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目指したのは「NTTデータのこれからと人柄を伝える」新たなコミュニケーションの場【NTT DATA Foresight Day2024レポート 後編】

2023年まで毎年開催してきたNTTデータの先進的な取り組みを紹介するイベント「NTT DATA Innovation Conference」をアップデートして開催された「NTT DATA Foresight Day 2024」。コロナ禍を経て数年ぶりのリアル開催となった本イベントには、どのような想いが込められていたのでしょうか。レポート後編ではイベント実施に尽力してきた経営企画本部 広報部の濱谷に、盛況のうちに終わったForesight Dayの舞台裏を聞きました。

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「提言・実装・成果」を伝えるため、ゼロベースで企画・構成された新たなイベント

――まずは、イベント開催お疲れ様でした。コロナ禍ではオンライン開催だったイベントを、今回リアルで開催するにあたっては、ご苦労も多かったのではないでしょうか。

最後にリアルで開催した2020年と会場は同じ(ANAインターコンチネンタルホテル東京)ですが、この4年間、あれほどの規模でイベントを開催したことはありませんでした。毎年来場者に来ていただいていた頃は、事前申し込みをいただいた人数のうち、何割くらいの方が当日いらっしゃるかなどの見込みを立てるナレッジがあったのですが、コロナ禍でビジネスイベントのトレンドも変化し、今回はまったく見通しが立たない状態。開催直前まで不安がつきなかったです。それでも期待通りたくさんの方々にお越しいただき、新たなチャレンジもできたので一安心といったところです。

――新たなチャレンジというお話もありましたが、今回のイベントは、「Foresight Day」とタイトルもリニューアルしての開催となりました。どういった背景がありましたか?

今回のイベントは、2023年に私たちNTTデータが持株会社のNTTデータグループ、海外事業のNTT DATA, Inc.との3社体制に移行し、国内事業会社として新たにスタートしたタイミングでの開催ということが大きかったです。日本国内でも事業をさらに拡大させていくにあたって、伝えたかったのは「NTTデータはITベンダではなく事業変革パートナーである」ということ。そこからさらにアップデートされた「提言・実装・成果」という目指すパーセプション(認識)を打ち出していきたいという想いから、今回のイベントは既存踏襲ではなく開催形式・ターゲット・コンテンツなどあらゆる観点をゼロベースで企画検討し、設計しました。

実現したかったのが、私たちNTTデータとお客様のリアルなコミュニケーションの場として活用してもらうこと。そして、大きなテーマであるForesight=未来に向けた洞察を、「提言」として我々が示せるということを感じ取ってもらいたかったんです。そのために、以前までのイベントとは異なり、今回は「これから業界はどうなっていくのか」「この領域はどう変化するのか」という先を示すコンテンツを中心に講演を構成しました。中身だけではなく、ディティールにもこだわり、イベント名称やKV(キービジュアル)なども一新し、見た目からも変化を感じてもらえるように工夫しました。

――お客様に伝えたいこと、示したいことが変化しているからこそ、イベントそのものをゼロから考えていく必要があったのですね。そうした中で、各講演コンテンツの選定についてはどのように進めたのでしょう?

なんらかの提言を打ち出すコンテンツとするために、各業界の未来像を描くThought Leadersに登壇してもらい、コンサルティング力を示せるセッションを多く集めました。特別講演は、社長の佐々木が全体基調を作った上で、Businessとそれを支えるTechnologyのForesightをそれぞれ有馬副社長と田中技術革新統括本部長が提言として示す構成です。社会貢献をどのようにビジネスとつなげていくかというフェーズにあることを踏まえて、サステナビリティ経営推進部の池田部長とソーシャルデザイン推進室の濱口室長にも登壇してもらいました。
そうした大きな枠組みを示しつつ、個別の分科会という形でそれぞれのテーマに特化した講演を用意していきました。

各講演では、やはり「物流クライシス」などの社会問題や、「生成AI」といった先端技術のテーマに注目が集まっていたと感じています。グループの総合力としてのコンサルティング力を示すべく、コンサルティングサービスを提供するNTTデータ経営研究所クニエを巻き込んでトップコンサルタントに登壇してもらうことにも挑戦しており、こちらも多くの方に聴講いただきました。

世代、領域、業界を超えたコミュニケーションの機会に

――佐々木社長の基調講演では、20代の若手プレイヤーであるtalikiの中村 多伽氏が印象的でした。世代も領域も異なる対談はどのように実現したのでしょうか?

佐々木が社長に就任してから、折に触れて「若手の声を経営に活かしていきたい」という想いを語ってきており、それを体現する社内施策として若手有志が集まる「未来を語る100人プロジェクト」なども動いています。中村氏にご登壇いただいたのもそうした佐々木の「若い世代が何かを考えて、どんな行動を起こそうとしているのかを知りたい」という想いを反映したものです。中村氏のように社会課題の解決にフォーカスし、小回りを利かせながらアクセラレートしている方と、NTTデータという企業の代表が話したとき、どこにクロスポイントがあるんだろうという面白さにも期待していました。

当日、お互いに何を話すのか台本はありませんでしたが、本質を突くような質問を交わし合い、想像以上に盛り上がっていました。新進気鋭の経営者と丁々発止のやり取りができたのは、日頃から若手世代のエネルギーに大きな期待を寄せている佐々木だからこそかもしれません。

――佐々木社長の講演では、「提言・実装・成果」を通して広く社会の変革に貢献していこうという意思が打ち出されていました。そうした想いを直接伝えられることも、リアルイベントならではですね。

Foresight Dayは、社長を筆頭にビジネス・技術・サステナビリティ領域の各役員の考えや各領域を代表するThought Leadersの未来展望について、お客様や聴講者の方、また社員などあらゆるステークホルダーの皆様と直接対話できる場です。だからこそ、各講演を通して「信頼できる人物なのか」という人となりを深く知っていただくことが重要だと考えています。

例えば現場の営業担当が、お客様の経営課題を知り、提言を考えていく過程で、今回のイベントを情報提供や新たな接点の場として活用してほしい。NTTデータはこれまでお客様の要望を尊重し、実装とその先にある成果創出に注力してきました。一方で「提言」はお客様の前に立って導き、ときにお客様の属する業界に対してものを言うことでもあります。だからこそ、きちんと我々が何を目指しているのか、自分たちの考えを示し、オープンにしていこうとしています。

社内には情報共有の機会も豊富にありますが、お客様が直接私たちの考えや情報に触れることで、「それなら、こんなことをお願いしたい」「あの人と話してみたい」という新しい糸口が生まれることもあるはず。実際に、イベント後にお客様から登壇者への接点を求める声もいただいています。

――今回のイベントではNTTデータが描く未来像を感じさせる体験展示も充実していました。これもコミュニケーションの場としての役割を意識していたのでしょうか?

そうですね。今回は社員とお客様が直接会える接点という価値を提供するために、イベント当日にNTTデータの営業メンバーが会場入りして、お客様をアテンドするプログラムを導入しました。体験展示もその一環です。

NTTデータは目に見える形のプロダクトを持つ会社ではないので、展示の形で示せるものが多くはありません。その中でも今回は来場者にリアルならではの価値を感じてもらうことを目的に「体感性」があるものを選定しました当日の体験展示は前編でご紹介しています)。加えて、デジタルヒューマンは生成AIを活用、におい・かおり産業は量子コンピュータ技術による新規ビジネスの創出、クロスモーダルAIによる高精度な分析、「tsuzumi(NTTが独自に開発した日本語版大規模言語モデル)」による流暢な日本語出力など、「先進技術の活用」も選定の観点でした。

もっと直接的に社会に影響を与えている技術や、課題を解決したテクノロジーを紹介することもできたのですが、あえて今回は「提言」をテーマに未来への期待を感じられる展示に絞りました。実際にどのように体験展示を活用できたのか、数や内容が十分だったかどうかは検証が必要ですが、多くの方にご利用いただけたのではないでしょうか。

進化していくForesight Day。「提言」に加えて「成果」も伝えていきたい

――1回目のForesight Dayを終え、来年以降に向けた展望として見えてきたものがあれば教えてください。

今回のForesight Dayには、約1,000名を超える方々にご来場いただきました。アンケート結果の集計や振り返りはこれからですが、当日会話ができた営業メンバーからはポジティブな声も聞くことができました。各種講演を通じた提言力の発信や、お客様と当社社員とのコミュニケーション強化など、狙っていた効果は手ごたえを感じています。

トラブルなく終えることができた一方で、これから反省点や改善点も出てくると思っています。振り返りを通じて、イベントの目的やコンセプトはチューニングしていきながら、私たちのパーセプション形成や、今後のビジネスにつながる場として進化させていきます。

――今回は「提言」にフォーカスしましたが、今後のイベントで打ち出していきたいNTTデータの強みはありますか?

NTTデータはこれまで高い「実装力」が評価されてきました。一方で、「提言力」についてはForesight起点のコンサルティング力を強化していかなければいけません。さらにその先では、お客様が目指すものにどれだけ貢献できたのかという「成果」についてもこれまで以上にこだわっていく必要があります。提言・実装して終わりではなく、お客様との信頼関係のもとでPDCAを回してフォローアップを行い、着実な成果創出につなげていくということがポイントになるのではないでしょうか。

成果は提言を行うコンサルタントにも、実装を行うエンジニアやスペシャリストにも関わる重要な指標です。サービスを提供して終わりではなく、成果をカタチにして、価値の提供にまでこだわれる会社であることを周知していく。今後のForesight Dayではそんな役割も果たしていきたいと考えています。

NTTデータには技術力や構想力のある、たくさんの魅力的な人財がいます。そうした人たちの考えや構想を広く伝えていくことは今後も継続していきます。また、当社にはグローバルの仲間もたくさんいます。そうした知見も国内に還流することで、新しい掛け合わせが生まれ、よりよい社会の実現につながるきっかけを作っていきたいですね。

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NTTデータはお客様と業界、そして社会に対して「提言」という新たな価値を示すことができる。「NTT DATA Foresight Day 2024」はそんなメッセージを発信するとともに、多くの方と交流を実現するためのコミュニケーションの場として再スタートを切りました。今後新しい歴史を刻んでいくことになるこのイベントは、これからも成長を続けていきます。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです