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2019年3月4日技術ブログ

Low-Code Platformがもたらすビジネスの変化

自動化技術は日々発展し、アプリケーション開発、基盤構築、テストなど多様な局面で活用されている。一方で、これらの自動化技術を集約したLow- Code Platform(ローコードプラットフォーム。以下、LCP)と呼ばれるものが登場し、従来のシステム開発のスタイルを大きく変える動きがある。

1. Low-Code Platformとは

近年Low-Code Platform(以下、LCP)と呼ばれる開発ツールが注目を集めています。代表的な製品としてはOutSystems、Mendix、ServiceNow、Salesforceなどがあり、一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

LCPは、プラットフォームと名がつくように、単純なアプリケーション開発ツールではなく、開発、実行、運用といったシステムのライフサイクル全体をサポートする開発プラットフォームとなっています。

LCPでは、GUI操作により、視覚的に画面、データ、ロジックといったアプリケーションを設計(モデリング)します。また、クラウドやDevOps環境を前提としており、定義したモデルから瞬時にソースコードを生成、ビルドし、クラウド環境へデプロイすることができます。自動化技術によりコーディング量を極限まで減らすことで高生産性を実現するだけでなく、プログラミング言語やシステム基盤などの技術スキルに強く依存せず、より多くのユーザーがシステム開発に関わることが可能となります。

No特徴概要
1視覚的なモデリングドラッグ&ドロップによるGUI操作を中心として、特定プログラミング言語の知識に依存せずにアプリケーションの設計をする機能
2デジタル技術への対応クラウド技術などアプリケーションを即座に実行するための環境の提供や、モバイル、IoT、アナリティクス、AI等を容易に開発/利用するための機能や環境の提供
3開発・テスト・運用環境へのデプロイと監視モデリングした情報から実行可能なアプリケーションを生成し、任意の環境に配備する機能。
また、配備されたアプリケーションの実行状況をモニタリングし、レポートする機能
4管理、コミュニケーションのサポートチャットやSNSなどで発注者やエンドユーザーと開発者間のコミュニケーションを促進する機能。
アプリケーションに対する要望や、不具合の報告などをシームレスに実現する。
5マーケットプレイスアプリケーションのテンプレートや、画面やロジックのテンプレート、さらには、細かな部品などの共有・再利用をおこなうための共用領域の提供

表1:Low-Code platformが備える仕様の特徴

図:Low-Code Platformを用いた画面編集の例(Outsystems)(※1)

LCPでは、業務要件の妥当性や実装との整合性などを動作可能なアプリケーションで容易に確認ができます。また、業務や機能の設計だけでなく、開発者とエンドユーザーの断裂を防ぐ基盤や、機能部品を共有する仕組みも提供することで円滑なシステム開発を実現しています。

2. Low-Code Platformがもたらすビジネスの変化

LCPが注目される背景の1つとして、近年のビジネススピードの加速に伴う、アプリケーション開発のニーズの増加とソフトウェア開発者の不足が挙げられます。IT部門主導ではなく、ビジネス部門主導でアプリケーションを開発し、新しいビジネスをより短い期間で始めようとする動きが盛んになっています。つまり、SIerなどにすべての開発を外注するスタイルから、ユーザー企業自身が中心となって開発するスタイルへと考え方が変わりつつあります。

LCPはその変革を後押しし、アプリケーション開発にビジネス部門も加われるようにし、これまで検討が進まずに後回しになっていたビジネス上の課題を消化したり、デリバリーの期間を数ヶ月から数週間に短縮したりすることができるようになります。

3.Low-Code Platformの今後

LCPの価値は、ITとビジネスを一体化させ、よりすばやく反復的に共同開発することだと言えます。LCPでは技術的要素が隠蔽されることで、より機能部分の検討に注力できます。どう作るかではなく、何を作るかに注力できるため、よりビジネスの現場の近くで活用されていくと考えられます。

そのため、これまで業務アプリケーションの開発を外注してきた企業が、LCPを用いて内製化する動きも活発化していくのではないでしょうか。SIを生業とする当社としてもこの動きは注視していく必要があるといえます。

※1実際のOutsystemsの画面キャプチャを加工したもの
https://www.outsystems.com/
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