コロナ禍で転換期を迎え、新たなビジネスを模索する保険業界
保険ITビジネス事業部は、生命保険会社、損害保険会社、共済団体などのお客様に、個社向けのSIを提供してきました。保険業界はグローバルへの投資に加え、DXによる事業変革のためのIT投資に積極的なお客様が多く、NTTデータとして支援機会に恵まれた環境にあります。一方で、国内の経済状況や金融状況にビジネスを左右される業界でもあるため、コロナ禍の影響を受けて顧客接点の在り方が課題になるなど、業界全体が事業形態の変化を含む転換期を迎えています。
種村が率いる保険ITビジネス事業部もそうした変化を捉え、コンサルティングやアセットをベースとしたビジネスモデルへの変革推進、先進的な技術への投資や取り組み強化、グループ会社や協力会社との連携によるデリバリ体制の整備などを進めることで、保険業界におけるプレゼンスや提案力を高めていくことを目指しています。
例えば生命保険会社では、いわゆる加入から支払いまでという「点」の顧客接点だけでなく、健康な生活や豊かな老後などを長いスパンで支えていく「面」で捉えるサービス提供が求められています。各社が新たなサービスを模索しており、ますますNTTデータの支援機会が増えています。
自動車業界、リテール業界、交通業界、電力業界、医療分野、公共分野など、保険会社が知見を取り入れたいと考える各分野には、NTTデータがシステムを提供するお客様がいます。これまで培ってきた幅広いノウハウを活かすことが「NTTデータの強み」となり、競合他社に対する差別化にもつながると言います。
NTTデータのもつノウハウや技術を活用することで、医療機関が蓄積した医療データから新しい保険商品やサービスを生み出したり、健康を支えることへのサポートを通してヘルスケア事業を支えることも可能になります。
損害保険の分野でも、貿易のブロックチェーン技術を使った新しい決済やトレードのあり方が誕生する中で、保険会社が価値の転換に伴うリスクを補うシーンが出てきており、我々がそれらをデジタルでつなぎ合わせるという事案が生まれています。
自然災害が激甚化する中で、そのリスクを正確に把握し保険会社と自治体が一緒になって住民をサポートすることで、復興に必要な支払い査定期間を短くするといった取り組みも進んでいます。
被害にあった方たちをより早くより正しいサービスに結びつけるなど、公共とともに社会課題の解決に取り組む保険会社を、NTTデータの技術で支えていくことができると種村は考えています。
保険会社の使命は、未来の変化を予測し先回りすることです。既存の商品やサービスの枠を超えた新しい価値の提供にチャレンジし続ける未来志向のお客様とともに、アンテナを張り、未来を予測し、成長のために投資をすることで、より良い社会作りに貢献できることが事業部の魅力だと思っています。
NTTデータだからこそ提供できる業界への価値
種村は新卒で保険会社に総合職として入社し、各種業務を経験したのちに、本社のシステム部門に社内SEとして配属されました。そこで全社を挙げたシステム再構築プロジェクトに携わり、ITの奥深さを知ったことが、キャリアの転換点になったと言います。
当時から、商品設計や手続きの中でシステムが果たす役割は大きく、事業に欠かせない存在だと認識していました。一方で、その開発については具体的なイメージがなく、SEとなったときに初めてユーザーと要件定義からシステムを作る楽しさと難しさ、プロフェッショナルとして技術要素を身につけていく面白さを感じ、もっと多くの経験を積みたいと考えるようになりました。
しかし、一つの保険会社でシステム再構築のような大きなプロジェクトに携わる機会は十数年に一度です。保険会社のさまざまな課題に対応し、サービスや商品を提供する機会を得るためには若い時期に保険会社を出るべきと感じ、種村はSIerへの転職を決意しました。
自分が転職活動をしてみて感じたのは、「進行中のプロジェクトに対してマッチするスキルを持った転職者を採用する」というスタンスのSIerが多かったことです。
そんななかでNTTデータは、スキル以上に「組織を成長させていきたい」「お客様のパートナーとして価値を発揮していきたい」といった夢や志を会社と共有できる人材を求めていたことが印象的で、入社の決め手になりました。
いまは採用する立場になりましたが、「スキル以上に志や価値観を大切にしたい」というスタンスは変わりませんね。
それから20年近くにわたって生命保険、クレジットカード系などのお客様と接点を持ち、損害保険会社も含めた幅広い企業を支援してきた種村は、「NTTデータが持つアセットやノウハウを活用することで、保険業界に新たなビジネスを提供できる」と話します。
例えば保険領域で現在注目されているのは、保険会社が蓄積してきた膨大なデータを、よりパーソナライズされた情報として活用する技術です。データそのものを深化させることで、商品を開発するための単なる統計ではなく「被保険者」の個に目を向けることが可能になります。
営業職員や代理店を通じたお客様像ではなく、保険会社がよりダイレクトにお客様を知り、データを活用することが求められるフェーズにきていると思います。
これまではそうした技術の存在を伝えるだけでも価値がありましたが、情報の入手が容易となる中で、今後は「将来、主流になる技術は何か」「現時点でその技術の成熟度はどうなのか」などNTTデータとしての見解を提供することで、一段高い価値を発揮していくことを見据えています。
データ分析やAIなどのテクノロジーの進歩によって、保険会社とお客様の距離を近づけることが可能になったと種村は話します。”保険商品という「点」だけでなく、ライフスタイルを「面」で捉えた新たなビジネスを実現できる“と確信しています。
事業部が目指すのは「困ったとき最初に声が掛かる」存在
種村は事業部長になる直前のプロジェクトで、コロナの影響で対面営業が難しくなった保険営業職員向けに、リモート操作も可能なタブレットを活用した独自のWeb面談システムの構築を担当。保険会社のビジネス変革に寄り添ってきました。
数万人の営業職員が使うシステムですから、導入に1年以上を要するのが当たり前です。ですが、遠隔でのお申し込みができず、業務が行き詰まった職員の皆様が苦しんでいることを目の当たりにし、「コロナが終息してから提供しても意味がない」と6カ月という短期間での提供を実現しました。開発チーム全員が共通の目標を持ち、お客様の課題を自分事と認識し、メンバーそれぞれが役割を果たしたからこそ、工期短縮が実現できたと感じています。
目指しているのは「困ったことがあったとき、まずはNTTデータに相談してみようと最初に声をかけて頂ける存在」という種村。そのために、業界を変えるテクノロジーの知見を持ったエンジニアはもちろんのこと、保険を含む金融ビジネスを俯瞰的に見ることができる人財も揃う組織を作ろうとしています。
デジタル技術に関する知識を持った経験者も入社していますが、IT領域は未経験ながら「保険業界をもっとよくしたい」「テクノロジーで課題を解決したい」という想いや志を持って入社したメンバーもいます。
経験者採用においても「点」のスキルマッチではなく、長くさまざまな場面で活躍していただくためにも、想いや志などの「面」のマッチングを大切にしたいと考えています。
そのために当事業部では、入社後も一人ひとりに専属の先輩社員がついて伴走し、その人個人のスキルやキャリアビジョンに合わせた専用の育成計画を作るとともに、定期的な面談で不安なくキャッチアップができる育成スキームを整えました。
経験者採用のメンバーが多い事業部だからこそ、経験や知識がない中途入社メンバーも業務を通じて育成していくというマインドが組織に浸透しており、「一緒にキャリアビジョンを築いていく」という組織カルチャーを醸成できていると言います。
自社サービスの枠にとらわれてしまうのではなく、デジタルの力を使って業界全体に貢献できるのが私たちの強みであり、大切なのは社会やお客様の抱える課題を解決したいという志です。
経験不足や技術不足も乗り越えられるサポートや仲間が存在する当事業部で、業界やお客様と共に成長しチャレンジしたいと思う方を歓迎します。一緒に新たなビジネスを切り開いていきましょう。