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開発と営業の二刀流を経験。真のお客様視点を持ったからこそできる、労働金庫の本質的な業務変革

ろうきん事業部は、全国13拠点の労働金庫が利用する勘定系などの基幹システム開発・保守から、業務支援のサブシステム、そして各金庫における事務負担削減を実現させる事務集中サービスまで幅広いご支援を行っています。開発と営業のキャリアを積む人財として、事業部内の期待を集めるのが入社6年目の蓑島温志。開発と営業、それぞれのキャリアで得たもの、そしてNTTデータで今後挑戦したいことについて蓑島が語ります。

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2年目に知った、チームで大規模案件を遂行する楽しさ

大学では物理学を専攻していた蓑島。物理シミュレーションでシステム構築の経験があったため、入社前からプログラミングには慣れ親しんでいたと言います。蓑島が就職活動を始めた2016年は、IoTの注目度が高まった年でもあり、世の中はITの話題に事欠かず、就職先にIT企業が候補に挙がるのは必然でした。

さらに就職活動において、蓑島は大きな3つの軸を掲げていました。1つ目は、多くの人に影響を与える仕事に携われること。2つ目は、幅広い分野に挑戦できること。最後は、チームで協力して目標を達成できる仕事であることでした。

学生時代もチームで研究をしていたことから、個人で黙々と仕事をするよりも、みんなでディスカッションを繰り返し、より良いものをつくる工程が好きでした。大学でのプログラミング経験を活かしつつ、チーム力も発揮できる仕事を考えた時に、「ITだ!」と思い立ちましたね。

金融分野に強みを持つNTTデータは、社会インフラとして機能する大規模システムを取り扱っています。多くの人が日常で利用する金融システム=影響力のある仕事に挑戦できるかもしれない、という期待を胸に入社を決めました。

入社後の配属先は、ろうきん事業部の労働金庫担当。勘定系システムの保守・運用を担いながら、1年目から開発・設計にも挑戦しました。勘定系システムは、お客様の日常金庫業務に密接に関わっています。深い業務理解がないと、開発・設計が始まりません。まずは様々な開発案件の中で、一連の細やかな業務フローの熟知に勤しむ日々。金融業界の知識がない蓑島にとって、最初の難関だったと言います。

先輩社員の手厚いサポートを受けながら、急速に金融知識や開発スキルを身に付けた蓑島。入社2年目に抜擢されたのは、大規模案件でした。4年がかりで改修が行われる案件の最終フェーズに参画。ここでも多くのことを学び、今後のキャリアを拓く鍵となる“人脈”を得ることに。

小規模案件と大規模案件は、意識するポイントや関与する部署と人の数がまるで異なります。長期的な視点を持って、マイルストーンを置き、進捗に応じて計画を練り直す。その繰り返しが大変でした。関係各所と連携を図りながら開発を進め、いよいよリリースとなった時は、みんなでゴールまで駆け抜けた清々しい達成感がありました。チームで仕事をする楽しさを改めて実感した瞬間でした。

その時にお世話になった人たちとは、今でもつながりがあります。業務で何か困りごとがあれば、気軽に声を掛け、助け合います。そんな「社内コネクション」を得られたことが、今のキャリアにも存分に活きています。

開発から営業へ。両者を経験し得たものは、真のお客様視点

蓑島に転機が訪れたのは、入社3年目、2021年の冬。ろうきん事業内の営業部へ異動が決まります。

正直、とても驚きました。上司からは「受注したら開発部に戻ること」と「営業部へ異動するミッション」を丁寧に説明してもらえたので、モチベーションを保ったまま異動することができました。ミッションは、新規サービスの提案を開発者目線で支援してきてほしいというものでした。

業務も違えば、文化もまるで違います。右も左もわからない状態で走り出した営業としてのキャリア。新規システムの受注を目標とし、今自分ができることは何かをひたすら考え、全力で食らいつく日々だったそうです。少しずつお客様のニーズが見えてきた頃、開発担当時に培った知見とノウハウを活かした提案ができるように。

新規サービスの提案時、業務フローの課題について話をします。勘定系システム開発での経験を活かし、より具体的な提案を行うことができました。「お客様の業務を理解できている」ことで、信頼を獲得でき、スムーズに商談が進んだように思います。過去の経験は何一つ無駄にはならず、どんなことも活かす場があることを実感しました。

その後、新規サービスは受注へとつながります。営業部でも成果を上げた蓑島は、新規システムの初期構築・機能開発を担当するため、開発部へ戻ることになりました。開発から営業、そして開発へとキャリアを重ねることで得たものは何だったのでしょう。

営業部を経験し得たものは、2つあります。開発目線では見えてこなかった、お客様の真のニーズに気づけたこと。もう1つは、開発部と営業部の架け橋となるような大切な役割を担えたことです。

どんなシステムも開発することがゴールではなく、お客様の課題を解決したり、社会の役に立ったりすることで存在意義が生まれます。開発担当になっても、「どうしたらお客様のご要望に応えられるだろう」という視点がより一層強くなりました。そして開発と営業のポジション特性を理解している私だからこそ、シームレスな組織づくりに貢献できると考えています。

大変な経験も自らの糧にできているのは、NTTデータに根付くチーム力があったからだと蓑島は言います。困った時には「一人ではない、みんなと協力して進めていこう」と上司が言葉を掛けてくれました。営業部にてミッションを達成する際にも、開発担当時に培った人脈を活かし、乗り越えてきました。過去の経験で関わってきた人たちが、蓑島の挑戦を後押ししてくれています。

お客様とともに、より良いシステムづくりを目指して

蓑島が営業から開発まで手掛けたシステム「データ連携基盤」は、勘定系基幹システムやサブシステムと、フロントシステムをつなぐハブのような役割を持っています。「データ連携基盤」を導入することで、お客様が手作業で行っていた事務業務を自動化し、効率化させることができます。

たとえば、新規口座開設の申し込みについて。これまで金庫の後方事務ではユーザーの申し込み情報を手入力した後は、スキャンをして…と大変工数が掛かる作業でした。工数が掛かる分、ヒューマンエラーも誘発しやすいです。そこに「データ連携基盤」を導入すると、ワンクリックで口座開設事務が完了します。お客様からも「作業が楽になった」とうれしい声を頂いています。

現在は、保守・運用を担いながら、さらなるニーズを発掘。蓑島自身が開発と営業の架け橋となり、新しいシステム開発業務に取り組んでいます。労働金庫様と新しいシステム開発をする中で、蓑島は自身の介在価値をしっかりと感じられると言います。労働金庫様は金融業界内でも、比較的柔軟な組織。新たなアイデアでも受け入れてもらいやすく、パートナーとして肩を並べ、ともに仕組みづくりができる醍醐味があります。その一例が、iDeCoの店頭受付の効率化。既存システムの機能とデータを利活用することで、エンドユーザー様の入力の手間も職員様の確認の負担も削減できました。また、全国各地13拠点の文化特性を理解しながら、幅広く介入していける面白さもあります。そんな労働金庫様と今後、取り組みたいことがあるようです。

これからもお客様視点を持ちながら、さらに新しい技術を学び、より良いサービスやシステムを提案・開発していきたいです。たとえば、AIやビッグデータの活用など、金融分野にとらわれず多様なアセットを活用して、新しい価値や発見を提供できたらうれしいですね。

NTTデータは、多岐にわたるシステムを開発・提案していますから。「やってみたい」と手を挙げれば、何でもできると思います。

入社してからずっと、蓑島は「挑戦」に前向きです。誰かが旗を振れば、みんなが協力し合うチーム力。長年蓄積されてきた膨大なナレッジと多彩なリソース。それらが揃うNTTデータだからこそ、実現できること。蓑島のようにお客様の本質的なニーズをとらえた開発を学び、さらなる飛躍を目指せる環境が、ここにはあります。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです