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ビッグデータ基盤を整え、地方銀行のお客様にデータドリブン経営の機会を。

金融業界でもデータ利活用の需要が高まっています。NTTデータは2013年に地域金融機関向けマーケティングサービス「共同MCIFセンター」をリリース。各金融機関は、MCIF(マーケティング用の顧客情報データベース)を活用し、顧客ニーズを捉えたマーケティングに取り組んできました。現在も、データドリブン経営を目指す地方銀行10行が参加し、質・量ともに単独では得られない大規模データの収集・分析などに役立てています。今回は、経験者採用入社直後から共同MCIFセンターのセールス担当を務め、サービス企画も手掛ける水口隆志と、新卒2年目ながら開発担当としてお客様とも接する宮園大生との対談をお届けします。

目次

Profileこの記事に登場する人

二人がNTTデータに求めたのは「成長」と「挑戦」

――まずはお二人がNTTデータに入社された経緯を教えてください。

水口

前職は印刷会社で、6年ほど地域金融機関向けの営業担当をしていました。 “印刷”と言っても扱う商材の領域はかなり幅が広く、チラシ・パンフレット・通帳から、クレジットカードやキャッシュカード、IT領域で言えば口座開設アプリやスマホアプリ、さらにキャッシュカードの即時発行機の手配なども手掛けていたんです。

一社のお客様に密着して、あらゆるニーズに応えられることはやりがいでした。しかし、実際にモノを企画・開発するのは社内の専門部隊で、私は彼らとお客様の橋渡し役が中心。次第に「自分なりの専門性を磨きたい」という気持ちが強くなり、企画から運用まで一貫してサービス提供できる環境で深くキャリアを磨けそうなNTTデータに転職しました。

宮園

私は大学で統計やデータサイエンスを学び、「データの利活用で社会に貢献したい」と考えるようになったことが入社を志したきっかけです。データサイエンティストの道も考えましたが、それだと「分析」にとどまってしまいます。NTTデータならば、大きな枠組みづくりや大規模なデータ利活用のビジネスに携わるチャンスがある。そこにワクワクしたことが一番の決め手になりました。

――他にも何か入社を後押ししたポイントはありましたか?

宮園

私は「人」の魅力ですね。選考段階で、OB訪問として3人の先輩社員とお話しする機会があったのですが、皆さんそれぞれに仕事観やキャリア観を明確に持たれていたのが印象的でした。それに私のつたない質問や相談にしっかり向き合い、的確にアドバイスをくれたことも忘れられません。こういう人財に自分もなりたいと思いましたし、成長環境にも期待が持てました。

水口

私の場合、学生時代から仲の良い友人がNTTデータに勤めていたので、事前に組織文化や会社の風土についてはいろいろ聞いていましたね。さらに情報収集を重ねる中で、お客様や自社の新規ビジネスの創出を手掛ける「ビジネスディベロッパ」というポジションを知ったことも大きかったです。まずは経験を活かせる金融領域のコンサルティング&セールス担当としてスタートし、技術知識や専門性を徹底的に磨いて、ゆくゆくは新事業を生み出す仕事に携わる、という自分なりの目標が見えました。

――では、現在お二人が取り組んでいる業務について教えてください。

水口

私たちが所属するオファリング統括部では地域金融機関を中心としたお客様に向けてさまざまなソリューションを開発・提供しています。その中でも2013年にサービス提供を開始したのが、私や宮園さんが携わっている地域金融機関向けマーケティングサービス「共同MCIFセンター」です。このサービスはエンドユーザーの属性や口座情報などさまざまなマーケティングデータを蓄積・保有・分析できる「共同MCIFシステム」と、分析支援やデータ利活用に関する人財育成を行う「ナレッジ・ラボ」から構成されており、現在では全国各地の計10行の地方銀行が参加しています。

宮園

お客様の中にはデータドリブン経営を実践し、共同MCIFセンターの結果を意思決定に活用しているケースも多くありますよね。

水口

このサービスにご参加いただいている地方銀行はデジタルシフトやデータ利活用に前向きで、積極的に事業変革を推進しているお客様ばかりです。私はコンサルティング&セールス担当として、こうした既存10行への対応を中心に新規の地方銀行の参加勧奨にも取り組んでいます。

宮園

水口さんは入社直後から共同MCIFセンターのメイン担当を任されていますよね。お客様の利用状況や課題をヒアリングしたり、ソリューションの新しい形を企画・検討したりと、前職の経験を活かしながらセールスチームをリードする役割を担うほどの活躍をしている印象です。

水口

組織変更の兼ね合いもありますが、たしかに想像以上に仕事を任せてもらっている感覚はあります。宮園さんは自ら希望して業務の幅を広げているイメージですが、最近はどうですか?

宮園

今は上長に「SEとして開発業務の基礎を習得したい」と相談し、共同MCIFセンターの機能追加やデータベースのテーブル追加などの案件を担当しています。最近では、トレーナーや開発パートナーの方々のフォローのもとで設計書の作成から製造、テスト、リリース対応、維持保守まで一貫して担当させてもらいました。

――お二人は日ごろの業務でもよく連携されているのでしょうか?

水口

はい、技術的な相談をして助けてもらうことが多いですね。私から見れば、新卒2年目とは思えないくらい頼りになる存在です。

宮園

水口さんからお客様の状況やサービスへの要望を聞いていると、まるでお客様と直接喋っているように感じられます。それにお客様との定例会議に同席させていただくと、提案資料の質へのこだわりも強く感じます。これらはきっと相手の考えや意見をきめ細かくくみ取っているからこそできることだと思いますし、ヒアリングや折衝のスキルはぜひ吸収したいです。

水口

そこまで褒められると照れますね(笑)。でも、開発にしっかりバトンタッチできるように、前職で培ってきた営業スキルを活かしてお客様の本音をしっかりヒアリングしようと心掛けてきたので、その姿勢が表れているのかもしれません。

想像以上の仕事を任せてもらえる醍醐味と難しさ

――お二人はオファリング統括部での業務を通して、新たに挑戦していることはありますか?

水口

一番のチャレンジは、次世代の共同MCIFセンターの企画です。数年後に控えている共同MCIFセンターの次期更改に向けて、利用されている地方銀行と打ち合わせを重ね、デジタルシフトの進捗や現状の課題、今後に向けた要望などをつぶさにヒアリングすることで、新サービスのコンセプト設計に取り組んでいるのです。

――「ビジネスディベロッパ」を目指す水口さんにとって価値ある経験になりそうですが、やりがいも大きいのではないでしょうか?

水口

正直に言えば、まだまだやりがいよりも難しさを痛感する日々です。というのも私たちのソリューションは共同利用型のサービスであり、お客様によってデジタル化の進度や捉え方も異なります。どこかの地方銀行にフォーカスしすぎると、他行のニーズとズレてしまいますし、10行にご納得いただける先進的なサービスを形作るのは簡単ではありません。それでも全国的に利用されるシステムに対して、自分のアイデアや意思を反映できる点はこの仕事ならではの面白さだと感じています。

宮園

たしかに、水口さんは入社直後から当時の課長と、何度も企画会議に臨んでいましたよね。

水口

当時は前任の先輩も交えて、毎週のように「どのようなコンセプトならば合意形成ができるか」「これからの地方銀行に求められるサービスとは何か」と、膝を突き合わせてディスカッションしていました。前職では個人プレーが中心だったので、チームワークで企画に取り組み、皆で頭を悩ませる経験そのものが新鮮でした。

宮園

前職時代とは考えるポイントも異なる印象ですか?

水口

どちらかと言えば、以前は足で稼ぐタイプの営業だったので、ここまでサービス企画や提案内容に頭を使う仕事は初挑戦に近く、だからこそ苦労している面もあります。うわべを取り繕うのではなく、本質的な価値提供を目指そうと真剣になるほど、どうしても技術的な知識の壁にぶつかってしまう。いつまでも宮園さんに頼ってばかりもいられませんし、「専門知識を身につけなければ」という意欲は入社後さらに強くなっていますね。

――宮園さんはどのような挑戦に取り組んでいますか?

宮園

システム開発の開始から終了までの流れであるV字モデルを習得することに加えて、お客様が集う責任者会議や懇親会などに参加し、お客様と直に接する経験を積んでいます。また最近では上長の計らいで共同MCIFセンターへの参加行へのヒアリングやレポート作成・提供にもチャレンジしています。新人の段階からお客様との関わりを持てることは、貴重な経験だなと感じています。

――お客様と接する業務は、開発とは違ったやりがいや難しさがありそうです。

宮園

はい。コミュニケーションスキルに関してはまだまだ不得手だと感じています。それでもお客様との対話を経て共同MCIFセンターというビジネスやシステムの捉え方が変わり、どのような価値提供が求められているのか、どんなポテンシャルを秘めているのかが徐々に鮮明になっていきました。また、自分のスキルや思考が豊かになっていくのを感じられる点でもやりがいを感じますね。

水口

思考が豊かになるという感覚は面白いですね。

宮園

学生時代から統計やデータサイエンスをやってきたこともあり、先進的なお客様は「最新鋭の機械学習モデルを使って」とか「今話題のAIを活用すれば」など、先端技術への意識が強いのではないかという先入観がありました。しかし実際にお客様のお話を聞いてみると、データ利活用で得た分析結果をいかに金融ビジネスに昇華させるか、業務改革に活かすかといった「技術のその先」に思考を巡らせていました。

水口

たしかにお客様は技術ありきではなく、ビジネスありきの視点で共同MCIFセンターの活用方法を模索していますね。

宮園

将来PMやコンサルティングで活躍するためには、開発経験と同様、お客様の視点に立ってソリューションやシステムを捉える思考も必ず役立つはずです。その感覚を1、2年目の段階で感じ取れたのは大きいなと思います。

――水口さんはお客様視点を理解するために、セールス担当として心掛けていることはありますか?

水口

まずは自分なりの仮説をお客様に発信することです。もちろん間違っている可能性もありますが、「違う」という事実も仮説を伝えて初めてわかるものですし、そのやりとりを経てようやく聞けるご意見もあるはずです。

特に現在取り組んでいる3期目の共同MCIFセンターの企画には、正解がありません。そのような中で一生懸命自分たちだけで何時間も悩んだところで、お客様視点に立った答えにはたどり着けないと思っています。それならば、まずは自分たちが熟考した仮説を持ってお客様とコミュニケーションを取る頻度を増やすべきというのが私の考えです。

宮園

水口さんの考えは、私も同感です。お客様のもとに足を運び、顔を合わせてお話をするようになってからわかったのですが、お客様の中には10年にわたって共同MCIFセンターを扱い、開発メンバー以上にシステムに精通されている方もいるんです。そうした方々がどのようなレベルで会話をし、NTTデータに何を求めているのかは、メールや電話のやりとりだけでは感じ取れません。ですから、私も自分なりの考えを持って積極的にお客様と接していきたいと思います。

金融だけ、マーケティングだけ、ではない。その自由度が面白い

――お二人は実際に働く中で、入社前のイメージとギャップを感じたことはありましたか?

宮園

配属が決まるまでは、金融領域は金融のみに特化していると考えていました。しかしオファリング統括部で働く中で、「金融だけに縛られないサービス」が続々と立ち上がっている点に驚きました。例えば、金融機関の取引先である畜産農家の支援に着目した「畜産DX」はその最たる例と言えます。

水口

牛の発情兆候や体調不良をモニタリングしたり、データ分析で経営効率化を支援したりと、本当に金融の枠を超えたサービス展開をしていますよね。

宮園

他にも、クラウドセキュリティサービスの「A-gate®」は金融領域だけにとどまらず、幅広いお客様のリスク対策に貢献しています。金融領域を中心としながらも、メンバー一人ひとりがお客様と向き合う中で感じ取った本質的な課題感をもとに新たなオファリングやビジネスモデルを創出できる自由度の高さは、オファリング統括部の一番の特徴だと思います。私自身、経験を重ねる中で斬新なサービスを生み出していけるという期待感を持っています。

水口

私は想像以上に上司との距離感が近いなと感じています。担当部長や課長とは普段から会話も多く、どんな相談も気兼ねなくできる雰囲気です。また3期の共同MCIFセンターの企画に関しては、オファリング統括部の統括部長とも直接やりとりしていますし、他部署との連携もスムーズで、風通しはいいですね。

宮園

上司とのやりとりで言えば、私は初めて一からプログラムの設計・製造・試験・リリースを行ったときの経験を強く覚えています。開発自体にも苦労したのですが、上司による品質管理やレビューのハードルが極めて高く、小さなバグに対しても論理的な調査と説明が求められました。うわべだけの整理で臨んでしまったことを反省することができ、「24時間稼働するシステムを作る」ということに対しての責任感や、品質に対してより強くこだわれるようになりました。

――NTTデータの社風や風土についてはどのように感じていますか?

宮園

開発現場は、パートナー企業の方々も含めて優しい先輩が多く、お互いを助け合う文化が根付いています。例えば技術的な壁にぶつかったとき、社内チャットに質問を書き込むと、複数の方がまるでAIチャットのようなスピード感で即座に応えてくれるのです。また、誰かのタスクに遅れが生じれば、速やかにメンバー同士でカバーする習慣もあり、チームワークの強さは大きな魅力だと思います。最近は私も何かチャットが飛んで来たら、すぐに返して周囲をサポートしようと心掛けています。

水口

コンサルティング&セールス担当は最近メンバーが2名増えて、今後もさらに組織強化が進む予定です。新しい仲間とはビジネス上の会話だけでなく、何でも話し合えてお互いが気持ちよく仕事ができるような関係性を育んでいきたいです。

宮園

セールスのチームも、組織力やチームワークが大事になるんですね。

水口

一人で何でもやって突き進んでいくタイプよりも、いい意味で輪を大事にしながら、皆で大きなソリューションを形作っていきたい人財がマッチするんじゃないかと感じています。

――お二人は共同MCIFセンターが持つ可能性についてはどのように感じていますか?

水口

共同MCIFセンターはマーケティングサービスとして発足したものですが、一部の銀行ではデータ分析の中枢インフラとして取り扱っていただいているケースもあります。それを思えば、今後はマーケティングだけに限らず、あらゆる業務領域のデータ利活用に貢献するソリューションへと進化できるポテンシャルを秘めています。どのような道を目指すべきか今まさに検討中ですが、成長の余地は大いにあると思います。

宮園

共同MCIFセンターでは地方銀行10行分のデータを取り扱っています。このデータ量はメガバンクにも匹敵するレベルだと思いますが、このポテンシャルを十分に活かせるような枠組みとはどういったものなのか、水口さんたちに頼ってばかりではなく、私自身も技術者としての視点と顧客志向を大切にしながら共同MCIFセンターの未来について考えていきたいです。

――最後に、お二人の今後の目標を教えてください。

宮園

私の目標は、開発現場でスキルアップに努め、「情報系データベースやBIツールに関しては宮園に聞けば大丈夫」と周囲から頼っていただけるレベルの専門性を身につけることです。また学生時代に学んだデータサイエンスの知識も活かし、将来的にはデータ利活用に関するコンサルティングや企画などにも挑戦できればと思っています。

水口

私は転職を決意したときから、「ビジネスディベロッパ」というポジションに行き着くのを一つの目標にしています。ただし、新しいビジネスの創出を目指すためには、サービスの裏側でどのようなシステムが動いているのかという技術知識が欠かせません。ですから今後はセールス担当として経験を重ねるだけでなく、技術面でのスキル習得にも励んでいきたいと思っています。

地域金融機関のデジタルシフトは過渡期を迎えようとしています。共同MCIFセンターも参加行の増加やシステム・サービスの両面での革新など、業界の発展に伴走しながら変化を続けていくことでしょう。オファリング統括部という自由度の高い職場で、大きな可能性を秘めたソリューションを扱い、仲間ともに挑戦と成長の道を歩んでいく。そのやりがいはきっと、他に代えがたいものがあるはずです。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです