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2016.3.31技術トレンド/展望

リアルとデジタルの融合が生む新たな”個”客接点への対応

カギを握るモバイル中心の一貫したサービス提供

今日、スマートフォンなどのモバイルデバイス(以下、「モバイル」と略す)が爆発的に普及し、消費者の生活の中に深く浸透しています。

その結果、「リアル(場所・時間)」と「デジタル」が融合し、あらゆるタイプのリテールの業態──つまりは、リアル店舗、ECサイトそしてネットオークションなどのすべてにおいて、最適な購買プロセスをモバイル中心に最適化・再構築することが重要になっています。例えば、北米では多くのリアル店舗を持っている小売業が、モバイルを全ての店舗の「フロントドア」と考えてサービスを再構築し業績を伸ばしています。

こうした観点から、モバイルという”個”客接点の強化を考えるとき、モバイルアプリの中でも一番消費者にとって使い心地がよいメッセンジャーサービスに注目しています。

今日のモバイルユーザーの多くが、一日の中で最も長い時間を「LINE」、「Wechat」、「Facebook Messenger」といったチャットサービスの利用に費やしており、その使い慣れた“個”客接点であるメッセンジャーサービスが、個々人の購買プロセスに大きな影響を与えているからです。

例えば、モバイルネイティブと呼ばれる若い世代の購買プロセスに注目してみると、「Instagram」でショップのサイトにアクセスし、商品を閲覧し、興味を持った商品について「LINE」で店員とチャットで会話し、決済、支払確認から配送確認までもメッセンジャーアプリで行う、といった購買行動が定着しつつあります。

またこれからのリテールビジネスでは、モバイルを前提として、ブランドの認知・需要喚起、決済、購買体験の共有まで、一貫した”個”客体験を提供することが重要になってきています。決済や配送など、機能ごとの軸でサービスを考えるのではなく、個々の消費者の購買プロセス(カスタマージャーニー)全体に沿ったかたちで”個“客体験を高度化させ、自店舗/自社サービスでの製品購入に結びつけること、あるいは、その購入頻度を高めることが求められるようになっています。

【 近未来の展望と可能性 】業界・業種を越えたデジタル連携でかつてない”個”客中心のサービスを実現

今日、メッセンジャーサービスなどを用いた”個”客体験の高度化の動きは、主としてリテールの業界で巻き起こっています。

ただ、今後数年のうちに、”個”客体験に軸足を置いたデジタルトランスフォーメーションの流れは、業界・業種の垣根を越えた協業によって、小売・卸売・製造業等の複数企業間のビジネスプロセスに波及していくと考えられます。

実際、リテールにおけるブランディング、店舗・商品マーケティング、販売計画、仕入管理、販売管理といったビジネスプロセスと、メーカー、サプライヤー側の商品企画、生産管理、出荷、アフターサービスといったビジネスプロセスが、デジタルプラットフォーム上でシームレスに、そして「”個”客ニーズ」を起点に結合され、最適化されていけば、かつてない”個”客体験が実現されるはずです。

例えば、消費者が自分のサイズや好みに合わせた衣服をオーダーメイドで注文し、その情報がリテールと製造側でリアルタイムに共有されるとすれば、どうでしょうか。これまで、商品のお届けまでに1カ月以上かかっていたものが、1週間程度に短縮され、”個”客の満足度を大いにと高めることが可能となります。

【 NTTデータの取り組み 】”個”客接点を中心にカスタマージャーニーの最適化をトータルで支援

現在の多くの消費者は、普段から慣れ親しんだモバイルアプリで気軽に買い物ができることに便利さを感じています。

また、自分が望んでいる商品が的確にリコメンドされ、欲しいときに、最も便利な場所で商品を購入したいと望んでいます。そして、それらの欲求がすべて満たされたとき、その良質な体験が記憶として残り、次回も同じお店で買い物をしたり、自分の体験を家族や知人・友人と共有したりするのです。

NTTデータは、こうした”個”客体験に軸足を置いたカスタマージャーニーの最適化をトータルで支援しています。

その支援の対象には、創客・集客・送客施策の策定、お店での滞在体験の改善・改革、購買手段の最適化、ロイヤリティプログラムの策定、評判・口コミの評価に至るまで、”個”客体験の高度化につながるさまざまな業務が含まれています。

【 ユーザー事例 】購買率が10倍アップ── 劇的効果を生み始めたソリューション

NTTデータでは、“モバイルフロント”へのチャットサービスの導入をはじめ、”個”客応対へのAI(人工知能)の適用、ビッグデータを用いた”個”客ニーズの分析・活用など、”個”客接点・”個”客対応の強化・高度化に向けて、さまざまなソリューションを提供し、すでに多くの実績を積み上げています。

2016年10月にはWeb接客サービス「OK SKY」を提供している株式会社空色と資本提携、リテール分野での対”個”客コミュニケーションを高度化させる体制をさらに強化しました。

OK SKYの採用により、あるアパレル企業では、購買率を10倍、購買単価を2倍、リピート率を1.4倍に向上させています。加えて、この企業では、「1人のオペレーターが同時に複数のお客様を接客できるようになった」、「接客履歴をデジタル情報として保存できるため、AIを活用した顧客嗜好分析が可能となった」、「担当者が在宅からでも接客できるようになった」など、多くの定性的な効果も手にしています。

また、海外のアパレル大手と共同で、モバイルウォレットのプロジェクトも手掛けています。このモバイルウォレットには、複数のクレジットカードが登録できるため、ユーザーはクレジットカードを持ち歩かずに済むようになります。リアルとデジタルのショップで購買体験を共通化することで、アパレルメーカー側は、個々の顧客が何を購入したかが把握できるようになり、消費者個人と個々人の嗜好と購入した商品とを紐付けることが可能になります。さらに、位置情報と連動したマーケティング施策、例えば購入対象商品のある実店舗を地図で案内するといったサービスで”個”客の利便性を高めることもできるのです。


ショールーム型デジタル店舗の例

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