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2024年4月24日トレンドを知る

再エネ活用の課題と効率的なエネルギー利用の仕組みを解説
~エネルギー利用の最適化を実現する「ECONO-CREA CEMSサービス」とは~

地球規模の課題である地球温暖化問題を受け、2020年に政府によりカーボンニュートラルが宣言された。これを機に、温室効果ガスの排出量削減に向けた取り組みの重要性が高まってきており、太陽光、風力をはじめとする再生可能エネルギーの活用が急速に進んでいる。これらの分散電源の有効活用においては、それを管理しエネルギーを効率的に利用するためのエネルギーマネジメントの仕組みが必要である。これを実現するのが、NTTデータの提供する「ECONO-CREA CEMSサービス」である。本記事では、エネルギーマネジメントの重要性を説明するとともに、これを実現するNTTデータのサービスやさらなる構想について紹介する。
目次

1.エネルギー業界を取り巻く現状

(1)地球温暖化という地球規模の問題

近年、地球温暖化の影響により、世界各地で異常気象が発生しています。2022年に発生したパキスタンの洪水では、国土の1/3が水没し、3000万人以上が被災するという過去に例を見ない大災害に見舞われました。我が国においても、台風のほか、近年は線状降水帯による局所的な豪雨の影響により、大きな被害を受ける事例が増加傾向にあります。地球温暖化の原因である温室効果ガスの削減は、現在地球規模で喫緊の課題とされており、政府は2020年にカーボンニュートラルを目指すと宣言しました。これを受け、現在、再生可能エネルギーの積極的な活用が急速に進んでいます。

(2)再生可能エネルギーによる発電における課題

再生可能エネルギーの主力となるのが太陽光です。燃料を必要とせず、無尽蔵でかつ費用がかからない太陽光の光エネルギーを活用して電気を作り出すことができ、化石燃料よりも環境への負荷を低減できます。広大な敷地に限らず、ビルや住宅などの屋根にもソーラーパネルを設置できるため、発電した電気を自家消費することで自宅の電気代を節約できます。そのため、各地で太陽光発電の導入が進められています。
一方で、太陽光発電ができるのは日中の晴れている時間帯のみであり、各箇所の発電量は従来の化石燃料による発電量と比較すると小規模です。また、各家庭でも発電できることから、発電箇所数が多くなるという特性も有しています。カーボンニュートラルを達成するためには、これらをいかに効率的に利用するかという「エネルギーマネジメント」が重要となります。その際、住宅、ビル、工場等の建物1棟ごとにエネルギー利用の最適化(HEMS(※1)、BEMS(※2)、FEMS(※3))を行うのではなく、地域全体で最適化を行うCEMS(※4)が非常に重要となります。このために不可欠となるのがITの力です。

(※1)

Home Energy Management Systemの略。住宅のエネルギーマネジメントを行うシステム。

(※2)

Building Energy Management Systemの略。ビルのエネルギーマネジメントを行うシステム。

(※3)

Factory Energy Management Systemの略。工場のエネルギーマネジメントを行うシステム。

(※4)

Community Energy Management Systemの略。地域全体のエネルギーマネジメントを行うシステム。

2.エネルギーマネジメントにおけるITの重要性

エネルギーマネジメントを行うためには、

  • 太陽光発電をはじめとする分散電源がいくつ存在し、どれほどの発電能力を有しているかの管理
  • 各分散電源の発電状況の監視
  • 過去の実績データ等を基にした電力の発電量と需要の予測

等が必要になります。数多くの分散電源が存在する中、これらを人手で行うことは当然不可能です。そのため、ITの力が必要となってきます。各分散電源をITシステムで繋いで管理し、AI技術を駆使しながら予測を行うことで、リアルタイムに状況を把握し、最適な予測を行っていくことが可能になります。今後も分散電源は増え続けていくことから、ITを活用しなければエネルギーマネジメントを行うことはできず、実現のためには必須のツールと言えます。

