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2022.10.4トレンドを知る

メタバースってどうなの?ビジネス活用の期待と課題

昨今、バズワードとして注目を集まるメタバース。メタバースの初歩的な知識から、ビジネス活用における期待と課題まで横断的に解説する。来たるべき「メタバース新時代」に備えて、どのように今のメタバースを理解し、付き合っていくべきか、改めて考える。

目次

図1:メタバースの例(NTT XR Coworking)

図1:メタバースの例(NTT XR Coworking)

1.メタバースとは?

バズワードとなっているメタバースについて、それが何なのか解説するところから始めます。メタバース(Metaverse)という言葉は、1992年にニール・スティーヴンスン氏の小説内で架空の仮想空間サービスとして登場しました。超越という意味のMetaと宇宙を意味するUniverseが掛け合わさった造語で、ここ数年で急速に一般化しています。

このメタバースという言葉、実は定義が乱立しています。そのため、一概に「これがメタバース」と結論付けることはできませんが、複数の定義の中で以下のような共通要素が確認できます。

  • 三次元の仮想空間であること
  • 複数のユーザが同時参加し、空間を共有できること
  • 高い没入感が体験できること

まとめると「多くのユーザが同時に参加でき、現実に近いリアルな体験が可能な三次元の仮想空間」と理解できます。経済活動の存在や実世界との連動(デジタルツイン)(※1)などを求める定義もありますが、現時点では上記のようなイメージを持っておけば十分です。

(※1)デジタルツイン

現実のヒト・モノ・コトのデジタルコピーを仮想空間上に表現する技術。データ分析や未来予測などのシミュレーションを実行し、その結果に基づく最適な方法や行動を現実にフィードバックする。

2.メタバースのビジネス活用例

基本を押さえた上で、ここからは具体的なメタバースのビジネス活用を考えていきます。

想定される主要なメタバースの活用事例をまとめたのが以下の表です。(図2)

図2:メタバースのビジネス活用例

図2:メタバースのビジネス活用例

表の通り、1つの業界に限らず様々な活用事例が想定されることがわかります。これらは一例なので、メタバースを現状のビジネスとどう融合させるのか、十分に考えることが重要です。

またNTTデータグループでは、ビジネス活用に繋がるメタバースソリューションを提供していますので、ご紹介します。

「AMLAD」(※2)は博物館や図書館等が保有する文化財をデジタルデータとして保存・管理するソリューションです。デジタル化した文化財をバーチャルミュージアムとして仮想空間に展示する試みを行っています。

また、野球トレーニング用のソリューションとして「V‐BALLER」(※3)を展開しており、実際の投球フォームとボールの軌跡を再現することで、仮想空間での打撃練習や投球フォームの確認を可能としています。国内外のプロ野球チームにも多数の採用実績があります。

さらに、NTTデータNJKでは、ミーティングに特化したメタバースサービス「NTT XR Coworking」(※4)を展開中です。会議録の自動作成や翻訳機能も備えており、メタバース空間でのミーティングをサポートします。

(※3)V‐BALLER

https://v-baller.com/

(※4)NTTXR Coworking

https://www.njk.co.jp/case-report/513

3.メタバースの構成要素

ここではメタバースの構成要素を分解し、全体像をわかりやすく整理します。メタバースを俯瞰的に理解することで、ビジネス活用において留意すべきポイントを明確化していきます。

Application、Platform、Technologyの3層構造としてメタバースを分解すると、以下のように表現できます。(図3)

図3:メタバースの構成要素

図3:メタバースの構成要素

まず、Applicationについては、通常私たちが目にするメタバースの姿であり、先ほど「図2:メタバースのビジネス活用例」で紹介した具体的なメタバースはここに属します。目的や活用シーンに合わせて、独自のデジタル空間の作成やカスタマイズが行われるのが特徴です。

2つ目のPlatformは、メタバースを構成するために必要な共通機能を備えた基盤です。2022年現在、メタバースの作成と公開に特化した「メタバース・プラットフォーム」が複数存在しています。主要なものとして、Mozilla Hubs(※5)やNTTグループが提供するDOOR(※6)、国内のメタバースの先駆的サービスとして知られるCluster(※7)などが挙げられます。
押さえておくべき点は、現在のメタバースの多くはメタバース・プラットフォーム上で提供されていることです。従って、メタバースのビジネス活用を考えた場合、どのプラットフォームを選択するかが重要となります。それぞれ、利用時の対応デバイスやユーザのアクセシビリティ、描画性能など特徴が異なりますので、どういったサービス実現したいか、ターゲットは誰かなど、多角的な視点で検討することが必要です。

3つ目はTechnologyです。ご覧の通り、多くの技術がメタバースを支えていることがわかります。これらの一つひとつの技術の発展が相互に絡み合い、メタバースの進化を加速させていると理解できます。
ビジネス活用においては、期待する要件をPlatformだけでは達成できないケースが考えられます。この場合、最新技術を積極的に採用することが、より魅力的なサービスを実現する近道になるかもしれません。

(※5)Mozilla Hubs

https://hubs.mozilla.com/

(※6)DOOR

https://door.ntt/

(※7)Cluster

https://cluster.mu/

4.メタバースの課題

期待が先行しているメタバースですが、背景には多くの課題があります。(図4)

図4:メタバースの課題

図4:メタバースの課題

この中でも特に留意しておきたい点に触れておきます。

まず技術的/運用的な課題として、最も大きいものが「デバイスの成熟度と普及」です。ここで言う、「デバイス」とはメタバースを高い没入感をもって体感できるヘッドマウントディスプレイ(HMD)などのVR機器を指します。Meta Quest 2(※8)を筆頭に、ここ数年でHMDは急速に進化し、低価格で高性能な製品を入手できるようになりました。しかし、リアリティの再現度には改良の余地があり、一般消費者における普及率もスマートフォンには遠く及ばない状態です。限られた性能の中でも魅力的なバーチャルコンテンツの作成やパソコンやスマートフォンでも参加できるようにするなど、課題を踏まえた工夫が必要となります。他にも高品質の3D空間の作成コストが高いことや、同時接続可能な人数が少ない(通常のメタバース・プラットフォームでは15~30名程度が限界)ことが挙げられます。

次に制度的な課題ですが、一貫して言えるのはメタバースという概念に対して法制度が追いついていないことです。特に個人情報保護は消費者にとって身近な問題ですので、最低でもメタバース上での匿名性の担保や行動履歴の取得などは、プライバシーポリシーで明記しておく必要性があるでしょう。さらにメタバース上での反道徳的・反社会的な行為に対しては、法制度の充実と共に、サービスを提供する側も不正ユーザの監視や通報の仕組みの用意といった対策を検討する必要があります。

メタバースのビジネス活用を考える場合、上記のような課題を認識しておくことは不可欠です。技術面、制度面いずれについても、状況は流動的ですので最新情報のキャッチアップが重要です。

5.メタバースのこれから

ここまで見てきた通り、メタバースは期待と課題が渦巻く状況であり、今すぐ誰もがメタバースに参加する世界にはならないかもしれません。しかし、企業の投資や法整備の動き(※9)は活発さを増しており、前掲の課題は近い将来解決される可能性が高いと考えられます。

今からメタバースのビジネス活用について議論し、現時点での技術で実践してみることは、将来メタバースビジネスを創出する上で、重要な知見を与えてくれます。そしてそれは、来たるべき「メタバース新時代」を生き抜くための第一歩となるはずです。

(※9)2022年7月に総務省がメタバースの利活用に関する研究会を立ち上げ

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/metaverse/index.html

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