企業努力を脱炭素の
インセンティブに変えていく
昨今、持続可能な社会の実現に向けて、ビジネスの世界でも環境負荷の軽減に取り組む必要性が高まっています。こうした動向は新たな競争ルールの転換としても表出し始めていますが、現在の日本企業の取り組みは、まだまだ義務としての受け身の対応が中心となっており、ビジネスとの距離が遠い状況です。
NTT DATAはこうした課題に対して、気候変動についてネットゼロ(大気中への温室効果ガスの排出量から除去量を差し引いた値がゼロであること)が達成された未来社会を「企業努力が適切に反映される社会」と定義し、企業がとるべきアプローチを解説します。具体的には、企業が企業価値・製品価値を向上させていくために、「可視化」「削減」「価値訴求」から成るサイクルを回すことにより、企業努力をインセンティブとして取り込んでいくことです。さらに、デジタル技術がこのアプローチにどう貢献できるかについて、NTT DATAのソリューションを例に挙げて紹介します。
株式会社NTTデータグループ
コーポレート統括本部
サステナビリティ経営推進本部 グリーンイノベーション推進室長
下垣徹
現在はNTTデータにおける環境部門の責任者として、自社の環境負荷低減・国内外のグリーンビジネス展開を推進。
デジタルを活かしたネットゼロ社会への歩み方
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Chapter 1 気候変動問題に関するリスクは高まる一方
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Chapter 2 ネットゼロ達成を見据えて企業がとるべきアプローチ
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Chapter 3 デジタル技術が脱炭素にどう貢献できるか
気候変動問題への対応がグローバルで加速
近年、私たちを取り巻く気候変動問題はますます深刻化しています。
原因とされる温室効果ガス排出量は、世界の経済成長につれて急増しており、今後さらに深刻さが増すと予測される中で、
グローバルで温室効果ガス排出量削減に向けた対応が加速しています。
日本国内においても、官民で総力を挙げた取り組みが求められており、 各企業での「カーボンニュートラル」に向けた目標設定や具体的な対応が進んでいます。
カーボンニュートラルとは?
二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスの人為的な排出量と、植林・森林管理などによる吸収量を均衡させる(両者を差し引いて、合計を実質的にゼロにする)ことです。2020年10月、日本政府は2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言しており、温室効果ガスの排出量の削減、吸収作用の保全及び強化が求められています。
企業に求められる対応
温室効果ガスは「自社の活動」だけではなく、「間接的な消費」や「他社排出」を含むさまざまな工程・活動で排出されています。
目標設定や対応を検討する際には、サプライチェーン全体での排出量を算出し具体的な削減数値や活動を示すことが環境対応企業としての企業価値向上につながります。
サプライチェーン排出量
サプライチェーン排出量=Scope1排出量+Scope2排出量+Scope3排出量
Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
カーボンニュートラルの実現を支援 ~グリーンコンサルティング~
これまで私たちの暮らしに多くのイノベーションをもたらしたITやデジタル技術は、カーボンニュートラルの実現においても重要な役割を果たします。
NTTデータは「NTT DATA Carbon-neutral Vision 2050」の実現に向け、自社の温室効果ガスの排出削減を進める一方、当社が持つデジタル技術を最大限活用して、カーボンニュートラルの実現に関するお客さまの悩み・困りごとに応えるため、グリーンコンサルティングサービスとして、戦略立案から実行支援までを包括的に提供しています。
NTTデータが選ばれる理由
1幅広いメニューで、お客さまの目的・悩みに合わせた支援が可能
NTTデータのグリーンコンサルティングサービスでは官民問わず業界特性や、お客さまを取り巻く内部・外部環境の分析を踏まえたグリーン経営・事業戦略の立案から、戦略を実現するための実行支援まで、目的や悩みに合わせた方法の提案が可能です。
環境分析・戦略立案では、マクロ環境の分析とともに、温室効果ガス排出量の将来推計などの自組織に関する分析を踏まえて、脱炭素戦略・シナリオプランニング、事業形態に合った省エネ計画、再エネ調達方針の検討などの戦略策定を行います。
その上で、戦略実現に向け、デジタル技術を活用した省エネや再エネ導入などの排出量削減支援、電力消費の見える化・最適化などのソリューション提供、特定領域における施策実行まで幅広く支援します。
2独自に温室効果ガス排出量の可視化レベルを定義
現在、特に需要が高まっている温室効果ガス排出量の可視化においては、NTTデータ独自の5段階レベル定義に基づき、単なる可視化から削減につながる可視化へ引き上げる支援をします。現状、多くの企業における温室効果ガス排出量の可視化は、排出原単位に基づき算定されるレベル0~1に留まり、個別の削減努力が反映されない課題が残ります。
NTTデータは削減アクションにつながる可視化レベル2への到達までを支援します。
具体的には、グリーンに注力する製品にはライフサイクルの排出量を積み上げる精緻な算出プロセスを構築し、その他の領域ではサプライヤー別算定方式等の効率的な算定手法を組み合わせることで、グリーンに関する訴求力と実現性を併せ持ったハイブリッドな排出量可視化の仕組みを提供します。
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お問い合わせお知らせ
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2024年3月7日
株式会社NTTデータグループ トピックス
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2024年3月4日
株式会社NTTデータ トピックス
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2024年3月1日
株式会社NTTデータグループ 報道発表
レポート&コラム
平井 聡
2つの事例で見る、コネクティッドカーを中心とした社会変革
運転速度や加減速などの走行データから、AIが高齢者ドライバーの認知力を判断する。一見、自動車メーカーの実証実験に思えるかもしれないが、取り組んでいるのはNTT DATAだ。ほかにも、次世代の自動車を支えるさまざまなシステムの研究・開発を進めている。 めざすのは、「自動車のコネクティッド化による社会変革」。モビリティを中心とした新たなビジネスと社会価値を創出し、社会課題の解決に取り組んでいる。NTT DATAは、どのようなForesight(先見性)を持って、コネクティッド化を推し進めているのか。冒頭の「AIによる認知力判断」を始めとして、実際の取り組み事例をまじえて紹介する。
カーボンニュートラル IoT コンサルティング モビリティ サステナビリティ
詳細はこちら
山下 渉平
AIで空調消費エネルギーを最大50%削減! ~省エネと快適性を実現する「HUCAST AI空調最適化サービス」~
一般的なビル施設では、エネルギー消費の約50%を空調が占めている。カーボンニュートラル社会実現の機運が高まる中、企業の脱炭素経営を目指し、ビルエネルギーマネジメントシステム(BEMS)導入等によるエネルギー使用量可視化が進み、次の一手としてエネルギー削減の具体策が求められている。 NTTデータでは、AIを活用してビルの空調を最適運転させることで、省エネと快適性を実現する「HUCAST AI空調最適化サービス」を展開している。本記事では、AI空調最適化サービスの概要と空調最適化を実現する仕組みについて紹介する。
データ&インテリジェンス カーボンニュートラル 電力・ガス・水道 サステナビリティ
詳細はこちら
谷口 優也
クラウド活用によってグリーンITを実現 ~NTT DATAのコンサルティングアセット
カーボンニュートラルの達成には、ITシステムのグリーン化も欠かせない。クラウドはグリーン化したITシステム、「グリーンIT」実現において重要な技術であるが、グリーン市場が発展途上であることも相まって、グリーンIT×クラウドの組み合わせは実現の難易度が高い。本記事ではグリーンIT実現におけるクラウドの役割を解説するとともに、グリーンなクラウド活用を支援するNTT DATAのコンサルティングアセットを紹介する。
クラウド コンサルティング カーボンニュートラル サステナビリティ
詳細はこちら
イベント・セミナー
脱炭素を力に ~EU-CBAMへの対応~
公開日:2024年2月28日(水)
・欧州輸出の業務でCBAM対応に悩まれている方
・企業のGHG排出量算定に悩まれている方
・Scope3排出量削減に悩まれている方
カーボンニュートラル
詳細はこちら
デジタルを活かしたネットゼロ社会への歩み方
公開日:2024年1月5日(金)
・GHG排出量の可視化や削減にどう取り組むべきか検討している環境部門の方
・脱炭素施策を企業経営に統合して踏み込んで進めたい環境部門の方
・脱炭素を事業機会に活かしたい事業部門の方
カーボンニュートラル SCM・ロジスティクス
詳細はこちら
CBAM(炭素国境調整措置)の衝撃に備えよ
公開日:2023年10月24日(火)
・欧州輸出の業務でCBAM対応に悩まれている方
・企業のGHG排出量算定に悩まれている方
・Scope3排出量削減に悩まれている方
カーボンニュートラル
詳細はこちら
NTTデータでは環境方針、環境目線に基づき、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた新たなビジョンNTT DATA Carbon-nutral Vision 2050を策定し、取り組みを行っています。