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2022.9.22展望を知る

グリーンな未来社会実現に向けて~企業とSDGs~

企業に対する期待が経済性だけでなく、社会課題の解決まで広がっており、これらの両立が事業活動の継続において不可欠となりつつある。国連のハイレベル政治フォーラムに合わせて北米ニューヨークで開催された「日経SDGsフォーラム in NY」での講演内容をもとに、注目度が特に高い「脱炭素」において、企業の抱える課題とその解決策を紹介する。

目次

企業に求められる「サステナビリティ経営」

「脱炭素は重要な経営課題」という認識が日本でも広まりつつあり、この動向は脱炭素にとどまらずサステナビリティ全体へとスコープを広げながら加速すると見込まれます。象徴的なグローバル動向として、国際会計基準を担うIFRS財団が、サステナビリティ全体の取り組みを「非財務情報」として算定・開示するルールを策定しています。日本においても、内閣官房・経済産業省・金融庁などが海外の先行ルールをもとに「非財務情報」の開示について検討しています。
ここでは、サステナビリティの中でも注目度が特に高い「脱炭素」を例にとりながら、企業がサステナビリティにどう取り組むべきか、どんな課題や解決策があるかについて、NTTデータやお客さまの事例を参照しながら紹介します。

図1:講演の様子

図1:講演の様子

NTTデータは「Realizing a Sustainable Future」というビジョンのもとサステナビリティ経営を掲げています。(※)これはサステナビリティと経営を一体化させるものであり、具体的にはNTTデータの事業環境をふまえた9つのマテリアリティ(重要課題)を通じて推進していくものです。

図2:サステナビリティ経営

図2:サステナビリティ経営

この中でも特に世の中の注目度が高い「脱炭素」では、SBTネットゼロ目標などのグローバル水準の高い目標を環境ビジョンに取り込んでいます。(※)また、環境ビジョンでは自社にとどまらず、お客さま、IT業界、ひいては社会全体の脱炭素をめざしており、これを実現するために5つの重点領域を掲げています。

図3:5つの重点領域

図3:5つの重点領域

1つ目の重点領域である「データセンタの革新的な省エネの実現」では、IoTによる電力消費量の精緻な可視化や空調最適化を進めたり、IT機器を特殊な液体に浸す「液浸冷却」を検証したりと、先進的な技術を活用しています。2つ目の重点領域である「再生可能エネルギーの創出」では、オンサイトPPAで再生可能エネルギーを導入したり、太陽光エネルギー導入をワンストップで支援したりと、世の中の再生可能エネルギーを増やす取り組みも進めています。

(※)環境負荷低減に関する、NTTデータのビジョンと具体的な取り組み

https://www.nttdata.com/jp/ja/sustainability/environment/

脱炭素にどのように着手するべきか

3つ目の重点領域「グリーンコンサルティング」として、官民問わず様々な業界のお客さまに対し、ITサービスにとどまらない様々なコンサルティングサービスを提供しています。NTTデータグループは環境分野において30年以上のコンサルティング実績があり、これをデジタル技術と組み合わせることで、環境分析・戦略策定~実行支援まで一貫して支援できる点が特徴です。
脱炭素に着手するには、まずは現状を把握するために「CO2排出量の可視化」が重要です。お客さまと伴走した事例として、製造業のお客さまとともに、サプライチェーン全体のCO2排出量を可視化するデジタル基盤を構築した取り組みを紹介します。CO2排出量の可視化では多種多様なデータを取り扱いますが、このデジタル基盤は既存のデータやシステムと連携することで、個々の製品ごとの精緻なCO2排出量を算出できます。工場での製造工程における排出量(Scope1/2)だけでなく、仕入先原料メーカーや外注業者の加工プロセスの排出量(Scope3)も積み上げ、最終製品に紐づけて可視化することが可能です。

図4:お客さまと可視化に取り組んだ事例

図4:お客さまと可視化に取り組んだ事例

企業の課題とその解決策

グリーンコンサルティングをつうじてお客さまと議論する中で、大きく2つの課題があると考えています。第一の課題は、ただCO2排出量を可視化するだけでは、排出量を削減しづらいこと。排出量の算定では、統計データなどの業界平均値を用いることが多いです。しかし、平均値には個社の削減努力を反映していないため、事業規模を縮小しないと排出量を削減できない事態になりかねません。NTTデータはこの課題に対して、取引先の削減努力を反映できる方法論をコンサルティングに組み込んでおり、お客さまに対して「5段階の可視化レベル」として脱炭素ジャーニーを提案しています。

図5:5段階の可視化レベル

図5:5段階の可視化レベル

第二の課題は、大企業だけが取り組んでも脱炭素は達成できないということ。大企業では可視化から開示にニーズが移りつつある一方、中小企業は可視化に取り組めていないことが多いため、サプライチェーンや社会全体の脱炭素化にむけては大企業以外も巻き込む必要があります。NTTデータでは、神奈川県で産官学を巻き込んだ「地域脱炭素プラットフォーム」を設立したり、沖縄県石垣島で再生可能エネルギーを大量導入するためのデジタル基盤を実証したりと、既存コミュニティを活かしたプラットフォーム形式の脱炭素化を進めています。

図6:コミュニティを活かした脱炭素化

図6:コミュニティを活かした脱炭素化

今後の取り組み

冒頭で述べた5つの重点領域のうち、4つ目の「CO2排出量基準作りの牽引」として、国内外のイニシアティブと連携しながらCO2排出量に関するルールメイキングに取り組んでいます。具体的には、CO2排出量データを企業間で交換するルールを策定することで、企業の排出量に削減努力を反映しやすくします。また、ソフトウェアのCO2排出量を算定するルールを策定することで、IT業界全体の環境負荷低減をめざします。
最後に、5つ目の重点領域として「社会全体のカーボントレーシングの実現」をめざしています。これは企業が業界横断で秘匿性を保ったまま、容易に排出量データを交換できる世界であり、排出量可視化のゴールになります。これを実現するためには、ルールメイキングに加えて、NTTグループで進めている「グローバルデータ連携基盤」のようなデジタルインフラが必要です。こうした基盤は脱炭素に限らず、サーキュラーエコノミーなど様々なテーマに応用できると考えています。

図7:カーボントレーシング基盤構想

図7:カーボントレーシング基盤構想

おわりに

「日経SDGsフォーラム in NY」は日本企業に限らず、外資企業、政府・自治体関係者、学識経験者などが意見を交わし、サステナビリティの全体像を俯瞰できるイベントでした。
なお、NTTデータは単独講演のほかに、日本のSDGs第一人者である慶応義塾大学大学院 蟹江憲史教授らと対談も実施しており、日本企業の競争力強化・若手人材獲得などについてサステナビリティの切り口で議論しました。対談などの詳細については、「日経イベント&セミナー」よりアーカイブ配信動画を視聴いただけます。(https://events.nikkei.co.jp/reportlist/50654/

図8:対談の様子

図8:対談の様子

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