッシュアップに取り組んでいる最中です」

目に見える結果を残せていない、と焦りを語る一方で、自分たちの想いを形にし、お客様にこの企画ならばぜひ導入したい、と言っていただける日を夢みて歩み続けます。

前田「NTTデータという会社は「こういうことがやりたい」という明確な意思や目標があれば、それを実現するための様々なサポートを受けられる環境が用意されています。技術力、開発力、豊富な知識を有する人財、そしてNTTデータが相手ならぜひ、話を聞きたいとクライアントに思わせるブランド力。しかし、これだけ恵まれた条件にいながら、まだ自分の企画を導入してもらうというゴールは達成できていません。だからこそ、現在進めている企画だけは何としても実現に持っていきたいと考えています。決して簡単な道のりではありませんが、だからこそ挑戦のし甲斐がある環境だな、と思います」

ゴールを100とするならば、「70~80%まで来ています」と語る前田の表情からは、強い決意が感じられます。前田たちのチームが企画を担ったシステムが形になる日も、決して遠くはないでしょう。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです