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国内最大級の勘定系システムを次世代へ。オープン化プロジェクトの最前線に迫る。

NTTデータは、国内最大級の金融機関であるゆうちょ銀行様と、40年以上にわたりパートナーシップを築いてきました。現在は、長年稼働してきたゆうちょ銀行様の勘定系システムを刷新し、次世代システムへ移行するオープン化プロジェクトを推進中。国内最大規模を誇る同システムの刷新は、NTTデータを代表する大規模プロジェクトの一つです。社会インフラを支えてきたシステムを、これからの時代にふさわしい姿へと進化させる大きな変革に、多くのメンバーが挑んでいます。今回は、本プロジェクトに参画する郵政・政策金融事業部のメンバー4名に、担当ポジションで感じる仕事のやりがいや成長実感、今後の目標などについて聞きました。

目次

Profileこの記事に登場する人

Project プロジェクトの意義

金融機関に求められるシステムのオープン化

現在、ゆうちょ銀行様をはじめとする多くの金融機関の勘定系システムは、信頼性の高いメインフレームで稼働しています。しかし、アジリティや拡張性向上の観点から、オープン化を検討する金融機関が増えています。

国内最大級のビッグプロジェクトを開始

ゆうちょ銀行様と40年以上にわたりパートナーシップを築いてきたNTTデータは、次期勘定系システムのオープン化プロジェクトを提案・受注。2026年10月よりプロジェクトをスタートしました。

人々の生活を支える社会インフラ構築に貢献

ゆうちょ銀行様の口座数は1億2,000万に達しています。その中枢を担う新たな勘定系システムの開発プロジェクトは、私たちの生活を支える社会インフラの構築・維持と同義であり、大きな社会的意義があります。

ゆうちょ銀行様向け次期勘定系システムのオープン化プロジェクトとは?

──最初に、皆さんが所属している郵政・政策金融事業部 第一開発統括部についてご紹介いただけますか?

谷口 隼 谷口

NTTデータの郵政・政策金融事業部は、日本郵政様やゆうちょ銀行様をはじめとする日本郵政グループ様、さらには日本政策金融公庫様やJICA(独立行政法人国際協力機構)様といった政府系金融機関のお客様への支援を通じて、日本全国に不可欠な金融インフラの発展とデジタル化をリードしている部門です。

小野寺 隼人 小野寺

第一開発統括部は、銀行・金融機関のコア領域である勘定系システムや内国為替システムを扱っている部門です。大規模かつミッションクリティカルな案件がほとんどであり、品質を重視する長期的なプロジェクトに携わる機会が多いことが特徴です。

──現在、皆さんが参画している「ゆうちょ銀行様向け次期勘定系システムのオープン化プロジェクト」について教えてください。

谷口 隼 谷口

長きにわたってメインフレームをベースにしていたゆうちょ銀行様の勘定系システムをオープン化するプロジェクトです。NTTデータは、約2年の時間をかけてゆうちょ銀行様の次期勘定系システムのオープン化に関する調査・検証を進めてきました。その結果、お客様とNTTデータの双方で「オープン化が可能である」と判断し、提案・受注を経て2026年10月より本格的なプロジェクトがスタートしました。現在のプロジェクト参画者は数十名程度ですが、フェーズによっては最大1,000名程度が関わる見込みであり、2033年のサービスインを予定しています。

──皆さんは「ゆうちょ銀行様向け次期勘定系システムのオープン化プロジェクト」において、それぞれどのような役割・業務を担当されていますか?

谷口 隼 谷口

業務アプリケーション領域と基盤をつなぐ制御アプリケーション領域のリーダーとして、システム全体を見渡しながらアーキテクチャ設計を担っています。今後は、策定したアーキテクチャに基づき、アプリケーションや実行基盤などの開発にも携わる予定です。

小野寺 隼人 小野寺

製品・ハードウェアを扱う基盤領域を担当しています。現在は基盤チームのサブリーダーとして、機能充足確認を含む製品選定や各種検討に取り組んでいます。

由井 快東 由井

制御アプリケーション領域の開発を担当しています。現在はリーダーの元でアーキテクチャ設計や検討資料の作成、関係者との調整業務などを進めています。

岩間 琴音 岩間

私の所属チームでは業務アプリケーションのマイグレーションを担当しています。私自身はプロジェクトに参画して間もないこともあり、上司や先輩のサポートを通じてインプットを行いながら業務の幅を広げている状況です。また、プロジェクト全体の生成AI活用推進メンバーの一人として、他部署と連携しながら生成AI活用の検討に取り組んでいます。

ビッグプロジェクトを通じて得られる仕事のやりがい・醍醐味は?

