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2023年5月12日技術ブログ

NFTが拓く、Web3時代の未来:BlockTrace®がもたらす可能性

暗号資産やNFTを活用したトークンエコノミーと言われるデジタル経済圏が世界中で台頭しつつあり、この経済圏はWeb3の概念のもと、ブロックチェーンの技術によって支えられている。NTTデータは、Web3の普及と多くのお客さまのご要望や期待に応えるため、ブロックチェーンのトータルソリューションであるBlockTraceの新たなサービスとして、BlockTrace for NFTをリリースした。
目次

NFTとは?

デジタルデータの唯一無二性を証明するNFT(Non-Fungible-Token=非代替トークン)は、デジタルデータに希少価値を持たせる技術として注目を集めています。

2017年からの数年間でNFTの活用の幅が一気に広がり、ゲームやアート、スポーツ業界等のあらゆるデジタルデータがNFT化されてきました。そしてNFTの売買プラットフォームであるOpenSeaでは、2021年8月の売上げが800%以上増加し30億ドルを超え、NFTは短期間で急激な成長と広がりを見せました。

BlockTraceとは?

NTTデータは2021年にブロックチェーンのトータルソリューションであるBlockTrace®をリリースしました。
その後もラインアップを増やしながら機能を拡充しています。

図1:BlockTrace®ソリューションラインナップ

図1:BlockTrace®ソリューションラインナップ
https://www.nttdata.com/jp/ja/news/services_info/2021/031600/

NFTは投機的な動きが活発になり一時的に市場が高騰した時期を経て、現在は実ビジネスへの本格的な活用に向けた検討が進んでいます。NTTデータでもBlockTraceにBlockTrace for NFTを新たに加え、NFTのビジネスへの活用を模索しています。
その取り組みの一つが「バチカン図書館×Web3支援プロジェクト」です。

バチカン図書館×Web3支援プロジェクト

NTTデータが2023年2月に実施した「バチカン図書館×Web3支援プロジェクト」では、支援活動を行った証明としてNFTを発行し、その返礼としてデジタルコンテンツを提供するというWeb3コミュニティプラットフォームの技術面・運用面での実現性を検証しました。このWeb3コミュニティプラットフォームに、NTT DATA Italia S.p.A.と共同開発したBlockTrace for NFTが利用されています。

"With our colleagues from Japan and other members of NTT DATA Innovation Center, we have created an asset that lets us build any kind of NFT-related project for our enterprise clients.
Thanks to BlockTrace for NFT, we have created a platform that can connect the tradition of an ancient institution like the Vatican Library and the innovation of Web3."

NTT DATA Italia S.p.A

BlockTrace for NFTは以下の機能を提供しています。

ユーザー機能

  • (1)Web3 wallet(デスクトップ&モバイル)の接続
  • (2)ブロックチェーンアドレスを登録してNFTを受信
  • (3)ブロックチェーンからNFT情報を取得
  • (4)保有NFT情報をもとに限定コンテンツのアクセス

管理者機能

  • (1)カスタムトークンスマートコントラクトの実装(転送不可要素の追加)
  • (2)スマートコントラクトの自動展開
  • (3)NFTのミント(Air-drop)/NFTの送付(Transfer)
  • (4)分散型ファイルストレージへのメタデータと画像ファイルアップロード

図2:Web3コミュニティプラットフォームの構成図

このプロジェクトでは、バチカン図書館が保有するデジタルコンテンツの新たな活用方法を見いだし、Web3技術による新たなユーザー体験を実現しました。

https://www.nttdata.com/jp/ja/news/services_info/2023/032800/

今後の課題、目指すゴール

今回のプロジェクトでは、多くのユーザーがウォレットを登録する前にプラットフォームから離脱しており、一般ユーザーがWeb3に参入するハードルが高いと言う結果が浮き彫りとなりました。
また、ユーザーにウォレットの管理を委ねることで暗号資産の不正流出や秘密鍵の紛失など大きなリスクをユーザーが負うことになります。

これらのハードルおよびリスクは技術により補われようとしています。
Web3の世界で最もよく使われているイーサリアムブロックチェーンは、日進月歩で改善を遂げており、これにより、ウォレットの作成・管理、トークンの売買、他トランザクションなどが簡易化され、ユーザビリティが劇的に向上すると見込まれています。

NTTデータは、ユーザーがシームレスな形でWeb3の世界に参加できる仕組み作りが必要と考えています。BlockTrace for NFTでは、ユーザーが既に所有しているウォレットに加え、サービス提供者側で用意するウォレットも使えるようにすることで、ユーザーに管理負担のかからないウォレット機能の実装を検討中です。

NTTデータは今後もさまざまなビジネス課題を解消するブロックチェーンのトータルソリューションとして、BlockTraceをアップグレードし続けます。

「BlockTrace」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。

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