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2022.2.14特集

製造DX成功の肝―IoTプラットフォームの位置づけ―

製造業のDXを阻む大きな壁の一つは、製造現場毎にサイロ化された組織・業務・システムである。本稿では、企業のサプライチェーン全体で製造DXに取り組む際に肝となるIoTプラットフォームの位置づけ・捉え方について解説する。

目次

1.製造業の課題と目指す方向性

製造業を取り巻く課題は、生産性向上、省人化、災害リスク・安全対策、柔軟なサプライチェーンの確立、といった従来の課題に加え、SDGsへの取組等様々な分野に広がっています。製造領域では、品質が高いものを提供して当たり前とされ、日々品質管理レベルの向上を求められますが、企画やマーケティング領域に比べてコストと見られる傾向があるため、業務削減・洗練が継続的に必要となる傾向にあります。
特に近年では、人財不足、担い手不足、技能伝承にかけられる時間は限られるといった制約の中で、徹底した省力化が求められています。

図1:製造業を取り巻く状況

図1:製造業を取り巻く状況

ここで期待されるのが製造DXです。今までの製造領域は設備と人が向き合うことが中心でしたが、この間を補完する形でデジタル技術を活用し、業務自体を変革することで時代の変化に対応していく方向性(戦略)が求められています。デジタル技術は手段とし、業務自体の変革をDXと捉えることが重要です。まずは、どういう姿でありたいかという変革のビジョンを明確に発信することが重要で、その手段(戦術)として、スマートファクトリーのような取組が注目されているのです。

2.IoTプラットフォームの位置づけ

製造DX、スマートファクトリーと聞くと、設備やラインの生産効率化を思い浮かべることが多いかと思いますが、製造DXを実現するためには、企業のサプライチェーンの生産活動全体に目を向ける必要があります。また、その際に肝要となるのはIoTプラットフォームの位置づけです。

これまで、日本の生産現場は徹底した効率化、納期短縮の活動をしてきました。OT(Operational Technology, 制御機器を制御し運用するシステムや技術)と呼ばれる技術領域は専門性が高く、時に企業毎、ライン毎にシステムが作られます。業務にフィットし、システムそのものが業務になりえるのです。SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition, 差産業制御をコンピュータによって統合的に監視、プロセス制御を行うシステム)に代表されるような生産設備と一体的なシステムによってほぼリアルタイム(マイクロ秒~ミリ秒)に生産現場の可視化が可能となりましたが、各設備やライン単独で監視をして効率化や予防保全を行うこと自体は、本質的なDXではないと考えます。

対して、単独の設備やラインではなく、生産活動全体に目を向け、データの流通性としてのビジョンを持つことは、様々な業務変革を実現します。例えば、トレーサビリティの観点で、どこでどのようにして作られたモノかが追えれば、顧客からの問い合わせに即座に応え、顧客満足度を維持するだけでなく、品質管理レベルを上げることにもつながります。その他にも、ビジョンを生産実行領域だけに留めないことで、設計へのフィードバック(部品改善等)、物流との連携による在庫最適化、委託企業との部品・予備品コントロール、果ては金流ともつなげ設備投資に対する予算管理、検収といった各ステークホルダーとの連携までもが視野に入ります。

これらの構想は、図2で示すように、IoTが中心となる生産実行領域だけでなく、サプライチェーン全体を一つのプラットフォーム上で運営していくことが重要です。

つまり、IoTプラットフォームとは「データ連携性」であり、データを活用する人(誰)の数を増やして、新しい変化(なぜ)を増やしていく活動ができる環境と位置付けられます。企業のサプライチェーン全体でデータ連携を実現し、データを流通させ、企業活動の様々なプロセスの中でデータを掛け合わせて新たな変化を発想していくことこそが製造DXの本質であると考えます。

図2:製造業におけるプラットフォーム

図2:製造業におけるプラットフォーム

3.IoTプラットフォームの導入ポイント

既に高度に自動化・効率化され、改善活動が定型帳票のようにフォーマット化されている製造現場と、人財難や市場成長の鈍化といった将来の事業継続課題を抱える本社。IoTプラットフォームの導入は双方の価値観を合わせながら進めていく非常に難易度の高いプロジェクトになる傾向があります。

どちらかにパワーバランスが偏っている企業も多いですが、双方の目指す価値を共有し大きなビジョンとして双方が相手の立場に立つ(相手の利害を想像する)、その視点での情報交換が不可欠です。
製造現場は、設計部門・研究開発部門から定められた品質基準を守りながら、日々の繁忙な製造業務に追われています。先を見るような余裕がなく、中長期的な会社の課題に触れる機会が少ない中で、本社が製造現場の立場を考えずにトップダウンの取組指示を出しても響くことはありません。

企業は工場間の人事異動等を通じて、組織の循環を図るわけですが、その際にシステムやプラットフォームが標準化されていない場合、その都度新たに教育が発生し、異なる価値観が生まれてしまうという課題もあります。

本社が導入を進め管理するIT(Information Technology, コンピュータ、ネットワーク、データを中心とした情報処理技術)と製造現場が運用するOTの融合を果たすものがIoTプラットフォームであり、導入を通じた双方の理解と企業内でのデータリテラシの均一化を目指すものであります。

4.製造DXの先に

繰り返しになりますが、製造DXの本質は、デジタル技術を活用して「変革」をしていくことです。
IoTプラットフォームは、データを活用して新しい価値を見出し製造業の業務に変革をもたらすためのきっかけ、手段に過ぎません。
正解が用意されているわけではなく、必ず、自ら、目標、仮説を立てることが必要です。
その上で、今まで見えていなかったデータを見えるようにしてアクションにつなげる、データとデータを掛け合わせて新しい業務プロセスを生み出す、データがつながることで様々な新しい価値が生まれます。
NTTデータは、ビジネスコラボレーションプラットフォーム「iQuattro®」をはじめとする様々な製造DXソリューションの提供を通し、日本の製造業の強みをデジタルで補完、新たな強みを生み出す一助になることを願っています。

出典:一般社団法人情報処理学会 学会誌

https://www.ipsj.or.jp/magazine/magazine.html

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