人と仕事を伝えるWEBマガジン
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互いに高め合える環境でマネジメントスキルを育む。多彩な事業を展開するお客様に伴走し、事業拡大に貢献

大手人材系企業のHR領域やSaaS領域、決済サービスなど、多様な事業領域を支え続けているNTTデータの情報サービス開発統括部。同統括部のメンバーたちが向き合うのは、常に変化し、圧倒的なスピードで成長を続けるお客様です。その変化と成長の最前線では、単なるシステム開発に留まらない、真のパートナーシップが求められます。今回は、同統括部に所属する3名の課長代理が集合。それぞれ異なるプロジェクトで活躍する彼らに、お客様との強固な信頼関係の中でいかにして事業成長に貢献し、自らも成長を遂げていくのか、そのリアルな姿を語り合ってもらいました。

目次

Profileこの記事に登場する人

お客様は大手人材系企業。事業成長にどこまでも伴走する組織

――まずは、皆さんが所属する情報サービス開発統括部について教えてください。

原田 祐輔 原田

情報サービス開発統括部は某大手人材系企業をメインのお客様とし、HR領域、SaaS領域、販促領域、人材サービス領域といった幅広い領域を支援しています。特徴としては、お客様と一体になって新しい価値を生み出そうとしている、パートナーシップの強さが挙げられます。

黒川 知也 黒川

事業領域が広いゆえに、お客様の成長曲線の動きは激しいです。その非連続な成長を、お客様とNTTデータが一体となり、柔軟に乗り越えてきました。「約20年にわたって、お客様の事業の変遷をすぐそばで支えてきた」という信頼関係は唯一無二と言っていいでしょうね。

石川 太己 石川

HR事業をはじめ、一つひとつ信頼を積み重ねてきた結果、これほど多様な事業領域を支援させていただけるようになりました。もちろん今も変化の最中であり、新しい領域に対して一緒にチャレンジさせていただいています。

――近い時期に新卒入社された皆さん。それぞれが現在のプロジェクトに携わるようになった背景を教えてください。

原田 祐輔 原田

私は2012年にNTTデータに入社後、4年ほど別の放送事業のお客様を担当していました。プロジェクトの区切りがついて「別のことに挑戦したい」と上司に話したところ、「立て直し中のプロジェクトのリカバリーに参加しないか」と誘われて(笑)。参加してみると、いわゆる「炎上案件」とはまったく違って、お客様とNTTデータが一体になって課題を乗り越えようとしている姿が印象的でした。私自身、そのお客様のことをすぐに好きになりましたね。

石川 太己 石川

私も最初は別のお客様を担当していましたが、現在も担当しているQRコード決済システムのプロジェクトに支援として入ったのがきっかけでした。初期開発フェーズは一筋縄ではいかない状況でしたが、原田さんと同じく、お客様とNTTデータで一緒に乗り越えようという機運があり、精神的な辛さは感じませんでしたね。振り返ると、私自身、お客様に育てていただいたという感覚もあります。

黒川 知也 黒川

私はお二人と違って、入社以来、ずっと同じお客様を担当しています。最初の5年は開発がメインで、その後、「お客様をもっと深く理解したい」という思いが湧き上がり、ITディレクターという立場で、お客様の情報システム部門に2年間出向させていただきました。その後は再び開発サイドに戻り、複数の基盤更改プロジェクトでPMを経験した後、現在の業務を担当しています。

――皆さんの現在の具体的なお仕事内容について教えてください。

原田 祐輔 原田

私の役割は大きく2つあります。まず1つは、お客様の主力サービスである適性検査をはじめとした複数のプロジェクトにおける開発PMです。もう1つは、担当領域の成長戦略を描く領域マネージャーとしての役割。お客様の事業が今後どのように成長していくかを見据え、NTTデータとしてどのような価値を提供できるかを考え、提案する。いわば、担当領域の未来を描く仕事です。

石川 太己 石川

私は、お客様が某メガバンクと共同で提供しているQRコード決済システムのプロジェクトに所属し、アプリの運用保守チームのリーダーを担当しています。機能追加が頻繁に発生する急成長中のサービスに対し、高品質な維持・保守業務を提供することがミッションです。また、この開発組織はお客様側との協業体制になっており、お客様がPM、私がPLという立場で、仕様の調整や外部接続先との連携などの仕様統括も担っています。

