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私たちの仕事は「銀行の未来」を作ること。新たなチャレンジに踏み切れる人財はここで育つ

地方銀行5行が共同で利用する基幹系共同センター「MEJAR(メジャー)」プロジェクトの統括を務める鈴木。入社してからの26年間、重要な金融システムのプロジェクトに尽力し、複数の新サービス立ち上げに携わってきました。決して楽な道のりではありませんでしたが、鈴木は「できることならもう一度サービス立ち上げを経験したい」と笑顔で口にします。新しいことに前向きなマインドを胸に四半世紀を走り続けてきた鈴木がマネジメントするチームの特色を通じ、どのような人財が育つのかを探りました。

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地方銀行5行の“心臓”。止めずに進化させる重要さとやりがい

1990年代後半は、ITによる技術革新の兆しが見え始めていた時代。CPU系の技術で世の中を変えていくことができるのなら――そう考えた鈴木が入社先に決めたのは、当時から社会影響力の強いシステム開発に携わっていたNTTデータでした。2022年現在も、NTTデータは変わらずにITで社会インフラを支えています。入社26年目となる鈴木は、今年4月から、地方銀行5行が共同利用する勘定系システム「MEJAR」プロジェクトのPM兼統括部長として、現行システムの開発・維持・運用およびDX推進・拡大を進めています。

MEJARは、銀行の心臓ともいえる基幹系システムを中心に司るシステムです。私たちの現在のミッションは大きく分けて3つ。一つ目は、基幹系の現行機能を損なわないままオープン基盤でも動くようにすること。二つ目は銀行業務そのものを効率化することでお客様のコスト削減に貢献するDX推進。最後に、新たなサービス創出のための提案活動です。継続も変化も並行して行なう、それが「銀行の営みを支えるシステムを作る」ということ。この是非によって銀行の競争力が変わってきますから、私たちはまさにお客様の事業を下支えしている存在です。

MEJARの特長は、地方銀行5社がシステムを共同利用することにより、運用コストを抑えられるということ。構図的には1対多ですが、お客様が頼れる相手はNTTデータのみ。実質的には1対1の関係でお客様と向き合っていくことになります。

今、銀行、とりわけ地方銀行は、外部環境の変化に伴い、新たな提携関係の構築や事業の多様化が加速する中で、事業拡大に資する新たなデジタルサービスをどう活用していくべきかを求められる時代です。未来の銀行とはどうあるべきなのか、正解は誰も持っていません。提案の際には海外事例や他業態の事例を探し出して参考にすることもあります。変化の時期の今だからこそ、これをビジネスチャンスと捉えて、お客様に適切な提案をすることで、さまざまな新しいことができると思っています。

銀行事業を行なう上で最も重要なシステムを任されることには、責任も伴います。MEJARプロジェクト以前にも多くの金融系システムのプロジェクトに携わってきた鈴木が歩んできた道のりは決して容易くはありませんでした。それにも関わらず、鈴木から出てくる言葉は「やりがいがあって楽しい」という前向きな言葉ばかり。そこには、鈴木自身の過去の経験が大きく関わっています。

かつて助けられたマネジメント手法を受け継ぎハイブリット人財を育成

MEJARのプロジェクトに携わっている人数は、関連会社や協力会社のメンバーを含めて約500名。それらの人数を取りまとめてプロジェクトを推進するのが、統括部長である鈴木のミッションです。求められるのは、鈴木自身が個人を育成するのではなく、組織を対象としたマネジメント。組織のトップが持つ次世代育成方針によって部署の色は変化します。第二金融事業本部第三バンキング事業部のマネジメントの特色はとにかく丁寧であること。その理由には、かつて鈴木自身が周囲のサポートに助けられた経験があるといいます。

入社6年目のタイミングで、新規システム立ち上げのチームリーダーに抜擢されました。若手中心、かつ6名のチームでしたが、それぞれ個性や強みが異なっている少数精鋭チームでした。サーバー・基盤に強いメンバーや業務系に強いメンバーなどが集まり、それぞれの強みを活かし助け合いながら成功させることができました。当時の部長には「責任は取るから思いきりやっていいよ」と声をかけていただきました。言葉だけでなく、助けが欲しい場面では何も言わずサッと助けてもらったことも、成功できた要因の一つだと思います。

当時の鈴木を突き動かしていた原動力はこのチームメンバーでした。「この人が頑張っているなら、自分も頑張ろう」と思えるほど熱心に取り組む仲間が傍にいたから、助け合って難題をクリアできたといいます。その経験があるからなのか、第三バンキング事業部は、各々の強みを活かして助け合う組織になっています。
例えば、悩みに応じて、直属の上司からではなく、違う部署のリーダーからさりげなく声をかけて相談に乗るなどです。

助け合い、伸びやかにチャレンジできる土壌を整えることに加えて、鈴木がもうひとつ大事にしていることがあります。応用力のある「ハイブリットエンジニア」の育成です。

基幹系とDXを分けるのではなく、双方で活躍できる「ハイブリットエンジニア」が多くいる組織を作りたいです。。
基幹系システムは、いわばエンジニアの教科書のようなもの。ゆえに基幹系システムで活躍しているメンバーは、DXシステムでも即戦力で活躍できるでしょうし、DXシステムで活躍したメンバーを基幹系システムにアサインすることで新しい考え方ややり方を展開していってほしいと考えています。
そうすることで、幅広い知識と経験を持ったエンジニアが活躍でき、組織全体としての幅も広がっていくと思います。ですので、私自身もメンバー一人ひとりが応用力を発揮できる仕事をアサインするように意識しています。

基幹系システムとDX推進。両方を併せ持つMEJARプロジェクトでは、経験できるプロジェクトの幅も広いことでしょう。金融系プロジェクトの中で最高峰の難度と社会貢献性があるこの仕事は、ITエンジニアとしてのキャリアを大きく発展させてくれるに違いありません。

挑戦は楽しい。だから次世代に数多くのチャンスを与えたい

NTTデータで26年の年月を重ねた鈴木は、今後もNTTデータで「新しいことにチャレンジしていきたい」と言います。さらに「欲を言えば、あと一つ新しいサービスの立ち上げをやりたい」とも。過去にさまざまな新規サービスの立ち上げを経験してきた鈴木が感じる新サービス立ち上げの魅力とは何なのでしょうか。

サービスの立ち上げって、まるで子供が生まれるような感覚があります。私の手を離れても「あのサービス、お客様が増えているよ」と聞くと、わが子が立派に育ったような感覚になるんです。新しいものを作り出すのはとても大変ですが、その過程でさまざまな人に会い、いろいろなことを経験するのは何物にも代えがたい楽しさがあります。新しいものを作るマインドは自分自身でも常に持っていたいです。

「新しいことへのチャレンジは、大変さよりも楽しさややりがいが勝る」――鈴木は、そのマインドを後輩たちにも受け継いでいってほしいといいます。実際に、意欲ある若手社員を新たなアジャイル開発のプロジェクトにアサインする、リーダーに抜擢するなど、柔軟な采配でメンバーの成長を支えています。

プロジェクトメンバーが新しいことに挑戦できるようにサポートし、挑戦するマインドを次世代にバトンタッチすることが、自分の大切な役目だと思っています。

MEJARプロジェクトに求められるのは継続と変化。既存の高品質、高信頼なシステム提供を「継続」しながら、銀行の未来のために「変化」を提供する必要があります。その難題を成し遂げる中で、「挑戦には価値がある」と背中を押してくれる土壌には、大きな価値があるのではないでしょうか。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです