入社2年目で実感した、人と人とをつなぐ難しさと大切さ
第二公共事業本部へ配属後、最初に担当したのは、銀行や官公庁などのお客様を中心に、自社OCRソリューションの「Prexifort-OCR」を用いて、紙の情報を電子データ化するプロジェクト。膨大なデータを手作業で管理していたお客様の業務を、技術で効率化できる面白さにのめりこんでいったと言います。
入社2年目からはNTTグループで研究・開発された純国産のRPAソリューション「WinActor」の導入・運用プロジェクトを担当。さらに、製品の海外展開に向けたベトナムでのサポートセンター立ち上げプロジェクトに抜擢されることに。この経験を通じて、「人と人とをつなぐ難しさと大切さ」を学べたことが印象的だったと語ります。
当時は現地メンバーと週1回のWeb会議で、進捗確認や情報共有を行っていました。ただ、ベトナム側のビジネスを把握している現地メンバーが必要としているものを、日本側が上手く汲み取れていないことも多くあり、大きなズレのようなものを感じました。その中で、若手の海外渡航を支援する社内施策を知り、「実際にベトナムを訪問して現地を知ろう」と思い、半年間にわたり出張することになりました。
現地を訪れると、マーケットやローカルルール、言語のニュアンスなど、日本にいては見えなかった違いや課題が浮き彫りになりました。最初のうちは現地のメンバーとの距離も感じていた片野でしたが、ある出来事をきっかけに信頼を集めることになります。
現地の企業を回って現場を知るため、はじめは営業メンバーに同行し、支援していました。ただ開発側でのエラーやトラブルが多く、対応に苦慮していることがわかりました。確認してみるとこれまで日本で遭遇した事例と近いことがわかり、日本側のエンジニアと協力しながら対応方法を明確化していきました。結果として、技術面でも貢献することができ、「片野に聞けばわかる」という信頼も得られました。
日本とベトナム、双方の理解を深めることで「自分がつなぎ役になろう」という強い思いが芽生えたそうです。
組織を越えた協力関係が、大きな成果につながっていく
ベトナムからの帰国後は、「WinActor」拡販のためのポータルサイトや問い合わせシステムの開発プロジェクトへ参画することに。フロント側の開発は初の経験だったため、UI/UXを意識した開発は技術の幅を広げる良いきっかけになったそうです。また、「頼れる仲間が近くにいる」というNTTデータの魅力にも気づけたと言います。
サイトを利用するユーザー数が想定以上に増え、アクセスが集中した際にサイトに接続しづらくなるなど、性能面の問題が発生しました。クラウドサービスを利用した開発でしたが、当時はノウハウが少なく対応に時間がかかっていました。その際に、社内のスペシャリストに現行のシステム構成や提供しているサービスの特徴などの情報を伝えたところ、迅速かつ的確に改善策をいただけました。
これはあくまで一例ですが、NTTデータには、社外で表彰されたり、高度な資格を複数取得していたりするような、幅広い領域のスペシャリストが多くいます。困ったときにすぐに相談でき、高度なフィードバックを得られるのはNTTデータの魅力だと感じました。
そんな片野にとってターニングポイントとなったのが、2021年から3年にわたり担当した「ServiceNow®」を活用した大手通信キャリアの業務標準化・高度化のプロジェクト。部署としても初めての試みとなる中、多くのトラブルを乗り越えたことでチームワークの大切さを強く実感することとなります。
これまでのRPA開発は範囲が限定的だったのに対し、本プロジェクトはお客様の組織全体のワークフローの統合・効率化を行うという規模の違いもありました。手探りで進む状況の中で課題が山積みになり、私の組織の開発チームだけでは対処しきれない状況に陥った際、大きな支えとなったのが、社内の「ServiceNow®」の専門チームと、営業チームでした。
専門チームが持つ技術面のノウハウや、営業チームの丁寧な顧客対応など、チーム一体となって動くことで多面的なアプローチができ、無事にリリースと運用開始を実現。今ではお客様の講演会で事例として紹介されるほどの成功を収めました。
一人の力では到底到達できなかったと実感するとともに、あらためてチームワークの偉大さを感じた片野。組織横断で危機を乗り越えたこの経験が、新たなキャリアを歩むきっかけになっていきます。
目指すのは、「人と人とのつながり」の起点となる存在
入社以来、RPAのスペシャリストとして着実に成長を続けてきた片野は、これまでの経験を踏まえ、新たなポジションへの社内公募を決意します。選んだ先はテクノロジーコンサルティング事業部。すべてのインダストリ分野と連携し課題解決に向き合える組織であり、「人と人とのつながり」の大切さを感じていた片野にとって、最適な環境に感じられました。
また「ServiceNow®」のプロジェクトで新たな気づきを得たことも、チャレンジのきっかけの一つになったと語ります。
プロジェクトを通して実感したのは、より俯瞰的かつ、本質的な課題をあらかじめ見つけることができていれば、もう少しスムーズに開発できたのではないかという思いでした。そのため、前工程から参画できるコンサルタントにチャレンジしてみようと思ったんです。
現在は、お客様の全社DX推進のデータ活用基盤開発プロジェクトに参画し、PMOとAIを活用した分析機能の開発におけるチームリーダーを担当している片野。「エンジニア」と「コンサルタント」、異なる業務の進め方がある中で、これまでの経験が強みになっていると言います。
「そもそもデータ活用とはどうあるべきか」「そのためにどのような技術が最適か」など、お客様の実現したいことの解像度を上げ、実現に向けて最上流から携われるコンサルタントの仕事はとてもやりがいを感じています。「まずはやってみる」というスタンスが部署全体にあることも、今までにない刺激になっています。
クイックかつ臨機応変な対応を求められることが多いですが、お客様の中には時間をかけて着実に進めるスタイルを好まれる場合もあります。そういった際に、エンジニアとして培ってきた、一つひとつのフェーズを着実に積み上げる経験が活きていると感じます。さまざまなお客様のスタイルに合わせた対応ができるのは、私の強みの一つかもしれません。
異動から2年目を迎える片野が目指すのは、「ファーストアクションはまず片野に」と頼ってもらえるような、「人と人とのつながり」の起点となる存在になること。これは、多くの人と関りを持ってきた片野だからこそ思い描けた目標です。
これまでたくさんの人に助けてもらってきたからこそ、「人と人」や「人と情報」をつなぐハブのような役割を担えると思っています。私を起点にインダストリや職種の垣根も越えた協業関係が生まれ、お客様に還元することができたら、これほど嬉しいことはありません。
約20万人もの多様なプロフェッショナルが活躍しているNTTデータ。片野のように、組織の枠にとらわれず、それぞれが持つ強みを掛け合わせる姿勢こそが、困難な課題も解決へと導くことができる鍵となっています。