3.ITを活用してエネルギーを有効活用する「ECONO-CREA CEMSサービス」

(1)ECONO-CREA CEMS(分散電源管理)サービスの概要

2でご説明したとおり、エネルギーマネジメントにおいてITの力が必須になります。NTTデータは2023年度から、分散電源管理を可能としエネルギーマネジメントを実現するECONO-CREA CEMSサービスを開始しています。太陽光発電、需要設備・機器類、蓄電池等を管理し、全体でエネルギー管理が行えます。また、AI技術を活用することで、電力の需要や太陽光による発電量の予測を行い、蓄電池の充電や放電に関する最適化計画を策定・運用することも可能です。小売電気事業者、リソースアグリゲータ事業者(※5)、自治体等が本サービスを導入することにより、エネルギー消費量を削減してエネルギーのさらなる有効活用を実現するとともに、需要家における電気料金の低減につながります。

図:ECONO-CREA CEMSサービスのイメージ

図:ECONO-CREA CEMSサービスのイメージ

(2)EVを活用したエネルギーマネジメント

地球温暖化という課題に対し、EV(電気自動車)の普及促進が1つの解決策として挙げられています。我が国においても、EVの購入支援、充電インフラの整備等により、国を挙げてEVのさらなる導入が進められています。EVは動力となる電気を貯蔵しておく蓄電池を搭載しています。この蓄電池を1つの分散電源と捉えることにより、EVも含めたエネルギーマネジメントが可能になるのではないかと考えています。EVも活用すれば、より細かな需給調整を実現できます。
NTTデータでは、EVを活用したエネルギーマネジメントの取り組みも行っています。需要家の太陽光発電量や電力消費量と、EVの蓄電池の残量等の電力情報を連携し、当該蓄電池の最適な充電や放電を予測する仕組みの構築に取り組んでいます。これにより、電気料金の低減やエネルギー消費量の削減を実現します。本取り組みを他の設備や分散電源リソースに拡張していくことで、エネルギー消費量のさらなる削減を図ります。

(3)さらなるエネルギーマネジメントの実現に向けて

ここまで、ITによるエネルギーマネジメント技術を活用したエネルギーの効率的な利用についてお話してきましたが、電力需給のひっ迫や電力価格の高騰に対処するためには、節電を促すことによるエネルギーマネジメントの仕組みも重要であると考えています。そのため、生活者の行動変容を促すことによって、エネルギー消費量を削減するソリューションも必要になると考えています。NTTデータでは、このようなソリューションを通じて、さらなるエネルギー消費量の低減に向け引き続き取り組んでまいります。

(※5)

契約に基づいて発電設備、蓄電池等のリソースを遠隔制御することで電力を束ねる事業者。

4.最後に ~持続可能な世界を目指して~

世界経済の発展により、我々の生活はますます便利になってきた一方、電力の需要も増加し続けたことにより、地球温暖化という大きな問題を招く結果となりました。このまま放置すれば、さらなる気温上昇のほか、異常気象による甚大な被害が続くことが予想されます。「IPCC 第6次評価報告書の概要 ―統合報告書―」(2023年環境省公表)においては、気温上昇を一定の水準に留めるには、CO2排出の正味ゼロの達成が必要である旨記載されており、温室効果ガスの劇的な削減が必要になります。NTTデータは、このような問題に対して、ITという観点から課題解決に取り組み、持続可能な世界の構築を目指します。

NTT DATAのNECONO-CREA®についてはこちら:
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/econo_crea/

NTT DATAのECONO-CREA節電・外出ポイントサービス実証実験開始についてはこちら:
https://www.nttdata.com/global/ja/news/services_info/2022/072900/

ECONO-CREAについてはこちら:
https://www.econo-crea.jp/

本記事では、脱炭素で企業・製品価値を高めていくために必要なアプローチであるCO2排出量の「可視化」、「削減」、削減努力の「価値訴求」の中から「削減」に貢献するサービスである「ECONO-CREA CEMSサービス」について解説いたしました。その他サービスの詳細な内容についてはホワイトペーパーとして確認できますので、ぜひご参照ください。

ネットゼロ社会に向けたホワイトペーパーのダウンロードはこちら:
https://www.nttdata.com/jp/ja/services/carbon-neutral/

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