──今回のプロジェクトに参画したことで実感している仕事のやりがい・醍醐味について教えてください。

岩間 琴音 岩間

日本を代表する金融機関である、ゆうちょ銀行様の勘定系システムに携わることを通じて、多くの人々の生活を支える社会インフラの一端を担えていることに仕事のやりがいを感じています。とくに私の場合、「社会貢献につながる大規模システムに携わりたい」という思いを持ってNTTデータに転職したので、入社早々に自分の希望が叶うようなプロジェクトに参画できたことが嬉しいです。

由井 快東 由井

今の段階では「分からないことが分かるようになる」こと自体に仕事のやりがいを感じています。岩間さんと同じくキャリア入社ですが、私の場合は前職が営業だったこともあり、システム開発に関してはまったくの未経験でした。入社後の研修に加え、ゆうちょ銀行様のシステムに関する勉強会なども設けていただいた上でプロジェクトに参画し、その後は上司の谷口さんやトレーナーの小野寺さんをはじめ、経験豊富な社員の方々に伴走いただきながら、着実に成長できていることを実感しています。

小野寺 隼人 小野寺

岩間さんも話していたように、ゆうちょ銀行様の勘定系システムは社会インフラそのものと言えるシステムです。そのような「超」が付くほどのミッションクリティカルなシステムを作り変えるにあたり、これまで自分が培ってきた知識・経験をフル活用しつつ、基盤領域に求められる非機能要求を維持する方法を考え抜いていくプロセス全体に大きなやりがいを感じています。そして同時に「社会的意義の大きな仕事に携わっている」という実感も得られています。

谷口 隼 谷口

このような巨大なシステムをオープン化によって大きく作り変える機会は、長いエンジニア人生の中でもそうそう巡ってこないものだと考えており、私自身、とてもワクワクしています。現行のゆうちょ銀行様の勘定系システムは約40年間稼働しており、最後に大きく作り変えたのは30年ほど前のことになります。今回のプロジェクトでは、オープン化に向けて次世代の勘定系システムを新たに構築していきます。年齢的にも、これほど大規模なプロジェクトは人生最後の機会になるかもしれないので(笑)、可能な限り楽しみたいと思っています。

──今回のプロジェクトに携わる中で、印象に残っている仕事・出来事などはありますか?

谷口 隼 谷口

今回のゆうちょ銀行様のプロジェクトでは、勘定系システムのオープン化フレームワークであるPITON®を活用していますが、システムに適用するにあたり、「性能的に足りない」「方式を変えないと動かない」といったケースが発生した場合には、PITON®の製品開発部門の方々と協議を行いつつFit&Gap分析を進めています。私は以前、PITON®の製品開発に携わっていた時期があるので、そのような個人的にも思い入れの強い製品の機能向上に、ユーザー側の立場から携われていることが感慨深いです。

小野寺 隼人 小野寺

現行システムではメインフレームで実現していた機能を、OSS製品で再現する検討に取り組んだことが印象に残っています。単純にオープン製品に置き換えるだけでは再現が難しい機能でしたが、NTTデータに在籍する世界でも数えるほどしかいないOSSコミッター(OSSのソースコードを正式に変更・反映できる権限を持つ開発者)とのディスカッションなどを通して、高い非機能要求を実現するための確度の高い方式を見出すことができました。

由井 快東 由井

制御開発に関する提案書作成に携わった仕事が印象に残っています。私は制御の中でもオンライン制御を担当していますが、制御領域には他にもシステム制御やバッチ制御といったさまざまな領域が存在します。それらの領域も含めて制御開発として一つの提案書を作成する必要があったので、自分自身の担当を超えてあらゆる担当の方々に不明点などを一つひとつ確認し、少しずつ理解を深めていきました。また、自分が理解した内容を読み手に伝わるように提案書に落とし込んでいく作業にも注力しました。難しい仕事ではありましたが、自分自身の大きな成長につながったと感じています。

岩間 琴音 岩間

プロジェクトやチーム内で課題・問題が発生した場合でも、必ず社内にアドバイスを仰げる心強い有識者が数多くいることに驚いています。このような充実した人財のネットワークとコミュニケーションの取りやすさは、今回のゆうちょ銀行様のプロジェクトに限った話ではなく、「NTTデータならでは」の会社としての強みだと理解しています。

今回のプロジェクトに参画することで得られる知識・スキルは?

──谷口さん、小野寺さんにお聞きします。今回のプロジェクトに参画するメンバーは、どのようなスキルを習得できると考えていますか?

谷口 隼 谷口

担当ポジションによりますが、基盤寄りであればOSやデータベース、アプリケーションサーバに関する製品知識が習得できると思います。また、業務アプリケーションや制御アプリケーションの知識、銀行・金融の業務知識、さらには「ATMでお金を引き出す際の仕組み」など、社会インフラの仕組みを把握できる面白さも実感いただけると思います。

小野寺 隼人 小野寺

基盤領域に関しては、ミッションクリティカルなシステム基盤を構成する、さまざまな製品・ハードウェアに関する知識が身につくと思います。また、今回のプロジェクトではゆうちょ銀行様のシステム部門の方々がオーナーを務め、私たちは一次請け的なポジションで仕事をしています。そのため一般的な大手SIerのプロジェクトとは異なり、システムのより深い部分に関する知識・技術を学ぶことができると考えています。

──由井さん、岩間さんにお聞きします。今回のプロジェクトを通じて、どのようなスキルが身についたと考えていますか? また、これから身につけたいスキルはありますか?

由井 快東 由井

谷口さんからもお話があったように、今回のプロジェクトを通じて、OSやミドルウェア、制御アプリケーションがどのように関わり、ATMでお金を引き出す仕組みを実現しているのかについて理解を深めることができました。また、アプリケーションのソースコードについても、処理の流れやデータの受け渡しを意識しながら内容を追うことで少しずつ読み解けるようになってきたと感じています。

岩間 琴音 岩間

現行の業務アプリケーション資産を移行する開発プロセスは、従来のウォーターフォール型の開発とは異なるため、業務アプリチームとして新たな作業プロセスを計画し適切にマネジメントしていく必要があります。そのために私個人としては、計画や方針を自ら考え状況に応じて判断できるだけの業務知識や開発力を身につけ、周囲と協力しながら主体的に判断し案件を着実に前に進められる人財を目指しています。

──最後に、皆さんの今後の目標や挑戦したいことを聞かせてください。

小野寺 隼人 小野寺

短期的には高信頼基盤の作り方に関するスキル習得に加え、チームのパフォーマンスを最大化するためのコミュニケーションなど、サブリーダーとしてのあるべき振る舞いを学んでいきたいです。また、中長期的には今回のプロジェクトで得た実績をベースに、さらなる高難度プロジェクトに挑戦したいと考えています。

由井 快東 由井

現在の担当業務に関して、自ら先頭に立って検討できるようになることが直近の目標です。その後は周辺領域のシステムの知見を身につけ、サブリーダーやチームリーダーなどのポジションで組織を俯瞰的に見ながら自分の担当領域をやり遂げられる人財に成長していきたいです。

岩間 琴音 岩間

私も由井さんと同じように、まずは自分の担当する仕事を一人称で進められるようになりたいです。中長期的には、今の自分と同じような後輩ができたときに、教育係としてその後輩のサポートをしながら自分自身の仕事を進められるような存在に成長していきたいと考えています。

谷口 隼 谷口

まずは今回のプロジェクトを軌道に乗せることが直近の目標です。また、6年以上という長い年月をかけてリリースを目指していくプロジェクトになるので、自分自身はもちろんのこと、メンバーやビジネスパートナーの方々、お客様も含めたステークホルダーなど、プロジェクトに関わるすべての人が楽しく前向きに働けるような環境づくりにも力を入れていくつもりです。また、中長期的には今回のプロジェクトで活用した技術要素を、他の分野やプロジェクトにも展開・適用するような活動にもチャレンジしていきたいですね。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです