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2021年7月21日INSIGHT

#5:GAIA.hr 人財領域の変革編

NTTデータが、自社の変革と社内システムへのデジタル技術の全面的適用を目指して立ち上げた、全社プロジェクト「Project GAIA」。第五回目は、人事関連業務の変革を目指す“GAIA.hr”プロジェクトについて紹介する。
目次

「変わらぬ信念」と「変える勇気」

私たちを取り巻く環境は、驚くほど速いスピードで変化することが当たり前となっています。
とりわけ、NTTデータが身を置くIT業界は、技術的な進化のみならず、ITに求められる役割、位置づけそのものが大きく変化してきました。

かつて“業務効率化”を目的に、主にコスト削減の手段として使われてきたITは、「デジタル」と呼ばれ、新たな製品やサービスを生み出すために重要かつ不可欠な存在となっています。そして企業の成長のみならず、理想の社会を実現するための手段として、社会全体を変えていく役割まで期待されるに至りました。

NTTデータは企業理念として“情報技術で、新しい「しくみ」や「価値」を創造し、より豊かで調和のとれた社会の実現に貢献する”を掲げています。これは、設立当初から一貫して変わらないNTTデータにとっての信念です。社会やITを取り巻く環境が大きく変化していく中で、この変わらぬ信念を守り続けるには、私たち自身が常に変化をし続けなくてはなりません。

現在の中期経営計画(2019年度~2021年度)においても、変わらぬ信念、変える勇気によってグローバルで質の伴った成長を目指すため、「グローバル全社員の力を高めることによる組織力の最大化」を重要課題の一つに掲げ、取組みを推進しています。

社員に“変化を促す”NTTデータの人事施策

このようにNTTデータの人事戦略は、常に社員に変化を促し、一人ひとりがそれぞれの能力を自ら高めること、そして社員がその能力を、十分に発揮できる組織づくりを目指してきました。ここでは、代表的な施策を3つ紹介したいと思います。

プロフェッショナルCDP

「プロフェッショナルCDP」はシステムエンジニア、営業といった職種別に“人財タイプ”(※1)を定義し、目指すべき人財像や成長の道筋を示し、その専門性とレベルを認定する制度として2003年に創設しました。

ビジネスを取り巻く環境変化に合わせ多様化を進め、直近では2021年にデジタルビジネスを牽引する人財像である“デジタルビジネスマネージャー”を新たに追加しています。

プロフェッショナルCDPを通じて社員に新たな人財像を提示することは、社員にキャリアの選択肢を伝えるだけでなく、私たちNTTデータがお客さまや社会から求められている役割の変化を、明確に社員に伝えることにも繋がっています。

ADP制度、TG制度

社員がより高い専門性を発揮することが出来るよう、2つの人事制度を新設しました。
Advanced Professional(ADP)制度は、旬のビジネス領域において、社外で卓越した知見を持つ即戦力人材を獲得するために2018年に創設した全く新しい人事制度です。
これと併せて、2020年には社内のスペシャリスト人財が、マネジメントを中心としたキャリアだけではなく、その専門性をベースとしたキャリアパスも描くことが出来るよう、Technical Grade(TG)制度を創設しています。

この2つ制度は、世の中のニーズの変化に応じた専門性のブラッシュアップや主体的なキャリア形成・キャリア選択に対する意識向上といった点で、社員の意識に大きな変化をもたらしています。

Digital Acceleration Program

NTTデータでは、2025年までに、すべての社員を「デジタル人財」にすると表明しています。これは会社としての目標であると同時に、社員がデジタルに対応することの重要性を認識し、それに向けた変化を促すためのメッセージでもあるのです。

会社としても、社員が日常の業務内容にかかわらず、デジタルに触れる機会を作るため、先進的技術領域に関する研修受講(OFF-JT)と、社内で最新デジタル案件を担当する部署に異動して2年間に渡る、留学ならぬ“留職”経験(OJT)を積む、デジタル人財育成プログラム「Digital Acceleration Program」を2019年より実施しています。

2年後、このプログラムに参加した社員は元に所属していた組織へ戻り、その部署におけるお客さまへデジタルを活用した提案を行うなど、“留職”経験を生かした活躍をしています。社員がデジタル人財へ変化することで、組織全体がデジタルに対応していく好例といえます。

(※1)NTTデータでは、最も重要な資産を社員と定義し、人材を「人財」と表現しています。

カギは社員の「タレント」

今後、私たちを取り巻く環境の変化は、より一層加速していくでしょう。予測することが困難ななかで、どのような方向に舵を切っていくかを考え、実行し、成果を出していくか。ここで鍵を握るのは、まさに一人ひとりの社員であり、その集合体がチーム・組織だと捉えています。
そのためには、これまで以上に多様な人財がそれぞれの能力を十分に発揮できるように、会社として仕組み提供していかなくてはいけません。そこで、NTTデータでは人財領域の重要課題として“タレントマネジメント(※2)の強化”を挙げました。

タレントマネジメントを適切に行っていくためは、社員一人ひとりの能力、スキル、特性、志向といった情報を把握する必要があります。しかしながら、現在のNTTデータの人事関連システムは、給与計算や人事業務のための情報管理を主な目的として構築されているため、システム内外に分散している情報を個別に集めてタレントマネジメントを実施する必要があり、決して十分な環境が整っているとは言えない状況です。

(※2)タレントマネジメントとは、持続的な企業成長に向けて、社員のタレントに着目し、人事の一連のプロセスを通じて、潜在的な能力や意欲を引き出し、タレントを最大限に活かすための戦略・仕組みを指します。

人事領域にもデジタルを GAIA.hrの立ち上げ

人事の領域に目を向けると、採用、配置、育成、目標管理、評価、処遇、後継者管理、キャリア開発とそれぞれのプロセスごとに、さまざまなデータが社員に紐づいていきます。そしてそこに能力やスキル、特性、志向といった社員の属性が加わると、社員一人あたりに数多くの人事関連データが蓄積され、全社員のデータとなるとその量は膨大なものとなります。この膨大なデータを最大限活用することが、タレントマネジメントの強化には不可欠で、そのために立ち上げたのがGAIA.hrなのです。

最先端のHRTechサービスを導入し、人事情報の管理を一元化。そこに集まる情報を分析し、新たな人事戦略を進めていく。社員に変化を促し続ける以上、会社としても最新の技術を活用して、変化に対してタイムリーに施策を打ち続けることが不可欠だと考え、GAIA.hrプロジェクトが立ち上がりました。

GAIA.hrが目指す姿

GAIA.hrによる、デジタルを活用したタレントマネジメントの高度化は、部分最適ではなく、全社横断での最適な人財活用・人財育成を可能とします。具体的には、主に以下4つの観点をデータに基づき、全社横断で実行していきたいと考えています。

  1. (1)本人の成長に資する業務アサイン、配置
    蓄積された情報をもとに適性を見極めた上で、能力を開花させるためのストレッチアサインメント。
  2. (2)価値最大化のためのチーム組成
    経験や勘、人脈等に頼らず、可能なかぎり客観的なデータを用いた判断を行い、パフォーマンスが高いプロジェクト遂行を実現するチーム組成。
  3. (3)事業計画達成に向けた要員計画の実現
    事業特性に応じスキル別人財需要を予測し、重点的な人財育成・獲得。
  4. (4)自律的なキャリア形成に向けた環境づくり
    キャリアモデルの提示、キャリアプランを実現するジョブの提示と機会提供、キャリア形成状況に対するフィードバックの充実化。

すべての社員が最大限能力を発揮できる機会をこれまで以上に提供することは、経営戦略を人事面から支えるうえで、極めて重要であることは言うまでもありません。

NTTデータの社員一人ひとりの活躍を通じて、今まで以上にお客さまや社会全体に対し、新たな価値を提供しつづけていくため、GAIA.hrを代表に人財領域の変革を続けていきたいと思います。

今後の連載について

次回の第6回はGAIA.data:データ活用編として、GAIA.fin やGAIA.hrにおける要ともいえるデータ活用、統計手法について紹介していきます。

- NTTデータは、「これから」を描き、その実現に向け進み続けます -
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