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2019.5.15技術ブログ

「センシングファイナンス™」の可能性

金融領域でのデジタル化の進展の中で、「センシングファイナンス™」(※)の取組が増加している。今回は、センシングファイナンスとは何か?その定義および先行事例をご紹介する。

センシングファイナンスとは、金融機関が今まで利用してこなかったデジタル/リアルデータを取り込むことで、従来からの金融商品・サービスを高度化する、あるいは全く新しい商品・サービスを生み出すことを指す、NTTデータの造語です。
このような表現は、IoTを金融に適用することとイコールに捉えられがちですが、センシングファイナンスはより広い範囲をカバーするものです。
センシングファイナンスを分類すると、以下2点に大別できます。

1.今まであったが使ってこなかったデータ:今までも金融とは接点のない世界で存在していたデータを金融と融合させる動き(スマートメーター、衛星写真、モビリティなど他業界のデータ)

2.今までなかったので取得するデータ:センシングデバイスを金融機関が能動的に設置することで習得したデータを金融と融合させる動き(IoTデータ)

これらはIoTよりも広い概念となり、一言でいえば「今まで金融機関が取り扱ってこなかったデータを金融と融合させる動き」です。センシングファイナンスの具体例を3点ご紹介します。

事例1:衛星データで経営を見通す

決算発表の前に業績が知りたい投資家や、ライバル企業の生産や集客状況を知りたい経営陣などに衛星/航空写真の分析結果を提供する動きがアメリカを中心に広がっています。企業が四半期ごとの決算で発表するような情報をより高い頻度で得ることができるのがメリットです。
例えば、従来は、投資先企業である自動車メーカーの製造目標が達成できるのかどうかをリアルタイムで確認することはほぼ不可能でしたが、このような技術により、工場の出荷場の衛星/航空写真を分析し、自動車の生産目標の達成見通しをすぐに知ることができます。他にも、ショッピングモールの来客数推移を分析し、それぞれの企業の売上や数か月先の株価の動きを予測することも可能です。

事例2:サプライチェーンファイナンス

現在は過去の決算情報を基にサプライヤー/工場/販売会社に融資を行うのがスタンダードです。サプライチェーンマネジメントシステム上で流れているデータをセンシングデータに見立てて活用することで、リアルな受発注、資金決済情報を担保に迅速な融資を実現することができます。これにより、(企業の信用リスクではなく)現物の価値評価に基づく商品開発、現物のライフタイム全体のキャッシュフローを視野に入れたファイナンスが実現できます。

図:サプライチェーンファイナンスへの応用

図:サプライチェーンファイナンスへの応用

事例3:顔認識技術や画像データの活用

中国のとある金融機関は、顔認識技術を融資審査に活用しています。表情を読み取り、「借り手が事実を言っているか」分析、嘘と疑われる場合は高い金利を設定する、というものです。また、死んだ家畜の写真を先立って保管されていた画像データと照合し、保険対象の家畜と同一か判断し、補償金を支払うということも行っています。

金融機関サイドからしてみると、このような動きにより、今まで見えてこなかった状況を把握する中でより精度の高いサービスにつなげることができます(ビジネス価値創出の観点)。金融商品・サービスをビジネス展開していくにあたっては、不正(例えば、融資詐欺と保険金詐欺など)を如何に見抜けるかということも重要ですが、センシングファイナンスで取り扱う質の高いデータを取り込むことで不正が行われるリスクを低減させることも可能となります(リスクヘッジの観点)。

上述の事例以外にも、様々な取り組みが試みられています。また、今後もいろいろな事例が発表されてくる可能性が高く、今後もより注目が高まっていくと考えています。

「センシングファイナンス」はNTTデータの商標です。(以下記載についても同様)

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