黒川 知也 黒川

私はお客様の就職斡旋サービスの領域において複数のプロジェクトを束ねています。お客様の事業成長にどう貢献できるか、NTTデータの提供価値をどう高めていけるか、といった戦略レベルの検討も行っています。個別のプロジェクトを見るというよりは、開発チーム全体が円滑に機能するように、方針を立て、各プロジェクトのフォローやレビューを行うのが主な業務です。

――それぞれのプロジェクトで、お客様と密接に関わっているのですね。どのような点に仕事のやりがいを感じますか?

石川 太己 石川

担当しているQRコード決済サービスが、この3~4年でユーザー数が数百万単位で増えていくのを目の当たりにしてきました。まさに、お客様の事業成長に「伴走している」という強い実感があります。お客様社内のキックオフにも参加させていただき、事業のKPIや戦略を共有してもらえるので、自分たちの仕事がどう事業に貢献しているのかを常に感じられ、大きなモチベーションになっています。

黒川 知也 黒川

「伴走」という言葉はぴったりですね。お客様は「これをやりたい」というビジョンを明確に示してくださるので、それに対して私たちも「こうすればもっと良くなるのでは」と積極的に提案できるんです。また、キックオフではNTTデータのメンバーが発表する機会も与えられますよね。同じ目標に向かう仲間としての一体感が最大の魅力です。

原田 祐輔 原田

お二人の言う通り、お客様は情報開示に対して非常にオープンです。お客様が「これをやりたい」と語った後には、私たちからも「それはどういう背景で?」「本当の目的は?」と対話を重ねていくことで、課題の解像度を上げていきます。そして、「それなら自分たちには何ができるか」をチームで考え、形にしていく。受け身の仕事ではなく、自ら価値を創造していくプロセスそのものに、大きなやりがいを感じます。

「パートナー」としての仕事の醍醐味と、組織の心理的安全性

――皆さんの言葉の節々から、お客様との関係性が魅力的なことが伝わってきます。パートナーシップについて、詳しくお伺いできますか?

黒川 知也 黒川

まさにお客様は私たちを「開発ベンダー」ではなく、パートナーであり、メンバーの一員だと捉えてくださっています。象徴的なのは、障害を起こしてしまった時の対応です。普通ならこちらが謝罪するところですが、お客様は「謝るよりも、この後どうするかを一緒に考えよう」と言ってくださいました。ミスをそのままにせず、次への糧にしようということです。お客様がそのような姿勢だからこそ、私たちもミスを隠したり、変に体裁を気にする必要がなく、常に前向きで建設的な議論ができます。

石川 太己 石川

その通りですね。それと、お客様のITリテラシーが非常に高いことも、ストレスなく仕事ができる大きな要因です。例えば障害対応後の再発防止策を考える際も、100点を取りにいくとトレードオフとして開発工数が増えるということを理解していただけます。だからこそ、私たちも現状を正直に伝え、「どうあるべきか」という本質的な議論に集中できます。不要な調整が発生せず、常にお客様と同じ方向を向いていられるのは、本当にありがたいですね。

原田 祐輔 原田

お客様のITリテラシーは本当に高いですね。その分、私たちに対する期待値も高いと感じます。時には「事業企画から一緒に考えてほしい」とまで言われることもあります。それだけITパートナーとして信頼していただき、対等な立場で議論できる関係性が築けているのだと感じます。問題があるとしたら、お客様との立ち位置が近すぎて、自分がNTTデータ社員であることをたまに忘れてしまうことでしょうか(笑)。

黒川 知也 黒川

私もつい、自社のことを「NTTデータさん」と言ってしまうことがあります(笑)。もう一つ、お客様の特性を挙げると、リスクがあったとしてもアグレッシブに施策を打っていく姿勢が強い企業だということです。一方、NTTデータでは伝統的に品質を重視する文化が根強く、お客様とは異なる観点を持っています。これは決してネガティブなことではなく、価値観が違うからこそ、お互いがオープンに話し合えば建設的な議論になりますね。

石川 太己 石川

たしかにそうですね。障害対応においても、リスクに対しても、「一緒に考えよう」という空気があります。その点、情報サービス開発統括部で働く上では、自分の意見を持って積極的に発信する姿勢は特に重視されるかもしれません。

原田 祐輔 原田

同感です。そしてお客様は常に変化し、成長し続けていますから、私たちも同じ場所に留まっていてはすぐに取り残されてしまいます。お客様の変化に合わせて、私たち自身も柔軟に変化し、進化し続ける姿勢は不可欠です。

――お客様との理想的な関係を築ける背景には、情報サービス開発統括部の組織文化も大きく影響しているように感じます。事実、エンゲージメントスコアとしても高い数値が出ていますが、組織のカルチャーについて教えてください。

原田 祐輔 原田

この組織の心理的安全性の高さは、私が一番好きなところです。普段はストレッチな目標設定やチャレンジングなアサインで成長を後押ししてくれますが、いざという時には全力で守ってくれる。私自身、コロナ禍で子育てに専念しなければならない時期があったのですが、上司は「今は家庭を最優先しなさい」と、快く業務を調整してくれました。安全な基盤があるからこそ、思い切って挑戦できる。この文化があるから、私も「組織に貢献したい」と心から思えます。

黒川 知也 黒川

私も「人の良さ」には何度も助けられてきました。正直、私は入社当初、決して器用なタイプではありませんでした。それでも、上司や先輩方が決して見捨てることなく、根気強く支えてくれたおかげで、今の自分があると思っています。どんなにつまずいても必ず誰かが手を差し伸べてくれる。それは縦の関係だけでなく、横のつながりでも同じです。他部署の人に相談しても、嫌な顔一つせず、親身になって話を聞いてくれる。この文化が、仕事をする上での大きな安心感と信頼につながっています。

石川 太己 石川

私も組織の人の温かさを感じます。この組織に異動してきたばかりの頃、統括部長が頻繁に声をかけてくれたことが印象的でした。特に、人財育成への熱意は強いと感じます。例えば、社内資格の取得を支援するコミュニティ活動がプロジェクト横断で行われていたり、課長代理の研修に部長クラスが多くの時間を割いてくれたり。先輩たちが築き上げてきた「人を育てる文化」が、脈々と受け継がれているのを感じます。

脈々と受け継がれる「人の魅力」。この組織で成長できる理由とは

――皆さんは現在、課長代理として活躍されていますよね。課長代理のポジションに就いたことで、ご自身の視点や役割にどのような変化がありましたか?

原田 祐輔 原田

課長代理になってからというより、私の場合、より上の階層の業務を担当するようになってから視点が変わっていきました。戦略を考える機会も増えていったのですが、最初はそこに大きな壁を感じましたね。どうしても自分の中で限界を決めてしまい、真の課題に向き合っていない、ありきたりな戦略になってしまう傾向があったからです。しかし、上司との度重なる1on1を通じて、思考の壁を壊す手助けをしてもらいました。目的のためには誰を巻き込むべきか、物事をどういう角度から見るべきか。コーチングに長けた上司のサポートのもと、自分の視座が上がり、「これをやりたい」と思えるものが生まれていく喜びを感じることができました。

黒川 知也 黒川

私の場合は、PMとして自分のプロジェクトを率いるのではなく、後輩たちがPMとして活躍できるように「伴走」する役割の難しさに直面しました。領域のPMになると、配下にある個々のプロジェクトすべてを完全に把握することはできません。ポイントを見極めて的確なアドバイスを送ることや、相手の性格やスキルに合わせて言葉を選ぶことの重要性を学びました。自分とは違うタイプの人間を動かす難しさと、それができた時の喜びを知りましたね。

石川 太己 石川

私も人財育成という観点での視点の変化が大きかったです。これまでは自分個人の成果が評価されることに喜びを感じていましたが、今はチームとして成果を出すこと、後輩の成長を実感することに大きなモチベーションを感じるようになりました。他組織のノウハウを積極的に取り入れてお客様に提言するなど、自分のチームやプロジェクトという枠を超えて、組織全体にどう価値を提供できるかを考えるようになりました。

――マネジメントや人財育成において、特にこだわっていることはありますか?

原田 祐輔 原田

私は、メンバーに対して答えを直接与えないように意識しています。「こういう観点はある?」「別の方法も考えられないか?」といった問いを投げかけることで、本人が自ら考える力を引き出したいと思っているからです。もちろん、一人で抱え込まないように1on1は密に行い、いつでも相談できる雰囲気作りは心がけています。

黒川 知也 黒川

私はプロジェクトの状況を把握する時は、あえて定量的なデータやファクトに基づいてシビアに見るようにしています。ただ、その上でどうアクションを取るかを考える時は、相手の気持ちに徹底的に寄り添うことを意識しています。どうすればこのメンバーが前向きに立ち上がれるか。頭の中で冷静な部分と情熱的な部分を切り分けてマネジメントしています。

石川 太己 石川

お二人の話、とても参考になります。私も原田さんのように答えを与えないようにしたいのですが、つい細かく話してしまうことも多いです(笑)。いろいろと悩みながらではありますが、まずは一度自分がやってみせて、その後はメンバーに任せてみる、という方針を採っています。

黒川 知也 黒川

「やってみなはれ」の精神ですよね。私もそこは同じです。ただ、マネジメントや人財育成に正解はありませんよね。その人ごとのアプローチが大切だと思います。もっとシンプルに言うと、私の場合、過去に自分が上司からしてもらって「嬉しかったこと」をやるようにしています。

石川 太己 石川

私もそれは意識しています!雑談を交えたり、厳しい指摘をしなければならない時でも、まずは褒めることから入ったり。こうしたことは、上司のやり方から学んだものです。結局、私たちも、歴代の上司や先輩がしてくれて嬉しかったことを、自然と後輩にやっているのかもしれません。

――最後に、皆さんの今後の目標を教えてください。

原田 祐輔 原田

お客様への提供価値を最大化し続けること。これに尽きます。そのためには、社内の多様な専門性を持つ人々と連携し、組織の力を結集させていくハブのような役割を担っていきたいです。そして個人的なキャリアとしては、自分が関わることでハッピーになる人の輪を広げていきたい。PM時代はプロジェクトの中に閉じていたその輪を、課長代理として、そして将来的にはさらに上のポジションで、もっともっと大きくしていくのが目標です。

石川 太己 石川

私もチームで成果を出すことにこだわっていきたいです。チームとしてできることを増やし、組織としての提供価値を高めていく。それが結果的にお客様への貢献につながり、私自身のキャリアの幅を広げることにもなると信じています。

黒川 知也 黒川

お客様とは、単なるビジネス上の付き合いを超えた、究極のパートナー関係を築きたいです。NTTデータの発言は、どのようなものであっても、「すべてが事業成長のためのものだ」と心から信頼してもらえるような存在になりたいですね。そして自分自身のキャリアとしては、理想の管理職を追求していきたいです。「管理職」というと目線が下向きの印象がありますが、以前、上司から「管理職は未来をつくる仕事だ」と聞き、感銘を受けました。AIが台頭する時代に、私たち人間の価値はどこにあるのか。組織が進むべき道を示し、皆を未来に連れていけるようなリーダーになるのが夢です。

原田 祐輔 原田

私たちの組織はエンゲージメントスコアが高く、働きがいのある良い組織だと自負していますが、今の形がベストだとは思っていません。これまでの先輩方が築いてきたものを受け継ぎながら、これから入社する方々とも一緒に、さらに良い組織にブラッシュアップしていきたいですね。

お客様と正面から向き合い、事業の成功にコミットする責務。その中で生まれる強い信頼関係と、挑戦を支える組織文化。その両方を享受できる情報サービス開発統括部は、プロジェクトマネージャーとして、そして一人のビジネスパーソンとして、どこまでも成長し続けられる場所だと言えるでしょう。変化の激しい最前線で自らの価値を試し、お客様と共に未来を創造したいと考える方にとって、これ以上ないフィールドがここに広がっています。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです